| 2010年 UTAU (2010/11/10発売)の頃 | |
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| Fake Book 大橋トリオ (2010) rhythm zone | |
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8. 突然の贈り物 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 大橋好規] 8曲目 大橋好規: Vocal, Piano 2010年3月10日発売 8. Totsuzen No Okurimono [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Yoshinori Ohashi] 8th track by Ohashi Trio from the album "Fake Book" on March 10, 2010 |
| 大橋トリオはシンガー・ソングライター、マルチ奏者、作曲・編曲家、プロデューサーである大橋好規(1978- 兵庫県生まれ、千葉県育ち)の一人ユニット。音楽関係者の父のもとで、幼い頃からいろんな楽器と音楽に親しみ、音楽学校でジャズ・ピアノを学んだことで、音楽のベースをジャズに置いたことが名前の由来のひとつになったという。2006年に映画のサウンドトラック盤、2007年大橋トリオ名義で全ての演奏・ボーカルを自分でこなした初ソロアルバムを出した。本作は彼が4枚目のオリジナル・アルバムを出した後に発表した初めてのカバー集(その後2012年の「Fake Book III」まで3枚出している)。アルバム・ジャケットは当時のトレードマークだったハットを被った自画像。タイトルで、カバーを「偽物」と言い放っているところが憎いね。 洋楽・邦楽、音楽ジャンルにこだわらずに、自由な感性で選曲し、オリジナルとは全く異なる編曲を施すことで新しい世界を創り上げている。ドラムス、パーカッション、ブラス、ストリングス以外の楽器はすべて自分で演奏しているが、本作では全体的にキーボードの比重が高くなっている。 大貫さんの 8.「突然の贈りもの」は最後の曲で、彼のピアノのみによる弾き語りになっている。この曲はピアノ伴奏によるカバーが多く、それぞれの演奏を比較する面白さがあり、ここでも大橋によるシンプルながらも音の粒立ちが美しいプレイが聴きもの。また男性ボーカルによるカバーとして、櫻井和寿(2004 Bank Band)、奥田民生(2013 大貫妙子 トリビュート・アルバム)との比べる楽しさもある。 他の曲について (以下 編曲は大橋好規) 1. Dancing In The Moonlight 英語[作詞作曲 Sherman Kelly] Sherman Kelly 1970。当時パリで活動していたアメリカのグループ、King Harvestのカバー1972 全米13位で有名になった。私的には本アルバムのカバーのほうが好み。 2. traveling 日本語[作詞作曲 宇多田ヒカル] 宇多田ヒカル 2001。CGを駆使したSF調のミュージック・ビデオで人気を博した曲。ここではエレキピアノによるグルーヴ、クールなボーカルが心地良い。 3. 贈る言葉 日本語[作詞 武田鉄矢 作曲 千葉和臣] 海援隊 1979。卒業式の定番となったスリーフィンガーのギター伴奏によるフォーク調の原曲をピアノによる変わったリズムでカバーしている。本作の中でも最も野心的なアレンジ。 4. Human Nature 映画[作詞 John Bettis 作曲 Steve Porcaro] Michael Jackson 1983 全米7位。Totoのキーボード奏者が作った曲にカーペンターズの作詞で有名なジョン・べティスが歌詞を書いたもの。オリジナルのエレクトロ・ポップとは異なるブラジル音楽風のアコースティックなアレンジがかっこいい。 5. I'm Yours 英語[作詞作曲 Jason Muraz] Jason Muraz 2008 全米6位。ギター主体の演奏だった原曲をピアノ伴奏にして、曲の乗りを変えたアレンジがユニーク。 6. Grapefruit Moon 英語[作詞作曲 Tom Waits] Tom Waits 1973。デビュー・アルバム「Closing Time」に入っていた曲で、多くのアーティストがカバーしている。大橋の音楽のコアであるジャズのテイストに溢れたパフォーマンスで、原曲よりも軽快な感じの歌唱。 7. Dreams 英語[作詞 Dolores O'Riordan 作曲 Noel Hogan, Dolores O'Riordan] The Cranberries 1992 全米42位。オリジナルのエレクトロ・ポップのサウンドに対し、ピアノ、ギターとパーカッションによる生楽器によるアレンジ。魅力的なハーモニー・ボーカルはmiccaという女性ボーカリストにより再現されている。 8. 突然の贈りもの とてもシンプルな「突然の贈りもの」のカバーだけど、曲に対する愛情がしっかり伝わってくる。 [2025年10月作成] |
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| あいにゆくよ SAWA (2010) Epic (Sony) | |
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1. Samba De Mar (Nakatsuka Takeshi Remix) [作詞作曲 大貫妙子 編曲 中塚武] 5曲目 SAWA: Vocal 中塚武: Remix またろう (三沢またろう): Percussion 副田製歩: Sax 勝部賢太郎: Trombone 小沢篤士: Trumpet 写真上 初回限定盤(本曲含む) 2010年4月7日発売 写真下 通常盤(本曲含まず) 1. Samba De Mar (Takeshi Nakatsuka Remix) [Words & Music: Takeo Onuki, Arr: Takeshi Nakatsuka] 5th track by SAWA from the album "Aini Yukuyo" (I'm Going To See You) on April 7, 2010 (Initial Issue Only) |
SAWA5枚目のミニアルバム。曲毎に異なる作曲家・サウンドクリエイターと組み、ファンタスティックな世界を展開している。SAWAによる大貫さんの「Samba Du Mar」のカバーは、2009年発売のコンピレーション・アルバム「Seaside Town」に収められていたが、本アルバムの初回発売分に限り、同曲のリミックスが含まれていた。なお初回限定盤と通常盤とはジャケット写真が微妙に異なっている。 「Seaside Town」ではTrak Boysによるプロダクションだったのに対し、ここでは中塚武が担当していて、同じ録音のSAWAのボーカルを使って、全く異なる演奏を付けている。イントロはビリンバウ(ブラジル音楽のパーカッション)から始まる三沢またろうのパーカッション、曲中ではサックス、トロンポーン、トランペットによるブラスセクションがフィーチャーされ、よりソリッドなリズムが強調された音作りになっている。両者を聴き比べると、サウンドクリエイターの個性が違いがわかって面白い。 私は発売当時はこの手の音楽を聴いていないので、ここで述べている事はあくまで高齢者が現在の視点で聴いたうえでの感想になる。そのうえで感じることは、SAWAのボーカルは正確無比な音程とリズム感、そして平面的な歌い回しによりボーカロイド的な色合いが強いものになっているが、同時に彼女の声そのものに聴いていると生理的快感を覚えるような人間味もあって、それが彼女の最大の魅力になっていると思う。 その他の曲について 1. あいにゆくよ [作詞 SAWA 作曲制作 縄田寿志] 遠距離恋愛を歌った曲。歌詞がすばらしい。プロモ・ビデオあり。 2. Jet Coaster [作詞 SAWA 作曲 久保田真悟 制作 Jazzin' Park] Jazzin' Parkは久保田慎吾と栗原暁のユニット。 3. サイダー [作詞 SAWA 作曲制作 大久保潤也] 昔の恋を消えてゆく泡になぞった歌詞がいいね。 4. Super Looper [作詞 SAWA 作曲制作 Ram Rider] クラブのきらめく世界を歌っている。 5. Samba Du Mar (初回発売盤のみ収録) SAWAによる2通りの「Samba Du Mar」の聴き比べを楽しめるよ。 [2025年7月作成] |
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| 高松市立 新番丁小学校 校歌 (2010) | |
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1. 高松市立 新番丁小学校 校歌 [作詞 小倉博和、大貫妙子 作曲 小倉博和] 新番丁小学校の子供達: 合唱 写真: 新番丁小学校の校舎 収録: 2010年10月9日 「Music Blue Concert」 高松シンボルタワー、デックスガレリア 1. Takamatsu Municipal Shinbancho Elementary School Song [Words: Hirokazu Ogura, Taeko Onuki, Music: Hirokazu Ogura] by Shin-Bancho Elementary School Choir performed on October 9, 2010 |
| 香川県高松市立新番丁小学校は、児童数減少に対応するため、日新、二番丁、四番丁の3つの小学校を統合して2010年に開校した。場所は港に隣接するJR高松駅の近く。 一般財団法人 「街角に音楽を@香川」は、行政・商店街・民間企業・個人と連携して音楽振興に携わっており、2010年瀬戸内国際芸術祭に係るイベントのひとつとして、彼らが主宰し10月9・10日に開催された「Music Blue In Concert "Song In Blue"」は、地元出身のギタリスト小倉博和が中心になって、ピアニスト井上鑑と大貫さんを招いて地元ミュージシャンと共演するという趣旨だった。Music Blueのサイト2010年10月5日付け予告記事には、「新番丁小学校の小さなサプライズもありそうです」というくだりがある。高松市田町に生まれた小倉は、故郷の音楽活動を積極的に支援していて、このコンサートに出演するにあたり、四番丁小学校を卒業した縁もあり、新しい小学校の校歌の作曲を依頼され引き受け、その際に作詞の一部を大貫さんに手伝ってもらったらしい。 10月9日、高松シンボルタワー1階のイベント・スペース、デックスガレリアで行われたコンサートに登場した新番丁小学校の子供たちは、小倉博和と大貫さんが作詞作曲した新しい校歌を歌った。上記のサイト記事から、この校歌が公式の場で歌われたのはこれが初めてだったと推測される。歌詞は以下のとおり。 紫の雲 目映く照り映えて 玉藻も浦に 新しい日は昇る 熱き希望 今胸に灯そう 光溢れる 我が母校 新番丁 先輩の意を 確かに受け止めて 健やかに 逞しく とこしえに 笑顔の園 声高らかに みんな仲良く うたおう 歓喜の歌 彼方の空を 朝夕仰ぎつつ 心に刻む 学舎の 友の顔 若き姿 いま路をひらかん 共にさがそう オリーブの白き花 光溢れる 我が母校 新番丁 文語調の固めの歌詞に、過去の校歌よりも今風のメロディーが付いていて、歌う子供達の魂を鼓舞する気品あふれる作品になっている。 2007年から現在(2026年)に至るまで高松市長を務める大西ひでと氏の公式ウェブサイトの「高松散歩」のコーナー、2010年10月11日の記事によると、子供達がこの校歌を歌い終わった後、大貫さんが「この子たちの未来は、私たち大人の責任です。しっかり頑張りましょう」と呼びかけて、「懐かしい未来」を歌ったとのこと。 また「高松市ホームページ」の「市長活動報告」2016年6月3日付は、市長が新番丁小学校を訪問した記事で、音楽の時間に校歌を子供達と一緒に歌ったこと、そして「本市出身のミュージシャンである小倉博和氏の作詞(3番目の歌詞は大貫妙子氏)」と書かれている。 お断り: 本曲については「正式録音」が存在しないので、上記のとおり初演と思われるYouTubeの映像を題材とさせていただきました。 [2026年8月作成] |
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| Dreamland yojikとwanda (2010) MIDI Creative | |
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1. 風の道 [作詞作曲 大貫妙子] 8曲目 yojik: Guitar, Vocal, All Instruments wanda: Guitar, Vocal, Percussion 2010年10月12日発売 注: 曲毎のパーソネルがないので、担当楽器すべてを表示しています。 1. Kaze No Michi (The Wind Road) [Words & Music: Taeko Onuki] 8th track by yojik & wanda from the album "Dreamland" on October 12, 2010 |
| yojikとwandaは大阪出身のwanda(男性)と東京出身のyojik(女性)が2006年に結成したユニット。本作は彼らのファースト・アルバムで、二人だけの在宅録音による制作。ナイロン弦ギターによる柔らかい音と、日本のフォーク臭さのない、欧米のトラディショナルをベースとした音楽性が特徴。多重録音や打ち込みを加えた曲もあるが、厚みのあるサウンドではなく、「間」を重視した音作り。 大貫さんの名曲 1.「風の道」はラジのオリジナル(アルバム「Quatre」1979)や大貫さんのセルフカバー(アルバム「Cliche」 1982)のシンセやストリングスを中心とした重厚なサウンドに対して、ここではミュートしたナイロン弦のギターとヴィブラフォン(またはキーボード)のみによるバックで、wandaも音を伸ばさない歌い方、二人によるバック・コーラスも不協和音ぎりぎりでエキセントリックという、オリジナルの厳かなサウンドとは対極のアレンジ。最初は「変てこだな〜」という印象だったが、何度も聴いていると「なかなか味があるな〜」に変わってきた不思議なカバーだ。そして次の曲アイリッシュ・トラディショナルの「Sally Garden」との取り合わせがとてもいいね。 他の曲では、彼らの代表曲となった「I Love You」(作詞作曲 wanda)1曲目が素晴らしい。ミニー・リパートンの「Loving You」を連想させるサウンドで、ぴりっとした内容の歌詞が心に刺さる。多重録音によるバンド・サウンドをバックに、二人が交替で歌う。なお本曲は次作「Hey! Sa!」2012で、ミュージシャンを招いた真正バンド・サウンドで再録音しているので、聴き比べると面白い。 二人はその後も東京および各地のライブハウスでコンサートを行いながらアルバムを制作、映画業界愛用の弁当屋さん「ポパイ」をテーマとしたドキュメンタリー映画「映画の朝ごはん」2023の音楽に参加するなど、現在も活動を続けている。 奇妙奇天烈なアレンジによる「風の道」。 [2025年8月作成] |
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| Dear Friends V 岩崎宏美 (2010) Imperial | |
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6. 黒のクレール(With 塩谷哲) [作詞作曲 大貫妙子 編曲 塩谷哲] 6曲目 岩崎宏美: Vocal 塩谷哲: Piano 2010年10月20日発売 6. Kuro No Claire With Satoshi Shionoya (Black Claire) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Satoru Shionoya] 6th track by Hiromi Iwasaki from the album "Dear Friends V" on October 20, 2010 |
| 2001年の「風の道」に続く、岩崎宏美(1958- 東京都出身)2曲目の大貫さんカバー。「Dear Friends」は岩崎が2003年に出したカバーアルバムが好評でシリーズ化したもの。本アルバムが5作目で「VIII」2019まである。2作目からはインターネットにおけるファンからのリクエストを参考に選曲され、6作目からはさだまさし、阿久悠、筒美京平という作曲家特集という内容。 本アルバム全12曲中、「With Name」というピアノ伴奏者の名前を冠した曲が5曲あり、塩谷哲と大江千里が各2曲、小坂明子が1曲という内容。大貫さんの 6.「黒のクレール」は塩谷哲との演奏。彼は1966年生まれで、1986年から10年間、サルサ・バンドの「オリケスタ・デ・ラ・ルス」でピアノを弾き、その後は岩崎宏美の伴奏・編曲を多くするようになった人だ。研ぎ澄まされた静謐なピアノ演奏をバックに岩崎が粛々と歌う。シャンソンの香りが微かに漂う好演だ。 他の曲について 1. Love Love Love [作詞 吉田美和 作曲 中村正人 編曲 塩谷哲] Dream Come True 1995 原曲はビートルズ風、ここでは塩谷のピアノのみの伴奏。 2. あなた [作詞作曲編曲 小坂明子] 小坂明子 1974 16歳の時のデビュー作品で、世界歌謡祭で最優秀・グランプリを獲得して大ヒットを記録した曲。ここでは本人がオケなどの編曲を手掛け、ピアノも弾いている。 3. 黄昏のビギン [作詞 永六輔 作曲 中村八大 編曲 大江千里] 水原弘 1959 ちあきなおみ1991年のカバーが有名。ピアノ伴奏の大江千里は元シンガーソングライターで、2007年よりジャズピアニストに転向しており、センスあふれるジャズピアノの伴奏をつけている。 4. 恋のフーガ [作詞 なかにし礼 作曲 すぎやまこういち 編曲 中井幸一] ザ・ピーナッツ 1967 声質が同じ妹の良美とのデュエットで、オリジナルのハーモニーを見事に再現。バックはアロージャズオーケストラ。 5. 愛燦燦 [作詞作曲 小椋佳 編曲 渡辺俊幸] 美空ひばり 1986 オリジナルの貫禄に負けない堂々とした歌いっぷりが良い。 6. 黒のクレール 7. はじまりはいつも雨 [作詞作曲 Aska 編曲 坂本昌之] Aska 1992 チャゲ&アスカ時代にアスカのソロで大ヒットを記録。 8. 真夜中のドア〜Stay With Me [作詞 三浦徳子 作曲 林哲司 編曲 Bro. Kone] 松原みき 1979 今やJポップの名曲と評価されている曲を2010年にいち早くカバー。これはスゴイ! 八神純子、花田千草(松千のボーカリスト)を迎えた3人ボーカルとBro. Koneのアレンジ、そしてDa Bubble Gum Brothers Bandの伴奏による鉄壁のカバーで、そのグルーヴはオリジナルを凌駕している。なおこの3人組はThe★Three Soul Pigrees と称して同じバンドをバックにNHKみんなのうたで「ピンクと呪文」(2011年2月〜3月放送)を歌い、「真夜中のドア」をカップリングとしたシングルが2011年2月16日に発売されたが、3月11日に発生した東大日本大震災の影響のため、盛り上がらなかった。 9. L-O-V-E [作詞作曲 Bert Kaempfert, M. Gable 編曲 宮哲之] Nat"King"Cole 1964 アロージャズオーケストラをバックに英語と日本語で歌う。 10.駅 [作詞作曲 竹内まりや 編曲 大江千里] 中森明菜 1986 竹内のセルフカバー1987も有名。大江のピアノによるジャズコンボのバックに切々と歌っていて素晴らしい出来。 11. 花 [作詞 御徒街凧 作曲 森山直太朗 編曲 坂本昌之] 中孝介 2007 森山によるセルフカバー2008もあり。 12. 虹〜Singer〜 [作詞作曲 さだまさし 編曲 服部隆之] 雪村いづみ 1994 歌い手の業を描いた壮大なスケールの曲で、ここでもオリジナルに引けを取らない歌唱を見せている。 類まれな歌唱力と聴く人の心を癒すアルト・ヴォイスで、古今の名曲を自分のものにし切って歌う様は、52歳という成熟した歌い手が到達した境地を見せてくれる。 [2025年7月作成] |
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| Melting Sun & Ice Moon 原田知世 (2010) EMI Music Japan | |
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1. 夢のゆりかご [作詞作曲 大貫妙子 編曲 伊藤ゴロー] 7曲目(映像) 2. 地下鉄のザジ [作詞作曲 大貫妙子 編曲 伊藤ゴロー] 9曲目 (映像) 原田知世: Vocal [Young Masters] 伊藤ゴロー: Acoustic Guitar, Electric Guitar, Chorus 梅林太郎: Keyboards ミト: Electric Bass, Acoustic Bass, Chorus 千住宗臣: Drums 伊藤彩: Violin, Chorus エドツワキ: Stage Director 中野裕之: Director 首藤康之: Choreography 収録: 「Tomoyo Harada Live Tour 2010 "eyja"」 2010年4月20日 目黒パーシモン・ホール |
| 2009年10月にアルバム「Eyja」を出した原田知世が、アルバム・プロモーションのために行ったコンサート・ツアーの映像。ツアー最終日の目黒パーシモン・ホール(1991年都立大学が八王子市に移転した後、跡地に建てられたホールで、地区名の「柿の木坂」が名前の由来)で収録された。 スクリーンに映し出された彼女とバンドのシルエットから始まるなど、当時夫だったエドツワキ(2013年離婚)と振り付け担当の首藤康之による演出が入ったステージで、原田は動きが少ないながらも、曲によりポーズをきめる。新アルバム「Eyja」からの曲と以前の作品を混ぜた内容で、原田は2曲でアコースティック・ギターを弾いている。バンドは伊藤ゴローのバンマスのもと、本ツアーが初顔合わせという千住(ドラムス)とクラムボンのミト(ベース)、アルバムに参加していたキーボードの梅林、そしてバイオリンの伊藤彩は以前から伊藤ゴローと一緒にやっていた音楽仲間。映像はコンサートの曲順通りに進んでゆくが、たまに曲間で、中野監督による夕方の海辺に佇む原田の映像が挿入される。 「Eyja」からの 1.「夢のゆりかご」はイントロで子供の声が流れ、ピアノ、バイオリン、アコースティック・ベースとアコースティック・ギター(ローデンを使用)による静かな演奏。1983年に原田が歌った初めての大貫さんソング 2.「地下鉄のザジ」は本コンサートの中では軽快な曲で、原田も身体を揺らしながら歌っている。伊藤はここではグレッチのエレキ・ギターを弾いている。 コンサートを通しての印象として、伊藤はエレキ・ギターを多く弾いているが、バンマスの仕事に専念してソロは取らない。その分伊藤のバイオリンが表に出ることが多くなっている。また彼女が多くの曲でバック・ボーカルやハーモニー・ボーカルを担当している。 淡々とした感じのパフォーマンスで、ステージ上のトークも少なめ。「Eyja」の雰囲気に沿ったものといえよう。 なお本作は2枚組になっていて、2枚目は細野晴臣がゲスト出演した2010年4月12日Billboardのステージから3曲、コンサートの舞台裏映像、アイスランドにおける「Eyja」のレコーディング風景、ミュージックビデオ「Fine」などが収められている。 雰囲気の良いバンドをバックに、原田が気持ち良さそうに歌っている。 [2025年9月作成] |
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| Discover Vol.II 山田タマル (2010) Power Play Music | |
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7. 都会 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 太田貴之 or 平畑徹也] 7曲目 タマル: Vocal, Producer 平畑徹也: Keyboards 太田貴之: Guitar, Slide Guitar MIYA (三宅信也): Wood Bass 田中真二: Drums 注: 2010年11月から2016年まではアーティスト名を「タマル」に改名していたので、「Vol.II」発表時は「タマル」名義。 写真上: Discover Vol.II (「都会」収録) 2010年11月24日発売 写真下: Discover Vol.I 2010年6月18日発売 7. Tokai (City) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Takayuki Ota or Tetsuya Hirahata] 7th track by Tamaru from the album "Discover Vol.II" on November 24, 2010 |
山田タマル(1982- 東京都出身)は主にインディーズで活躍するシンガー・ソングライターで、現在も元気に活動中。そんな彼女が2010年にセルフ・プロデュースにより2枚のカバーアルバムを出した。6月発売の1枚目が洋曲、5ヵ月後の2枚目が日本の歌をメインとした選曲だった。あまりジャンルにこだわらず、本人が歌いたい曲を選んだ感じで、ステージ演奏に近い感じのサウンドになっている。その2枚目の「Vol.II」に大貫さんの「都会」が入っている。 7.「都会」のコードは原曲とほぼ同じ感じであるが、こちらのほうがよりリラックスした感じの演奏・歌唱で、イントロはアコースティック・ギターのアルペジオ、途中からエレキピアノとリズムセクションが加わり、間奏はスライドギター。山田は丁寧に歌っている。 その他の曲について [編曲 太田貴之 or 平畑徹也] 1. 遠くに行きたい [作詞 永六輔 作曲 中村八大] ジェリー藤尾 1962 テレビ番組「遠くへ行きたい」で有名になった。 2. 黄昏のビギン [作詞 永六輔 作曲 中村八大] 水原弘 1959 元はシングルB面だったが、多くの歌手に歌い継がれてスタンダードに。ちあきなおみ1991年のカバーが有名。 3. 中央フリーウェイ [作詞作曲 荒井由美] 荒井由美 1976 結婚前のアルバム「14番目の月」に収録された名曲。 4. マンハッタン・キス [作詞作曲 竹内まりや] 竹内まりや 1992 同名映画の主題歌。ここではジャズのアレンジ。 5. 花 [作詞作曲 喜納昌吉] 喜納昌吉とチャンプルーズ 1980 1995年の石嶺聡子のカバーでヒットし、世界各国で歌われるようになった。 6. 異邦人[作詞作曲 久保田早紀] 久保田早紀 1979 最初CMソングで流れ、エキゾチックなムードが受けて大ヒットした曲。 7. 都会 8. The Water Is Wide (Bonus Track) [スコットランド民謡] 本アルバムの中で唯一の外国曲。古くからある民謡をピート・シーガー等が歌って広め、私としては1991年のカーラ・ボノフのカバーが一番。そういえばNHK朝ドラの「マッサン」2014-2015にも使われていたね。ここでは伴奏で「Joy To The World」のメロディーが流れるアレンジ。Skoop On SomebodyのTAKE (武田雅治)がゲストで登場しデュエットで歌っている。 原曲に囚われず、独自のアレンジで歌っている曲も多いが、奇をてらわない素直で自然な感じに好感が持てる音作りで、彼女の歌声の魅力をしっかり引き立てている。 ついでに「Vol.I」の曲についても触れます (2枚目と同じミュージシャンによる録音のため雰囲気は同じ。編曲 太田貴之 or 平畑徹也)。 1. Smile [作詞 John Turner, Geoffrey Parsons 作曲 Charlie Chaplin] チャップリンが1936年に作曲したメロディーに歌詞を付けて、1954年ナット・キング・コールによりスタンダードとなった。 2. コーヒー・ルンバ [作詞作曲 Jose Manzo Perroni 訳詩 中沢清二] ベネズエラの作曲家によるスペイン語曲「コーヒーを挽きながら」1958 がオリジナル。1962年の西田佐知子の翻訳カバーが日本での定番。 3. My Favorite Things [作詞 Oscar Hammerstein II 作曲 Richard Rogers] ブロードウェイ 1959でメアリー・マーティンが、映画 1965でジュリー・アンドリュースが歌った「Sound Of Music」の挿入歌。ここではジャズっぽいアレンジ。 4. Blackbird [作詞作曲 John Lennon, Paul McCartney] The Beatles 1968 アルバム「The Beatles (White Album)」収録のフォーク調の曲。ここでのピアノをメインとしたアレンジが面白い。 5. Love Me Tender [作詞 Ken Darby 作曲 George R. Poulton] Elvis Presley 1956 この曲については説明不要。 6. All You Need Is Love [作詞作曲 John Lennon, Paul McCartney] The Beatles 1967 シングル(編集アルバム「Magical Mystery Tour」に収録) 1967年通信衛星による宇宙中継特別番組で本曲の演奏シーンが世界24か国に同時放送された。原曲の派手な音作りに対し、ここではオーソドックスなアレンジになっている。 7. 君の瞳に恋してる [作詞作曲 Bob Crewe, Bob Gaudio] Frankie Valli 1967 英語タイトルは「Can't Take My Eyes Off You」 名曲ですね〜。1982年にBoy Town Gangがディスコ調アレンジでカバーしている。 8. 言葉にできない [作詞作曲 小田和正] オフコース 1982 本アルバムでこの曲のみ日本の歌。 本当に好きな曲を歌っているという気持ちが伝わってくる作品。大貫さんの「都会」も誠実なカバーです。 [2025年7月作成] |
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| Qualia 福原タカヨシ (2010) PSW | |
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7. 春の手紙 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 福原タカヨシ] 7曲目 福原タカヨシ: Vocal, Acoustic Guitar 西山哲穂: Slide Guitar 2010年12月1日発売 7. Haru No Tagami (Spring Letter) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Takayoshi Fukuhara] 7th track by Takayoshi Fukuhara from the album "Qualia" on December 1, 2010 |
| 帯のキャッチフレーズ: 稀代のソウル・ミュージック・スタイリスト=TFが贈る、時間と距離を超越する「質」にこだわった渾身のカヴァー・アルバム (注:
TFは福原のイニシャル、アルバムタイトル「Qualia」は言葉では言い表せない「感覚質」のこと) 帯に掲載された小坂忠の賛辞:気持ちのよいアルバムだ。声の質って大事なんだよね、巧さだけじゃ伝わらないものを伝える力がある。ほっとしたり、何かを気づかせてくれたり 福原タカヨシ(1977- )はソウル、ゴスペルを愛するシンガー・ソングライター。シングル、アルバムの発表、コンピレーションアルバムへの参加、各地でのコンサート開催の他に、キリスト教徒としての教会活動、ゴスペル・グループの一員としての音楽活動をしてきた彼が制作したカヴァーアルバムが本作だ。彼が愛する古今、内外のソウル・ミュージックの名曲が収められている。 大貫さんの「春の手紙」はテレビドラマ「家裁の人」のために作曲され、1993年にシングル、2005年のアルバム「One Fine Day」に山弦のバックによる別バージョンが発表されている。福原がカバーの参考にしたのは後者のほうで、ソウル・ミュージックのカバーアルバムにこの曲を入れるなんて一見場違いに思えるけど、実際聴いてみると見事にソウルフルで、他の曲と調和している。HMV&BOOKSのオンラインサイトの記事「福原タカヨシ全曲解説」2010年12月7日付で、本人が本曲について以下のとおりコメントしている。 TBS系ドラマ「家裁の人」の主題歌となったオリジナル・バージョンもさることながら、この曲の"2005 version"を初めて聴いたとき、”純朴でいて深い”歌詞の世界と大貫さんの歌声、そして山弦さんの奏でるアコースティック・ギターが”完璧”に溶け合っている世界にとても深い感動をおぼえました。大貫さんの歌詞は、人称の視点を変えるとまた別の世界が見えてくるので、聴くごとに新たな発見と広がりを感じます。アレンジについては、やはり自分にとって自然な”歌+ギター”という編成でチャレンジしたいなと思ったのですが、正直なところ、前述の「"2005 version"編曲との違いを出せるのか?」という課題と、「カヴァーの意味」ということをあらためて考えさせられた曲でした。”自分の歌”を追い求めていきながら、何度もライヴで歌わせていただき、その中で練られていった部分が大きいと思うのですが、そういった意味で、この曲は特に、一つ一つのライヴで育ててもらった”感謝の実”だと思っています。 コンサートで歌い込んだ感じの歌唱で、ソウルに満ちた暖かみのある声が本当に魅力的。ライブでは弾き語りが常というギターの伴奏も上手い。それに加えて同じ敬虔なキリスト教徒で音楽仲間の西山哲穂(「てつお」と読む)のスライド・ギターがいい味を出している。 他の曲について(以下 特記ない場合は 編曲 福原タカヨシ) 1. 夢の中であえるでしょう (作詞作曲 高野寛)高野寛 1994。 もともとキングトーンズのために書いた曲を、彼が坂本龍一編曲で先行リリースした作品。翌年本曲を含むキングトーンズのアルバム「Soul Mate」が発売された。シュガーベイブの「Down Town」1975に並ぶジャパニーズ・ソウルの名曲。ここでの弾き語りによるカヴァーは秀逸。 2. スウィートソウル(作詞作曲 堀込泰行)キリンジ 2003。堀込兄弟の弟の作品。福原のミックス・ヴォイスによる高音の歌声は凄いね。ライヴな感じのバンドによる演奏もいい。 3. 君のために (作詞作曲 SAKURA) SAKURA 1998。1980年代以降はビートが効いたダンサブルな曲が主流となったソウル音楽のなかで、こんな1970年代R&B風のゆったりしたバンド・アレンジは懐かしく、逆に新鮮に聞こえる。 4. Inside My Love (作詞作曲 Minnie Riperton, Richard J. Rundolph, Leon Ware) Minnie Riperton 1975。オリジナルは全米76位。有名な「Loving You」1975 全米1位に勝るとも劣らない曲だと思う。共作者のレオン・ウェアーは1979年にセルカバーしている。ここでの躍動感あるバンドサウンドと歌唱も素晴らしい。 5. Say You Love Me (作詞作曲 Patti Austin) Patti Austin 1976。この曲の詳細については 「50〜90年代の名曲集」の「Say You Love Me」を参照ください。ここではソウルシンガー mimi-Kとのデュエット。私が大好きな歌なので、うれしい! 6. そして僕を愛して(作詞 ORITO 作曲 ORITO, 中村成孝, 深尾尚宏) ORITO 1997。2008年心不全のために急死したソウル・シンガーORITO(本名 折戸都志郎)のデビュー・シングルにして名曲。ここではアコースティック・ギター2本によるしっとりした演奏。 7. 春の手紙 8. Music (作詞作曲 Omar Lye Fook) Omar 1992。ブリティッシュ・ソウルの曲で、本アルバムでは唯一モダンなアレンジによるサウンド。 9. 一人じゃないよ (作詞作曲 小坂忠)小坂忠1977。アルバム「Morning」1977収録。小坂一人の多重録音によるゴスペル風のアカペラ・ソングで、彼がクリスチャンとしてゴスペル・シンガーに転身する過渡期の作品。同じキリスト教徒で、小坂を師と仰ぐ福原は彼へのオマージュとしてギターと簡単なパーカッションの伴奏のみでカバーしている。 10. Give Love On Christmas Day [作詞作曲 Berry Gordy Jr., Alphonso Mizell, Freddie Perren, Deke Richards, Christine Parren 編曲 シゲ山本] The Jackson 5 1970。モータウン・レコーズのクリスマス・ソングとして制作されたのもので、リード・ボーカルは若き日のマイケル・ジャクソン。本曲はボーナス・トラックで収録されたもので、ストリングスをバックに切々と歌ってる。 注: 上述のセルフ・ライナーノーツにつき、これらの曲についてのコメントも素晴らしいので、興味のある方は是非サイトを参照ください。 彼はその後、2015年演奏旅行中に交通事故に遭い両足に重傷を負ったが、懸命のリハビリにより復帰。現在も活動を続けている。 目が覚めるような芳醇な「春の手紙」のカバー。 [2025年8月作成] |
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| 2011年 東京オアシス(オリジナル・サウンドトラック (2011/10/12発売)の頃 | |
| せんせいっしょにうたお〜 @ わだみやこ & ながそようこ (2011) 音楽センター | |
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1. メトロポリタン美術館 [作詞作曲 大貫妙子] 9曲目 わだみやこ: Vocal ながそようこ: 監修責任者 2011年4月20日発売 1. Metropolitan Bijutsukan (Metropolitan Museum) [Words & Music: Taeko Onuki] 9th Track by Miyako Wada from the album "Sense Issho Ni Utao" (Ma'am Let's Sing Together) on April 20, 2011 |
| (株)音楽センターは、CD・DVD・楽譜の販売、音楽教室の開催、アーティストによるコンサート、教育・保育に係るイベントの開催などを行っている。同社が2011年に発売したCD「せんせいっしょにうたお〜」は5枚からなる子供向け童謡集のシリーズで、同じタイトルの楽譜集も発売されている。歌っているのはながそようこ(長曽葉子)、わだみやこ(和田みやこ)等で、その第1集に大貫さんの「メトロポリタン美術館」が入っている。 伴奏はシンセサイザーと打ち込みによるもので、サウンド面で独自のアイデアは見当たらない。わだのボーカルは「歌のおねえさん」的。まあ安心して聴いていられるね。 インターネットで見つけた彼女のプロフィールには、「大学在学中より声楽を学ぶ。小学校教諭を経て、こどもの文化運動に参加。心を打つ澄んうたごえには定評がある一方、こどもと泥まみれになって遊ぶのがとてもよく似合う不思議な人」とあった。なお彼女に関して調べたが、本作以外には、2009年8月にながそと一緒に開催した「せんせいっしょにうたお〜講習会」(子供達を指導して一緒に歌い合奏するイベント)の活動記録しか見つからなかった。講習会の時期がCDよりも前なので、その好評を受けてCD化の企画が立ち上がったのだろう。 CDには28トラック収録されているが、内14曲が歌入り、残りが同じ歌のカラオケという構成で、歌入り14曲中9曲がわだ、4曲がながそ、1曲が二人による歌となっている。ながそは大学卒業後に養護学校の講師となり、障害児の音楽教育に関わる他、子供の歌の作曲・編曲・ピアノ演奏や、幼稚園・保育園・小学校や福祉施設等で音楽活動を行っていたそうで、コンサートの記録が残っている。本CDでは監修責任者を務め、楽譜集ではピアノ、合奏のアレンジを担当。 [2025年7月作成] |
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| Aqua Paula Morelenbaum & Joao Donato (2011) P-Vine | |
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11. A Paz [作詞 Gilbeto Gil 作曲 Joao Donato 日本語詞 大貫妙子 スペイン語詞 Pedro Aznar 編曲 Jaques Morelenbaum] 11曲目 → 大貫妙子「Japao」1995 Paula Morelenbaum: Vocal Joao Donato: Vocal, Piano Jaques Morelenbaum: Cello 2011年7月20日発売 11. A Paz [Words: Gilbeto Gil, Music: Joao Donato, Japanese Lyrics: Taeko Onuki, Spanish Lyrics: Pedro Aznar, Arr: Jaques Morelenbaum] 11th track |
| ジョアン・ドナート(1934-2023)は、ブラジル音楽にジャズを持ち込んだ先駆者の一人だった。1950年代にジョアン・ジルベルトと知りって影響し合い、1960年初めに米国で革新的なアルバムを出す。自己名義のアルバム発表の他、アストラッド・ジルベルト等の作品への曲提供・編曲などもこなした。1970年代はジャズ・ロックのアルバムやデオダードとの共演など野心的な作品を出したが、その後は裏方的な仕事が多くなり、表立った活動をしなくなる。そして1994年に小野リサのアルバムで復活を遂げ、以降自己名義のアルバムや共演盤など活発な創作活動を亡くなる少し前まで続けた。 本作は、チェロ奏者の夫ジャキスと一緒に晩年のアントニオ・カルロス・ジョビンのバンドで活躍し、その後は夫婦で坂本龍一と共演したポーラ・モレレンバウムがジョアン・ドナートと共演したアルバム。全曲彼の作曲で過去に発表済の作品であるが、サウンドやリズムはより現代的で躍動感あふれるジャズになっている。 その中で11.「A Paz」(ポルトガル語で「平和」の意味)は、ジャキス・モレレンバウムの編曲による多重録音のチェロとジョアンのピアノのみのリズムセクションなしの伴奏という異色の存在だ。 1987年のジジ・ポッシ(Zizi Possi)という女性シンガーが歌ってブラジルでヒットし、その後は作者や多くのアーティストにカバーされるスタンダードとなった。その原曲のポルトガル語歌詞は以下の通り。 1st Verse 平和が私の心に侵入してきた 突然 私は平和で満たされた まるで台風の風が私を吹き飛ばし 二度と地面を踏むことがないかのように 2nd Verse 平和が革命の海をもたらし 私の運命に侵入してきた まるで日本の上空で炸裂したあの爆弾が 日本に平和をもたらしたかのように Chorus 私のことを思い あなたのことを思い 私たちのために泣いた 何という矛盾だろうか 戦争だけが私たちの愛を 平和にするなんて 3rd Verse 私は桟橋の端まで来た 行き止まりの場所 夕方 空がライラック色に染まる場所 私の中に海が押し寄せる 多くの悲しみをもって 広島の原爆の記述がある歌詞が大変気になるが、この曲は一部の人が言うようなラブソングではなく、平和と戦争という光と闇の関係、戦争や革命から平和を得るためには大変な犠牲を伴うという矛盾を訴えているものと思う。大貫さんは1995年のブラジル録音のアルバム「TCHOU」でこの曲に日本語詞をつけて「Japao」(ポルトガル語で「日本」の意味)というタイトルでカバーし、その歌詞は日本の自然の中での平和な暮らしを描いた内容になっている。 ここでは、原曲と大貫さんの歌詞をミックスするという試みが行われていて、ポーラによるポル語のファースト・ヴァースの後に、ジョアンが大貫さんのファースト・ヴァースを何と日本語で歌う! 日本 山に抱かれた 静かなふるさと 犬がかけてゆく 子供達の声 あかね雲の空 続いてポーラが歌うポル語のコーラスと、スペイン語によるセカンド・ヴァース(内容はポルトガル語のものとほぼ同じ)。間奏を挟んで、ポーラが大貫さん作詞のコーラスを日本語で、 日が昇り 日が沈み 時がゆく 喜びも悲しみも 繰り返し そして最後は二人によるポル語のサード・ヴァース、という構成。 ここでは問題となった原爆のくだりが含まれるセカンド・ヴァースが除かれているのがミソ。大貫さんの歌詞を合わせる事で、「平和」についてのメッセージが大きくふくらんだように思える。なおスペイン語の歌詞は同曲のスペイン語版を歌ったペドロ・アズナールによるもの。ちなみに彼はパット・メセニー・グループのメンバー(ボーカル、ベース、パーカッション担当)だったことがある人だ。 その他の曲について 表示は 曲名(和訳)[作詞作曲編曲 特記ない場合は 作詞 Lysias Enoio 作曲 Joao Donato] オリジナル 発表年 「アルバム」。特記。 1. Flor de Maracuja(パッション・フラワー)[編曲 Jaques Morelenbaum] Gal Costa 1974 「Catar」。ジョアンが「マラクージャの花」と呼んだガル・コスタへに捧げた曲。これは名曲ですね。 2. Cafe Com Pao (Jodel) (パンとコーヒー) [編曲 Donatinho] Nana Caymmi 1981 「Retratos」。 3. A Ra (かえる)[作詞 Caetano Veloso 編曲 Marcos "Kuzca" Cunha] Sergio Mendes & Brasil '66 曲名「The Frog」 アルバム「Look Around」1968。当初の歌詞は「ゲゲゲ」というかえるの鳴き声だけで、ジョアンのセルフカバー 「Quem e Quem」1973収録もそうだったが、1978年にカエタノ・ヴェローソが歌詞をつけてカバーした。ここではカエタノの歌詞による二人のデュエット。 4. Muito a Vontade (とても良い心地) [編曲 Alex Moreira] Joao Donato 1962。彼が渡米後に発表したジャズサンバの名盤のタイトル曲。ここではインストルメンタルで、間奏でスキャットしている。 5. Lugar Comum (ありふれた場所)[作詞 Gilberto Gil 編曲 Alex Moreira] Joao Donato 1975。 アルバムのタイトル曲。 6. Ahie (アヒエ) [作詞 Paolo Cesar Pinheiro 編曲 Beto Villares] Joao Donato And Eumir Deodato 曲名「Where's J.D.」アルバム「Donato Deodado」。本人単独で 「Quem e Quem」1973にも収録。ここでは二人のデュエット。 7. Mentiras (嘘) [編曲 Kassin, Joao Donato] Cal Tjader 曲名「Warm Song」 アルバム「The Prophet」1968。ジョアンは「Quem e Quem」でセルフカバー。 8. Entre Amigos (仲間達のなかで)[作詞 Mongo Santamaria 編曲 Marcos "Kuzca" Cunha] Mongo Santamaria 1961 「Arriba!」 9. E Muito Mais! (そしてもっともっと!)[編曲 BosaaCucaNova] Emilio Santiago & Joao Donate 「Self Title」2003。 10. Everyday [作詞 Norman Gimbel 編曲 Alex Moreira] Joao Donato 「Coisa Tao Simples」 1995。本アルバム唯一の英語歌詞。 11. A Paz 12. Tudo Tem (すべては)[作詞 Gilberto Gil 編曲 Donatinho] Joao Donato 1975 「Lugar Comum」。 ブラジルの大物音楽家が大貫さんの日本語の歌詞を歌う必聴アイテム。 [2026年8月作成] |
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| Midnight Explorer サノトモミ (2011) April | |
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1. 都会 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 林有三] 3曲目 サノトモミ: Vocal 林有三: All Instruments (except Guitar), Producer 竹中俊二: Guitar 金井緑: Excecutive Producer 2011年9月14日発売 1. Tokai (City) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Yuzo Hayashi] 3rd track by Tomomi Sano from the album 'Midnight Explorer' on September 14, 2011 |
| エイプリル・レコードはインディー・レーベルの会社で、他に放送用音源の製作、アナログ・レコードやCDの受託製造などを行っている。クニモンド滝口、林有三、押塚丘大からなるユニット、流線形のファースト・アルバム「City
Music」が2003年当該レーベルから発売され、そこでのゲスト・ボーカリストがサノトモミ(1975- 東京出身)だった(流線形はその後同レーベルから離れて瀧口のソロユニットとなり、2008年に比屋定篤子を招いて大貫さんの「何もいらない」が入ったアルバム「ナチュラル・ウーマン」を出している)。一方サノは2005年に「サイレントフライト」でソロデビューし、続いてエイプリル・レコードの経営者でソングライターでもある金井緑が実行役となって制作したセカンド・アルバムが本作だ。全8曲中3曲がカバーで、他は3曲が金井の作詞作曲、残りの2曲が金井作詞、音楽監督の林有三作曲となっている。シティ・ポップの王道というべき内容で、洗練されたアレンジと演奏をバックに歌うサノの歌声は、アイドル系のような無垢な声質でありながら、どこかクールで退廃的な大人のムードを漂わせていて、真夜中の部屋の明かりを消して聴いていると、心が透き通り都会の夜景が目に浮かんでくる。 1.「都会」のグルーヴ感はオリジナルとほぼ同じで、あえて変えずに(変えようがなく?)林が敬意を表したのだろう。原曲の坂本龍一による派手なシンセソロに対して、ここでは竹中俊二によるギターソロがフィーチャーされる。 サノの憂いを帯びた声が曲にぴったり合っているので、聴いてきて気持ちが良い一曲だ。 他のカバー曲について(以下編曲 林有三) 「夢は波に乗って」(作詞 伊達歩 作曲 山本達彦) 4曲目 山本達彦 1979 アルバム「メモリアル・レイン」収録。浜辺の街を描いたボサノバ調の佳曲で、オリジナルのアレンジは松任谷正隆。 「きっと言える」 (作詞作曲 荒井由美)7曲目 荒井由美 1973 2枚目のシングル、アルバム「ひこうき雲」 本格的に売れ出す前の初期の名曲で、当時不思議に響いた転調がとても新鮮な曲だった。荒井(松任谷)由美の曲は、ハイファイセットの山本潤子を除いて、他の人が歌っていいなと思うことがないけど、このカバーは例外。いつもより低めのキーが魅力的なサノのヴォイス、カッコイイ竹中のギタープレイ、林の丁寧な編曲、特にオリジナルのようにフェイドアウトせず、しっかりと終わっているところもとてもいいね〜 オリジナル曲について どれもいいけど、あえて挙げるとタイトル曲の「ミッドナイトエクスプローラー」(作詞作曲 金井緑)1曲目と、最後の曲 「東京タワー」(作詞 金井緑 作曲 林有三)8曲目かな。いずれも歌詞・サウンドに浮揚感があって、サノのクリスタルな歌唱がぴったりはまっている。 サノトモミは北海道在住で、現在も各地で不定期なコンサート活動を続けている。 シティ・ポップの究極的なサウンドによる「都会」のカバーだ。 [2025年7月作成] |
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| 手と手 illy@奏 (2011) Ring Ring | |
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8. 彼と彼女のソネット [作詞 Catherine Cohen, Regis Wargnier 作曲 Romano Musumarra 日本語詞 大貫妙子 編曲 illy@奏、重森美晴] 8曲目 illy: Vocal koHta: Bass 重森美晴: Keyboards, Guitar etc 大島香: Drums 赤坂守: Producer 2011年10月5日発売 1. Kare To Kanojyo No Sonnet (His And Her Sonnet) [Words: Catherine Cohen, Regis Wargnier, Music: Romano Musumara, Japanese Lyrics: Taeko Onuki, Arr: illy@kanade , Miharu Shigemori] 8th Track by illy@kanade from the album "Te to Te"(Hand To Hand) on October 5, 2011 |
| illy@奏(イリィ アット カナデ)は、シンガー・ソングライターのillyとベーシストkoHtaのユニットで、マルチ奏者重森美晴のサポートを得て制作した彼ら唯一のアルバム。 illy(イリィ)は 1984年生まれで奈良県出身。インディ・レーベルから数枚のソロアルバムを発表。コンサート活動の他にYouTubeへの動画投稿もしている。また石川菊理子(いしかわ くくりこ)という名前で女優として活動しており、舞台劇、テレビドラマ、YouTubeドラマ、CM等に出演、最近では2025年3月30日放送の「NHK総合診療医 ドクターG Next」の「左胸が痛い」の再現映像に出演している。koHtaの本名は山地恒太で、同じく奈良県出身。アーティストのライブ、レコーディングやテレビ番組などに参加。またギターとの二人組ユニット Mykeysで活動したり、自己のYouTubeサイトでフィンガースタイルのベースソロによるアレンジ作品を披露している。重森美晴はギタリストととしてハードロック・バンド Still Aliveでメジャーデビューし、様々なアーティストのアレンジや伴奏を務めて、現在はロックグループ PENICILLINなどのプロデュースを手掛けている人。 収められた8曲は、大貫さんが日本語詞を書いた曲を除き全てillyの作詞作曲で、ユニットではあるが彼女主導になっていて、相方koHtaと重森はアレンジとサウンド・メイキングでサポートしている。オリジナル作品の歌詞は、彼女の人生観・価値観が強く投影された内容が多く、ラブソングにおいても恋愛感が伝わってくるもので、歌うことで自己表明したいという気持ちが強く出た作品になっている。 その中で最後の曲として収録された8.「彼と彼女のソネット」は、ボーナストラックまたはアンコール的な位置付けなっている。本人のコメントは以下の通り。 レジス・ヴァルニエ監督の映画「悲しみのバイオリン(フランス語版)」(1986年)の主題歌「悲しみのアダージョ (原題「T'en va pas」を 原田知世さんが大貫妙子さんの日本語詞により、「彼と彼女のソネット」の題名でカバーされ、大貫さんご自身も歌われているこの曲は、時を経ても色褪せない名曲の1曲ではないでしょうか。 私も大好きな曲で、カバーさせていただきました。 気持ちが込められたボーカルを支えるのは、モダンな感じのアレンジで、特に間奏のソロと終盤のボーカルに寄り添うピアニカが愛らしい。 他の曲(作詞作曲 illy 編曲 illy@奏、重森美晴)では、「春のカケラ」1曲目が彼女の信条が特に強く出た力強い作品。タイトル曲の「手と手」7曲目は、3猿の概念をもとに「見ない、聞かない、言わない」ために使われる手を人と繋ぐために使おうと歌いかけていて、コミュニケーションの大切さを説いている。 彼女はYouTubeサイトで、オリジナルやカバー曲を歌う動画を投稿していて、そこには本アルバム全曲を歌詞付きの動画で観ることができる。またそこには大貫さんの「突然の贈りもの」をギターのみの伴奏で歌う動画もあるので、こちらも視聴お勧めです。 純な心で歌われた「彼と彼女のソネット」。 [2025年10月] |
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| 2012年 東京オアシス(オリジナル・サウンドトラック (2011/10/12発売)、Tint (2015/6/10) の頃 | |
| うたびこ 青葉市子 (2012) 東雲録音 | |
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1. 3びきのくま [作詞 大貫妙子 作曲 坂本龍一] 6曲目 青葉市子: Vocal, Classic Guitar 2012年1月25日発売 1. Sanbiki No Kuma (The Three Bears) [Words: Taeko Onuki, Music: Ryuichi Sakamoto] 6th track by Ichiko Aoba from the album "Utabiko" on January 25, 2012 |
| 青葉市子(1990- )は千葉県生まれで京都府育ち。小さい頃から音楽に親しみ、高校ではエレキギター他いろんな楽器を自己流で弾いていた。15歳の頃は足繁くライブハウスに通い、17歳(2007年)でクラシックギターで独特な弾き語りをする山田庵巳(1976-
)を師と仰いで購入したギターを独学でマスターして彼の曲を演奏。そして2008年師のアドバイスを受けて作曲を始める、という経歴なんだけど、インディーレーベルからの初アルバム「剃刀乙女」の発表が2010年なので、とても早い成長を遂げたということになる。もともと内在していた才能が発揮できる場を見つけて一気に開花した感じ。そのくだりは朝日新聞のサイト「Music
Talk」2021年4月5, 13日に詳しく語られている。 本作は3枚目のアルバムで、本人21歳の時の作品。アルバム表紙は草色の単色無地で、帯にタイトルとアーティスト名が表示されている(他の作品も、1枚目「剃刀乙女」白、2枚目「檻髪」白茶、4枚目「0」桜、6枚目「qp」空色と単色無地の表紙になっている)。35歳の現在の姿と比べるとずいぶん若い感じがするが、聴いていると歌唱、ギター演奏、作曲すべての面で凄いレベルに達していることがわかる。他の楽器や声が一切入らない、彼女のギターとボーカルだけの音楽であるけれど、個性的なギターの響き、透明感溢れる歌声、感性に富んだ歌詞とメロディーには、聴く者の心を彼女独自の世界に引きずり込む魔術がある。 Billboard Japanのサイトの2017年に大貫さんと青葉市子の対談記事があり、そこに二人の出会いが語られている。彼女が大貫さんの存在を知ったのは、師匠の山田庵巳が彼女のカバーアルバム「音のブーケ」2008に参加して「夏色の服」を歌った時からで、師匠から勧められて初めて聴いた「Cliche」1982を通学中のバスの中で聴いていたとのこと。最初に会ったのは2010年の音楽イベント「Springfield」で、そのときは緊張して、お米を育てていると聞いた大貫さんに「玄米と白米の育て方って違うんですか?」と尋ねて、「あなたねぇ」と言われてしまった思い出を語っている。 彼女はステージで大貫さんの数曲を歌っていたそうで、そのうち「3びきのくま」を本作に収録した。本曲は大貫さんと坂本龍一のアルバム「Utau」2010に入っていた曲で、もともとは坂本のインストルメンタルのシングル盤「koko」2008 (JP日本郵政グループ郵便事業株式会社のテレビCM曲 「坂本龍一 JP Post Ad」でYouTube視聴できる)に大貫さんが歌詞をつけたもの。坂本は歌詞がつくことで、当初自分が思っていた世界から全く想像しなかったインスピレーションが拡がったので驚いたと語っている。「3びきのくま」という不思議なタイトルの由来は、ゴルディロックスという小さな女の子が3匹の熊に出くわす1937年のイギリス童話の題名からで、熊の家に辿り着いた少女がテーブルの上にあった「熱すぎる」、「冷たすぎる」、「ちょうどいい」温度のスープ皿から最後のものを飲んだという話から、「ちょうどいい具合」という比喩に「ゴルディロックス・ゾーン」という言葉が使われるようになった。金融市場においては熱すぎず冷えすぎずという適度な相場状態のことをさしたりするが、ここでは宇宙における「生命の存在に適した領域」のたとえとして、歌の世界感を象徴している。 オリジナルの坂本の静謐なピアノに対し、ここでは青葉の奏でるクラシック・ギターが異なる楽器で同じような世界を創り出している。 ステージで歌い込んでいたこともあって、ギター、ボーカルとも完全に彼女自身の世界の中に消化しきっている。これを聴いていると、他の曲の大貫さんカバーも聴いてみたいと思ってしまう。 他の曲について (すべて青葉本人の作詞作曲) 2011年3月11日の東日本大震災は彼女に大きな衝撃を与え、それはその後の作品に強く反映し、内面的だった歌の世界が、より外部に目を向くようになったという。特に「Imperial Smoke Town」1曲目は、抽象的ながらも震災を扱っていることは明らかで、自然の猛威に対して無力な文明を歌っているようだ。冒頭の長い沈黙が続いた後に、切れ味良いギターのイントロが始まり、本人の息遣いが聞こえるのがスリリング。エンディングを除き、通常の曲のような繰り返しがなく進行する。彼女の音楽は、感性の赴くままに演奏し歌っているように聞こえる反面、実は非常に緻密に設計されている感もある、その相反する要素が同居するという不思議な特徴を持っていると思う。 CDデビュー当時、音楽業界に興味がなく他のミュージシャンのことも知らなかった青葉は、2011年2月に細野晴臣のライブイベント「デイジーワールドの集い」にゲスト出演し、そこから親交が始まったという。そして本アルバム発売後の2月13日、細野晴臣のラジオ番組「Daisy Holiday」にプロモのために出演した音源が残っていて、それがとても面白いので是非聞いてみてほしい。トークの合間にアルバムからの曲をかける内容で、二人の語りは魅力的だし、1曲だけ青葉がスタジオでギターを弾き歌っている。細野が2011年に発表したアルバム「HoSoBoVa」に入っていた「悲しみのラッキスター」という曲のカバーで、彼の目の前でさらっと歌うのだが、それが凄く良く、細野さんも大絶賛。観念的で暗い曲のイメージの青葉がこんなに軽妙に歌えるなんて驚き!あまりによかったので、翌2013年元旦のFMラジオ番組「坂本龍一ニュー・イヤー・スペシャル」に二人が出演して、今度は坂本のピアノ等も加わって二人でデュエットで歌った。そしてその番組の演奏曲は、後日「青葉市子と妖精たち」というタイトルのCDで正式発表された。本アルバムとは直接関係ない話なんだけど、同時代のエピソードおよびお勧め曲としてここに述べた次第。 その後の彼女は、他アーティストとのコラボやストリングスとの共演、キーボード演奏などの演奏面、および架空の映画のサウンドトラックとして作曲した「アダンの風」2020などの作品面で音楽の幅を拡げて、国内のみならず、海外において非常に高い評価を受けるようになり、アジアと欧米でもコンサート・ツアーを行っている。 青葉市子の世界による「3びきのくま」が楽しめる逸品。 [2025年12月作成] [2026年1月追記] 「他の曲の大貫さんカバーも聴いてみたいと思ってしまう」と言いましたが、彼女がDJをしている a-Station エフエム京都の「Flag Radio」の2025年11月12日の番組で、「風の道」を歌ってくれました。 ピアノによる弾き語りで、いいですね〜 |
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| Home 井上侑 (2012) Shinko Music | |
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3. メトロポリタン美術館 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 清水一登、片寄明人] 3曲目 井上侑: Vocal 清水一登: Piano 片寄明人: Producer 2012年6月6日発売 1. Metropolitan Bijutsukan (Metropolitan Museum) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Kazuto Shimizu, Akito Katayose] 3th Track by Yu Inoue from the album "Home" on Junel 6, 2012 |
| 井上侑(1987- 愛媛県生まれ、東京都育ち)は、シンガー・ソングライターとして2000年代後半から自主制作盤の発表やライブハウス、ストリート・ライブなどの音楽活動を始めて、メジャー・レーベルや自主制作で作品を発表、現在も活動を続けている。本作は彼女が24歳の時のアルバムで、通常自作曲を弾き語りをする彼女が、ピアノ伴奏を他人に任せて「NHKみんなのうた」の歌唱に専念したもの。 片寄明人(1968- ) は音楽プロデューサーとして活躍しながら、奥さんのChocolatとのデュオ Chocolat & Akitoのアルバムを出した人。デュオ名義で、本ディスコグラフィーに登場したコンピレーション・アルバム「Lingkaran For Babys」2007や「Pure Voice〜J Cover〜」2008に参加している。清水一登 (1956- ) はヒカシューのメンバーで、キーボード以外に様々な楽器を演奏するマルチ・プレイヤー。 3.「メトロポリタン美術館」を歌う井上の声は、若々しく素直でピュアな魅力がある。清水の伴奏は、原曲のアレンジをピアノ一台で踏襲した感じ。演奏・歌ともにシンプルな美しさにあふれている。本曲の次は、大貫さんが「HNKみんなのうた」1983で歌った4.「みづうみ (「ペール・ギュント」組曲第2番「ソルヴェイグの歌」から)」(作詞 Honrik Ibson 訳詩 山川啓介 作曲 Edvard Hagerup Grieg)。大貫さんが作詞・作曲に関与していないので、オリジナルは本ディスコグラフィーの「Various」に掲載し、ここでのカバーは対象外とした。両者を聴き比べると、大貫さんのひんやりとした声からは、夜明けの神秘的な風景が目に浮かぶが、井上の声は朝日が差した暖かみのある雰囲気を醸し出しているように思える。 他の曲について (編曲は 清水一登、片寄明人。表示順は曲名、作詞作曲者、「NHKみんなのうた」のオリジナル・シンガー、初出年、特記事項) 1. 赤とんぼ(作詞 三木露風 作曲 山田耕筰)東京放送児童合唱団 1965。三木が1921年頃に書いた詩に、1927年山田が曲をつけたもの。清水のピアノのコードは、オリジナルとは異なるモダンな響きで面白い。 1961年放送開始の「NHKみんなのうた」の初期は、既存曲のカバーが多かった。 2. 太陽の子どもたち(作詞 あまだしん 作曲 小野リサ) 小野リサ、松原典子(東京少年少女合唱隊) 1992。自然と子どもたちのふれあいを歌った名曲。 3. メトロポリタン美術館 4. みづうみ 5. 童神 〜天の子守歌〜 (作詞 古謝美佐子 作曲 佐原一哉) 山本潤子 2002。ハイファイセット解散後の山本がソロで歌っている。沖縄音階による美しい歌で、オリジナルは作詞者(作曲者は夫)の古謝美佐子1992で、夏川りみ 2003のカバーが有名。井上の優しさ一杯の歌いっぷりがいいね。 6. 僕は君の涙 (作詞作曲 太田裕美) 太田裕美 1998。原曲はエレクトロ・ポップ風のアレンジだったが、ここでのピアノのみの伴奏とストレートな歌唱は秀逸。 7. 大きな古時計(作詞作曲 Work Henry Clay 訳詞 保富庚午)立川澄人 長門美保歌劇団児童合唱部 1962。原曲は1876年出版。 8. クマのぬいぐるみ(作詞作曲 みなみらんぼう) 吉岡雄介(東京放送児童劇団)1987。清水のニューオリンズ風ピアノが素晴らしい。 9. アオゾラ (作詞作曲 吉本佳代)吉本佳代 2005 当時新人だった富山県在住のシンガー・ソングライターの作品。世界の平和を祈る本当にピュアな曲・歌唱。 10. おもいでのアルバム(作詞 増子とし 作曲 本田鉄麿) ダークダックス 1981。 1982年の芹洋子のバージョンもある。幼稚園の卒園式で歌われる定番曲。 . 誠実でピュアな歌とピアノ伴奏による名曲・佳曲に心が震える。 [2025年8月作成] |
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| Photograph 東京サンセットガールズ (2012) MIN Label/Ardeur | |
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3. 夏に恋する女たち [作詞作曲 大貫妙子 編曲 大久保治信 コーラスアレンジ 吉田朋代、藤名美穂] 3曲目 吉田朋代、藤名美穂: Vocal, Back Vocal 大久保治信: Keyboards 沢村繁: Piano 池田邦人: Guitar 中村雅雄:Bass 廣石恵一: Drums 2012年6月27日発売 3. Natsu Ni Koisuru Onna Tachi (Women In Love In Summer) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Harunobu Okubo, Chorus Arr: Tomoyo Yoshida, Miho Fujina] 3rd track by Tokyo Sunset Girlz from the album "Photograph" on June 27,2012 |
東京サンセットガールズは、バンド仲間やスタジオミュージシャンが集まって結成したバンドで、主に海外や日本の名曲をライブで演奏していた。同時期にオメガドライブのメンバーが結成したライブバンド「東京サンセットボーイズ」のスピンオフとのことで、2名の女性ボーカルが売りもの。メンバーは元オメガドライブ、当時クレイジーケンバンドのドラマーだった廣石恵一(2025年没)、キーボード奏者の大久保治信、林哲司などとバンドを組んでいた吉田朋代(ボーカル)など。 「Photograph」は彼らが2012年に出したミニアルバムで、シティ・ポップから歌謡曲に近い曲まで、幅広い選曲になっている。シンセサイザーでブラスやストリングスを再現した独自のアレンジで、ライブで磨いた演奏が聴きもの。大貫さんの 3.「夏に恋する女たち」は、イントロのアレンジとガッツのあるソリッドなプレイが新鮮。リードボーカルは二人が交替にとっているようで、コーラス部分でのハーモニーがかっこよく決まっている。 その他の曲について 1. 唇よ、熱く君を語れ [作詞 東海林良 作曲 渡辺真知子] 渡辺真知子 1980 2. フライデイ・チャイナタウン [作詞 荒木とよひさ 作曲 海老名泰葉] 泰葉 1981 3. 夏に恋する女たち 4. 音楽のような風 [作詞作曲 EPO] EPO 1985 5.恋におちて [作詞 湯川れい子 作曲 小林明子] 小林明子1985 6.飾りじゃないのよ涙は [作詞作曲 井上陽水] 中森明菜 1984 7. 真夜中のドア [作詞 三浦徳子 作曲 林哲司] 松原みき 1979 お馴染みの曲を楽しそうに演奏・歌っているのがいい感じ。 [2025年9月作成] |
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| The IDOLM@STER ANIM@TION MASTER 生っすかSPECIAL 03 (2012) 日本コロムビア | |
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1. 会いたい気持ち [作詞作曲 大貫妙子 編曲 丸山哲生] 8th track 秋月律子(声 若林直美): Vocal 丸山哲生: Arranger 中川浩二: Sound Producer 写真: 向かって左の眼鏡の娘は秋月律子、右は高槻やよい (2012年9月26日発売) 1. Aitai Kimochi [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Tetsuo Maruyama] 8th track by Ritsuko Akizuki (Voice: Naomi Wakabayashi) from the album "The IDOLM@STER ANIM@TION MASTER Nama-Suka SPECIAL 03 on September 26, 2012 |
| THE IDOLM@STER(略称 アイマス)は、バンダイナムコエンタープライズ(旧ナムコ)が2005年に始めた育成シュミレーション・ゲーム。765プロダクションに所属する候補生のなかから好きな人を選んで、プロデューサーとしてファンに支持されるアイドルの育成を競うもの(すみません。私はこの手のゲームをやった事がないので実感わきません)で、大ヒットにより漫画、アニメ番組やCDの制作、声優達によるコンサートの開催などメディアミックスの一大シリーズとなった。 アニメーション「The IDOLM@STER」は、ゲームと同じキャラクターが登場するが、独自のストーリーで25話+特別編が制作され、2011年7月〜12月にテレビ放送された。その第15話より始まった、アイドル達が出演する劇中の生放送番組「生っすかSPECIAL」に沿ったCDが別途制作され、その第三部(3枚目)が本アルバムだ。それは番組から秋月律子(声 若林直美、元アイドル候補生のプロデューサー。眼鏡がトレードマーク。)、高槻やよい(声 仁後真耶子、アイドルのひとり)、プロデューサー(声 赤羽根健治 ゲームにおけるプレイヤーの立ち位置に相当)の3人が登場するバラエティーで、スタジオ内のオーディエンスの拍手歓声(いかにもわざとらしいのが面白い)の中、アニメの劇中番組と同じ構成で進行する。 オープニング・トークに続く曲は、ゲームでたびたび流れる「愛 LIKE ハンバーガー」(作詞 白瀬彩 作曲編曲 MBGI(田島勝朗) 歌 秋月・高槻)1st Trackで、ジャケットのイラストはこの曲から。本曲については様々な出演者が歌う複数の映像をニコニコ動画で観ることができる。そして各出演者の「チャレンジのコーナー」(例えば高槻は「先輩にタメ口をきく」など)とカバー曲の歌唱が入る。 大貫さんの「会いたい気持ち」は秋月律子が歌うカバー曲のひとつ。声を担当する若林直美(1975- 鳥取県生まれ、広島県育ち)は声優・舞台女優で、声優としては秋月の声が代表作。声優のアニメ・ヴォイスによる歌唱であるが、前向きな感じのこの曲には意外に合っていて、とてもいい感じ。でも好き嫌いが分かれるかもしれないね。打ち込みっぽい伴奏について、アルバムには編曲者のクレジットがなかったが、「アイマスDB」というサイトには丸山哲生とあった。一方アルバムには全体のSound Producerとして中川浩二の名前が載っているので、実際に音を作ったのはこの二人のうちのどちらかだろう。 他の曲について。「らぴゅらぴゅ」(作詞 ふじのマナミ 作曲 片岡嗣実 歌 高槻)4th Track はパーキッツ2004、「Brand New Wave Upper Ground」 (作詞 Yuki 作曲 Takuya 歌 秋月)5th Track はJudy And Mary 2000、「Yell 〜エール〜」(作詞作曲 小渕健太郎 歌 プロデューサー)7th Trackはコブクロ 2001のカバー。みな明るく真面目に歌っていて好感が持てる。「明日があるさ(ジョージアでいきましょう編)」(作詞 青島幸男 (替え歌 福里真一) 作曲 中村八大 歌 プロデューサー)8th Trackは、元は1963年のバラエティー番組の主題歌として坂本九が歌ったものだが、2000年コカ・コーラの缶コーヒー飲料「ジョージア」のCMに替え歌が使われてリバイバル・ヒットした曲で、吉本興行の芸人達やウルフルズなどいろんな人が歌った。また「トイレの神様」(作詞 植村花菜 山田ひろし 作曲 植村花菜 歌 高槻)11th Track は、植村の原曲に忠実に、9分54秒の長尺をじっくり歌っている。 バラエティー番組としての作りであるが、音楽はどれも真面目に取り組んでいて、それなりに面白い。アニメ・ヴォイスによる「会いたい気持ち」を楽しみましょう。 [2025年8月作成] |
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| みんなのうた マユミーヌ (2012) USMジャパン | |
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4. メトロポリタン美術館 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 伊藤光介] 4曲目 マユミーヌ: Vocal, Glockenspiel 伊藤光介: Piano 旭孝: Flute, Piccolo 石橋雅一: Oboe 星野正: Clarinet 前田信吉: Fagott Louis Valle: Trumpet Jonathan Hamill: Horn 朝川朋之: Harp 上原なな江: Percussion 今野均ストリングス: Strings 注:曲毎のパーソネルがないため、アルバム録音に参加した人全員を表記しています。 2012年10月31日発売 1. Metropolitan Bijutsukan (Metropolitan Museum) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Kosuke Ito] 4th Track by Mayumine from the album "Minna No Uta" (Everybody's Songs) on October 31, 2012 |
| マユミーヌ(1969- 神奈川県生まれ 本名非公表)の「まゆみ」は本当の名前とのこと。玉川大学で声楽を専攻し、会社のOLをしながらCMソングや子ども向けの歌を歌う。2006年に宮崎あおいが出演したアフラック(アメリカンファミリー生命保険)のCMソング「アヒルのワルツ」で注目されて、同曲のシングル盤を発表し、2010年にお母さんや子ども向けのアルバムを出した。あまり表に出てこない人で、インターネットに顔写真が公開されているが、コンサートなどの活動記録は見つからなかった。唯一つ、おむつのCMソング「ほしのかずだけ」を歌ったテレビ番組出演の映像がYouTubeに残っており、そこでの彼女は清楚なOLといった感じだ。 彼女は2012年10〜11月にNHK「みんなのうた」で放送された「永遠のとびら」を歌い、その録音と併行して制作されたのが本作だ。CMや童謡向けの癖のない声であるが、その歌唱から本人の「個」がしっかり感じられる点で、他の同業歌手と一線を画している。伴奏は編曲者の伊藤光介を中心とするクラシック畑の人たちが担当。 以下各曲の簡単な説明(括弧はオリジナルの歌い手と初回放送日、編曲はすべて伊藤光介) 1. 永遠のとびら [作詞 石毛里佳、磯谷佳江 作曲 石毛里佳] (マユミーヌ 2012年10月) 「みんなのうた」の映像では切り絵作家の蒼山日菜の作品が使われた。彼女の切り絵はアルバムの表紙デザインにもなっている。テレビ放送は、同じ録音を放送時間に合わせて短く編集した「TVサイズ」版と思われる。 2. おはようのうた [作詞作曲 本間絹子] (本間絹子 2007年8月) 本間絹子は電通所属のCMプランナー、コピーライター。 3. 南の島のハメハメハ大王 [作詞 伊藤アキラ 作曲 森田公一] (水森亜土、トップギャラン 1976年4月)「みんなのうた」から出た名曲のひとつで数多くのカバーがある。 4. メトロポリタン美術館 [作詞作曲 大貫妙子] (大貫妙子 1984年4月)伊藤光介のピアノとクラシカルなアンサンブルによるアレンジがクリエイティブで面白い。時折聞こえるグロッケンはマユミーヌ本人が叩いている。 5. 北風小僧の寒太郎 [作詞 井出隆夫 作曲 福田和禾子] (堺正章、東京放送児童合唱団 1974年12月)当初は1973年の「おかあさんといっしょ」で田中星児が歌ったもの。何度も再放送され、1982年に北島三郎とひばり児童合唱団で再録音された。 6. ふたりで半分こ [作詞 岩谷和子 作曲 ティティーネ・スケーベンス] (堀江美都子、市場衛、ティティーネ&チルドレンコーラス 1981年8月) NHKのアニメ番組「名犬ジョリィ」のエンディング・テーマを「みんなのうた」でも使用。ティティーネ・スケーベンスはベルギーの作曲家で、歌詞の一部がフランス語になっている。 7. 赤鬼と青鬼のタンゴ [作詞 加藤直 作曲 福田和禾子] (尾藤イサオ 1977年12月)山に住む角一本の赤鬼と二本の青鬼がタンゴを踊るという曲。 8. 赤い花 白い花 [作詞作曲 中林ミエ] (ビッキーズ 1976年12月) 銅板画家の中林三恵が高校時代に作曲し歌ったものが世間に広まり、1971年フォークグループ赤い鳥が録音して有名になった。 9. ヒナのうた [作詞作曲 柴草玲] (柴草玲 2003年2月)カルガモの雛の行動と成長を歌った曲。 10. マヌエロ [作詞 F, マレスカ 訳詞 阪田寛夫 作曲 M. パガーノ] (玉川砂記子、坂本児童合唱団) イタリアの童謡が原曲。作者の二人は「黒猫のタンゴ」も書いている。 11. 月の風船 [作詞 田久保真見 作曲 高橋洋子] (高橋洋子 1998年10月)ファンタスティックな歌詞の作品。 クラシカルなアレンジによる「メトロポリタン美術館」。 [2025年11月作成] |
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| Your Time Route #1 一十三十一 (2012) Billboard | |
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2. チャンス [作詞作曲 大貫妙子、編曲 クニモンド瀧口] 2曲目 一十三十一: Vocal クニモンド瀧口: Synthesizer, Program 山口としお: Guitar, Keyboards, Program 注: 山口氏の名前については、漢字が不明のためひらがなで表記しました。 2012年11月14日発売 2. Chance [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Kunimondo Takiguchi] 2nd track by Hitomitoi from the album "Your Time Route #1" on November 14, 2012 |
| これまで大貫さんの曲を多くカバーしてきた一十三十一(ひとみとい)が流線形のクニモンド滝口と組んで制作したカバーアルバムで、同年6月に発表したオリジナル作品のアルバム「City
Dive」と対をなす存在。ライナーノーツの二人の対談によると、選曲にあたり二人でカラオケ・ボックスに行って(カラオケにない曲はPCで曲を持ち込んで)、実際に歌ってみて決めたという。2012年はシティポップ再評価が盛り上がってきた年で、その流れに乗って1曲を除き1980年の曲、そしてコスメティックというテーマで絞って、お洒落な女性の曲になったとのこと。 大貫さんの1.「チャンス」について、二人の対談の一部を引用しよう。 一十三十一: 大貫さんのことは、ずっとカッコイイ女性だなと尊敬し続けてきました。 瀧口: 今回「チャンス」を選曲したのは僕。これはカヴァーしている人があまりいなだろうなと思ったから。この8ビートの感じが大貫さんの中でも割と異色だなという新鮮さもあって。 一十三十一: 最初のミックスを聴いた時、実を言うと、歌っているのが大貫さんなのか私なのかわからなかった(笑)。 瀧口: アレンジにはジョー・ジャクソンの「ステッピン・アウト」のベースラインを採り入れています。 大貫さんの「チャンス」(1981年のアルバム「Aventure」収録)に対し、ジョー・ジャクソンの「Steppin' Out」全米・全英6位は少し後の1982年の曲で、当時とても新鮮に聞こえたシンセベースのラインは、大貫さんの曲にピッタリ嵌っている。それ以外は他の曲よりもオリジナルに忠実なアレンジで、歌い回しもそっくり。聴き比べて、大貫さんの歌声は「少年の心を持ち合わせた女性」であるのに対し、一十三十一は「少女の心を持ち合わせた女性」と感じた。 他の曲について (編曲 クニモンド瀧口) 1. Cha Cha Cha [作詞 Graziella Boido 訳詞 今野雄二 作曲 Fabrizio Baldoni, Beniamino Reitano, Feancesco Reitano, Bruno Rosellini] 石井明美 1986。テレビドラマ「男女7人夏物語」に使用され、英語の原曲とともに大ヒットした。もとは1985年のイタリア曲で、Finzy Contini(フィンツィ・コンティーニ)というダンスグループが歌っていた。原曲、石井のカバーのイントロで、車の止まる音に続いて「Baby, get on my Cadillac」とのたまう色男のセリフは、ここではクニモンドが担当。 2. チャンス 3. 夏の恋人 [作詞作曲 山下達郎] 竹内まりや 1978。竹内のデビューアルバム「Beginnings」収録の名曲で、後に夫となる山下達郎との初めてのコラボ作品。一十三十一にとって、彼女の父が北海道で経営していたレストランでよくかかっていた思い入れがある曲だそうだ。 4. 唇よ熱く君を語れ [作詞 東海林良 作曲 渡辺真知子] 渡辺真知子 1980。カネボウ化粧品のCMソングとして大ヒットした。この曲は彼女の声に合っているね。 5. ブラック・ムーン [作詞 来生えつこ 作曲 南佳孝] ラジ 1981。人気の高い初期の作品を意図的に外したとのこと。禁断の恋を歌った妖しい曲で、女性奏者ヤマカミヒトミのサックスソロが素晴らしい。 6. すみれ September Love [作詞 竜真知子 作曲 土屋昌已] 一風堂 1982。これもカネボウ化粧品のキャンペーン・ソング。 7. Silver Rain [作詞 安井かずみ 作曲 加藤和彦] 宮本典子 1981。日本のソウルクィーンだった彼女は1990年以降アメリカに移住し、mimiという名前で音楽活動を続ける。彼女の曲にしてはポップな感じで、程よいソウルが一十三十一にぴったり。 8. 手のひらの東京タワー [作詞作曲 松任谷由美] 松任谷由美 1981。松任谷のアルバム「昨晩お会いしましょう」収録で、テレビ番組「オレたちひょうきん族」のエンディング・テーマ曲。石川セリもほぼ同時に発表している。「手のひら」とは東京タワーの置物のこと。 9. 土曜の夜はパラダイス [作詞作曲 EPO] EPO 1982。これも「オレたちひょうきん族」のエンディング・テーマ曲に使用された。 土曜日の夜の開放的な気分を歌にしたもので、本アルバムもこの曲で明るく終わる。 とにかく聴いていて気持ちの良いアルバム。演奏の多くは打ち込みであるが、巧みな処理のため全然気にならない。 [2025年9月作成] |
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| 2013年 東京オアシス(オリジナル・サウンドトラック (2011/10/12発売)、Tint (2015/6/10) の頃 | |
| 都会 HF International (2013) Spiral Beats Productions | |
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1. 都会 (City Lovers Rock Edition Vocal) [作詞作曲 大貫妙子 編曲 HF International] Single A面 2. 都会 (City Lovers Rock Edition Dub) [作詞作曲 大貫妙子 編曲 HF International] Single B面 Shiho.C: Vocal 福田征希: Piano, Synthesizer, Programming 平岩克規: Programming 戸城孝啓: Guitar 写真上: シングル(2013年2月22日発売 A面 City Lovers Rock Edition Vocal) 写真下: シングル(2013年2月22日発売 B面 City Lovers Rock Edition Dub) 1. Tokai (City) (City Lovers Rock Edition Vocal) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: HF International] Single A-Side 2. Tokai (City) (City Lovers Rock Edition Dub) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: HF International] Single B-Side by HF International from the single on Febuary 22, 2013 |
| HF International (アッシュエフ・インターナショナル)は、DJ平岩克規とマルチ奏者福田制希による名古屋在住のユニットで、本作がシングル・デビュー盤となる。大貫さん(作詞作曲)と坂本龍一(編曲)によるシティポップの名曲をラヴァーズ・ロックのサウンドでカバーしたもの。ラヴァーズ・ロックとは、イギリスに住むジャマイカ系移民がソウル音楽を取り入れて独自のサウンドに発展させたレゲエのサブジャンルのこと。ここではShiho.Cという、ちょっとソウルフルでかつクリスタルな歌声の女性歌手をフィーチャーして、スウィート・アンド・メロウなサウンドに仕上げている。 B面のタイトルについている「Dub」は、レゲエの原曲にエコー、リバーブ、ディレイなどのサウンド・エフェクトを施して別の曲に仕立て上げる制作手法で、ここではボーカル抜きのインストルメンタル・バージョンになっている。 本盤はその後希少盤として中古市場で高値を呼び、2016、2020、2023年に再発されるが、それらについては「都会 Re-Issue 2016」でふれることとする。 HF Internationalは他に面白い作品を出しているが、特に興味深いのは2016年に出したシングル「If You Want It」だろう。これはNiteflyteというアメリカのグループ1979年の曲(全米37位)のカバーなんだけど、ここでは明らかに、1980年2月17日のFM東京の番組「サウンドアプローチ」での山下達郎と吉田美奈子によるスタジオライブでの演奏をベースにしているのだ。HF Internationalのカバーを聴いていると、当時この放送を聴いてぶっ飛んだ記憶が生々しくよみがえってくる。 数ある「都会」のカバーのなかでも、文句なしに筆頭に挙げられる名作。 [2025年8月作成] |
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| Radio Onse Eutopia やくしまるえつこ (2013) みらい | |
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11. メトロポリタン美術館 [作詞作曲 大貫妙子] 11曲目 やくしまるえつこ: Vocal, Producer エマーソン北村: Keyboard 永井聖一: Guitar 高良久美子: Vibraphone etc. 吉田匡: Bass 山口元輝: Drums, Percussion 写真上: 通常盤 2013年4月10日発売 写真中: 通常盤(三角の穴が空いた紙ケースに入った状態) 写真下: 特別限定盤(カセットテープ「幻のエアーチェックテープ」付き) 2013年4月10日発売 11. Metropolitan Bijutsukan (Metropolitan Museum) [Words & Music: Taeko Onuki] 11th Track by Etsuko Yakushimaru from the album "Radio Onsen Eutopia" on April 10, 2013 . |
やくしまるえつこ(本名 丸野悦子)は歌手、作詞・作曲家(ティカ・α名義)、音楽プロデューサー、美術家、イラストレーター、文筆家、ナレーターなど幅広い活動をしている人だ。音楽ではソロ活動の他に、相対性理論(2006年結成、自主制作CDデビューは2007年)をはじめとする多くのバンド、ユニットやプロジェクトで独創的な音楽を生み出し、坂本龍一、鈴木慶一、高橋幸宏、近田春夫、大友良英など数多くのミュージシャンとコラボしている。 2012年12月25日22:00〜23:00放送のNHK-FMのラジオ番組「やくしまるえつこ "みんなのクリスマスセッション”」で彼女のオリジナル作品と「NHKみんなのうた」作品のカバーがスタジオライブで演奏された。それは大きな反響を呼びCD化希望が殺到したため、未放送楽曲2曲を加えて翌年4月に「Radio Onsen Eutopia」としてリリースされた。その際通常盤と特別限定盤の2種類が発売され、後者は一辺24.5センチの大きな三角形の箱になっていて、その中にはCDの他に彼女のDJによるラジオ番組風音源「幻のエアーチェック」を収めたカセットテープが付いていた。 11. 「メトロポリタン美術館」は本作に収められた「NHKみんなのうた」6曲のうちのひとつ。バックを務めるギター、ベース、ドラムスは相対性理論のバンド仲間だ。おもちゃ箱の中をのぞいたようなアイデアに富んだ楽しいアレンジで、やくしまるのウィスパリング・ヴォイスを楽しめる。「NHKみんなのうた」カバーの他曲にも言えることで、彼女の声がオリジナル作品における少し無機的な感じでなく、暖かみがあることが新鮮。編曲のクレジットがないのは、バンドによるヘッドアレンジのためと思われる。 その他の曲について 1. ノルニル [作詞作曲 ティカ・α] やくしまるえつこメトロオーケストラ名義による彼女5枚目のシングルで、2011年10月5日発売。テレビアニメ「輪るピングドラム」(2011年7月〜12月 毎日放送・TBSほかで放送。幾原邦彦のオリジナルアニメで、ストーリーは複雑すぎてここでは要約できません)の主題歌。原曲には「オーケストラ」という名前のとおり、ストリングスや金管・木管楽器が入っていた。ここでもオリジナルと同じく7分を超える長尺曲になっていて、歌詞のイマジネーションがどんどん拡がってゆく。 2. 恋するニワトリ [作詞作曲 谷山浩子] 作者本人の歌で「みんなのうた」1985年2月〜3月に放送された。風見鶏に恋したニワトリを歌ったもので、同番組の数多い歌のなかで人気が高い曲のひとつ。ここでのやくしまるは、抜群のリズム感覚でニワトリの鳴き声を模した歌詞を歌っていて、本アルバムの中でも出色の出来栄え。 3. ヴィーナスとジーザス [作詞作曲 ティカ・α] 2枚目のシングルで2010年5月26日発売。テレビアニメ「荒川アンダー ザ ブリッジ」のテーマソングに使用された。借りをつくることができない御曹司が川に落ち、美少女ニノに助けられ、その借りを返すために恋人になって彼女と荒川河川敷に住むという中村光の漫画のテレビアニメで、2010年4月から、および同年10月から各2ヵ月テレビ東京などで放送された。 4. Cosmos vs Alien [作詞作曲 ティカ・α] 3枚目のシングルで2010年11月17日発売。上記アニメの第2期「荒川アンダー ザ ブリッジ X 2」のテーマソング。ラップのような速射砲の歌唱が弾ける飛びまくり曲。坂本龍一が寄せた推薦文「やくしまるえつこは新たな冒険に乗り出した。そこには、リズムと言葉のまだ見ぬ地平線が広がっている」。鈴木慶一は「ちっしゃなカラダに64分音符がつまっているんだ。このリズムは、やくしまるさん、あなたしか出せないんだ。スライスされた音符が言葉になって、歌になって飛び散ってゆくんだ。21世紀も10年たった、今こそのキュートがあるよ」。セッションで録音されながら放送されなかった曲。 5. 北風小僧の寒太郎 [作詞 井出隆夫 作曲 福田和禾子] 1972年の「おかあさんといっしょ」で歌った田中星児が初めで、1974年12月「みんなのうた」で歌った堺正章と東京放送児童合唱団が決定版となった。子供向けの演歌として作者の故郷長野県松原湖の冬景色をイメージして作った曲。ここでは大友良英のアコースティック・ギター1本のみをバックに淡々と歌っていて、普段とのギャップが微笑ましい。 6. ヤミヤミ [作詞作曲 ティカ・α] やくしまる本人作詞作曲・歌による「みんなのうた」曲で、2012年8月〜9月放送。少年と「名付け得ぬもの」が主人公で、日常生活の中に現れた不確かで不安な「もの」との出会いを描いたちょっとホラーなお話。2012年9月26日にシングルとして発売。 7. 少年よ我に帰れ [作詞作曲 ティカ・α] 「ノルニル」とのカップリングで2011年10月5日シングル発売。テレビアニメ「輪るピングドラム」後半の主題歌。 8. キャベツUFO [作詞作曲 工藤順子] 本人歌唱で1984年6月「みんなのうた」放送。台所に置かれたキャベツの中にいたイモムシの気持ちに月の光が応えて、キャベツが空を飛んでイモムシの故郷を目指すというファンタジー。ここでは高良久美子のヴィブラフォンのみをバックに囁くように歌っている。 9. ラジャ・マハラジャー [作詞 福田三月子 作曲 吉川洋一郎] 戸川純と東京放送児童合唱団の歌で「みんなのうた」1985年2月に放送されたインドの「偉大な領主様」を歌った曲。ここでは原曲をディフォルメしたパンク・ロックのアレンジで愉快な歌詞とのギャップが物凄い。 10. ときめきハッカー [作詞作曲 ティカ・α] 2011年5月25日発売の5枚目のシングル。未放送となったもうひとつの曲。 11. メトロポリタン美術館 12. ロンリー・プラネット [作詞作曲 ティカ・α] 「ヤミヤミ」との両A面シングル(2021年9月26日発売)。オリジナルは15分、ここでは9分半の大作。 なお特別限定盤に付いていたカセットテープ「幻のエアーチェックテープ」は、やくしまるがDJとしてファンからの便りを読み上げて答え、曲をかけるラジオ番組をシュミレートして作られた音源で、1時間20分を超えるものなので、実際の1時間番組「やくしまるえつこ "みんなのクリスマスセッション”」とは異なるもののようだ。 イマジナティブな歌詞と鋭い演奏・歌唱によるオリジナル作品と、牧歌的な雰囲気をも漂わす秀逸な「みんなのうた」カバーとのコントラストが大変鮮やかな作品となった。「メトロポリタン美術館」は数多いカバーの中でも出色の逸品。 [2026年2月作成] |
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| Spring Is Mine Lilly me (2013) evergreen presents | |
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1. 色彩都市 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 松永宏紀] 1曲目 Lilly me: Vocal, Producer 越田太郎丸: Guitar さくら: Violin 松永宏紀: Sound Producer 2013年4月17日発売 1. Shikisai Toshi (Colored City) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Hiroki Matsunaga] by Lilly me from the album "spring is mine" on April 17, 2013 |
| Lilly meは2000年に東京で音楽活動を開始。2007年からLilly meと名乗りライブを始めて、2008年と2009年に2枚のカバー・アルバムを発表。2013年に本作を出し、2016年に新アルバム制作のアナウンスをした後に表舞台から姿を消している。彼女に関しては、プロフィール等の資料がなく、わかったのは上記3枚のアルバムと数本のYouTube動画が残っていること、そして3人の女の子の母親(CDジャケット内に娘達との写真がある)として、日常生活に寄り添う音楽を創るという姿勢のみ。 本作は3枚目のアルバム。全7曲中3曲が欧米曲、2曲が日本曲のカバーで、残り2曲が本人が作詞・作曲に関わったオリジナルという構成。大貫さんの「色彩都市」は、ナイロン弦ギターとバイオリンを中心とする伴奏によるボサノヴァ・アレンジによるカバー。グロッケンシュピール風、ベースなどその他の音は明記されていないが、サウンド・プロデューサーの松永宏紀が担当しているものと思われる。Lilly meの歌声は優しい呟き系で、最初聴いて時折音程が不安定になるなと思ったが、何度か聞くうちに、ナチュラルな声の魅力の中に埋もれて気にならなくなった(と言っても、この声は聴く人により好き嫌いが別れるかもしれないね)。そして手作り感・透明感のある伴奏により、心地よい音楽になっている。 他の曲について (編曲は 松永宏紀) 1. 色彩都市 2. spring is mine [作詞 Lilly me 作曲 中川久史 Lilly me] オリジナル曲 3. How Deep Is Your Love [作詞作曲 B.A. Gibb, M.E. Gibb, R.H. Gibb] 1977 ビー・ジーズ 全米1位の名曲。ナイロン弦ギターのアルペジオのみによるシンプルな伴奏。キュートな声が曲に合っている。 4. Loving You [作詞 M. Riperton 作曲 R. Rundolph] 1974 ミニー・リパートンのこれまた名曲で 全米1位。2台のナイロン弦ギタ−とシンプルなパーカッションによる演奏で、イントロとエンディングの「ラララ」のコーラスに子供の声が入っている。 5. 世界の果て[作詞 Lilly me 作曲 中川久史 Lilly me] オリジナル曲 6. ベルベット・イースター[作詞作曲 荒井由美] 1976 荒井由美 アルバム「ひこうき雲」収録の初期の曲。原曲と異なるギターがメインのクリスタルな演奏が新鮮。 7. The Never Ending Story [作詞作曲 G. Moroder, K. Forsey] 1984 Limahl 同名映画の主題曲 全米17位。原曲はエレクトロ・ポップのサウンドだったが、ここでのボサノヴァ・アレンジもとてもいいね。 全体的に彼女の声に似合う曲が選ばれていて、優しい声、優しいアレンジによる「色彩都市」が聴ける。 [2025年7月] |
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| こどもじゃず その6 ROCO (2013) apart. | |
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12. メトロポリタン美術館 [作詞作曲 大貫妙子] 12曲目 ROCO: Vocal Unknown: Piano, Toy Piano Unknown: Baritone Sax Unknown: Bass Unknown: Drums 2013年5月5日発売 12. Metropolitan Bijutsukan (Metropolitan Museum) [Words & Music: Taeko Onuki] 12th Track by ROCO from the album "Kodomo Jazz Sono 6" (Kids Jazz No.6) on May 5, 2013 |
ROCO(本名 非公表 同名のシンガー・ソングライターがいるので注意)は2001年からアルバムを発表し、ヴィレッジ・ヴァンガードなどの雑貨屋で売れる。そしてポップ調ジャズにアレンジした子供向けの歌を「玩具ジャズ」と名付けて、2010年「こどもじゃず」というカバーアルバムを発表。それが大いに受けてシリーズ化した。本作は彼女の出産を記念して、ファンからのリクエストをもとに制作された6枚目にあたる。 最初聴いた時は歌声が子供向け過ぎるかなと思ったが、全曲聴くと結構多彩な歌い方をしているのがわかり、気にならなくなった。また各曲のアレンジが凝っていて、本気モードでクリエイティブな仕事をしていることがわかる。残念ながら伴奏者の氏名の記載がないけど、歌手とピアニストからは強いパートナーシップが感じられる。2010年代の彼女の活動記録を調べたところ、2014年10月5日付のプログで、同日の「こどもじゃず コンサート」のサポート・メンバー紹介の投稿があった。その時期から推測すると、本作のピアニストは北海道出身の木村トモカである可能性が高い。とはいえ、証拠がないので、上記のとおり「不明」とした。 収録曲はピアノ・トリオによる伴奏が主であるが、曲によってピアノのみだったり、ストリングスやクラリネットが加わっている。12.「メトロポリタン美術館」は、おそらくバリトン・サックスが加わっているようだ。トイ・ピアノがメロディーを奏でるアレンジが印象的。 他の曲は以下のとおり。 1. 思い出のアルバム [作詞 増子とし 作曲 本田鉄麿] 幼稚園の卒園式の定番曲。前半はトイ・ピアノ、後半はピアノ・トリオによるジャズワルツ。 2.どんぐりころころ [作詞 青木存義 作曲 梁田貞] コード進行とリズムが面白いアレンジ。間奏のピアノに意表を突かれる。 3. パンのマーチ [作詞 峯陽 作曲 小川寛興] 「みんなのうた」ペギー葉山1969がオリジナル。歌詞がとても面白い。 4. おべんとうばこのうた [作詞 不詳 作曲 わらべうた] 作者につき「作詞 香山美子 作曲 小森昭宏」とする資料もあった。ブルージーなジャズ・アレンジでスウィングするボーカル、歌詞が混ざったスキャットが傑作。 5. 赤鬼と青鬼のタンゴ [作詞 加藤直 作曲 福田和禾子] 尾藤イサト 1977年オリジナル。真面目にジャズりタンゴるピアノトリオに笑える。 6. チューリップ [作詞 近藤宮子 作曲 井上武士] エレキピアノによるモダンな和音による伴奏。途中からストリングスが加わる。 7. おはようクレヨン [作詞作曲 谷山浩子] 「みんなのうた」谷山浩子 1987がオリジナル。ピアノトリオとストリングスによる演奏でジャズの香りは薄め。動画がYouTubeに公開されている。 8. きのこ [作詞 まど・みちお 作曲 くらかけ昭二] ピアノのみの伴奏。変てこな歌詞が素晴らしい。 9. ラクカラーチャ [作詞作曲 Traditional] 資料では日本語詞の作者に佐木敬とあった。変拍子のアレンジがユニーク。 10. ケンカのあとは [作詞 荒木とよひさ 作曲 三木たかし] 「ひらけ!ポンキッキ」ケント・ギルバート、ジュン・マリー 1973がオリジナル。クラリネットが伴奏に加わっている。 11. 大きな古時計 [作詞 保富康午 作曲 Henry Clay Work] この曲については説明不要。 12. メトロポリタン美術館 13. かめの遠足 [作詞 新沢としひこ 作曲 中川ひろたか] 「ぼくたちのうた」中川ひろたか 1988がオリジナル。カメらしいのんびりしたワルツ。 14. ピ ピカソ [作詞 矢倉邦晃、保山宗明玉、チャンキー松本 作曲 本間勇輔] 「ポンキッキーズ」モダンチョキチョキズ 1997。歌詞が飛んでる! オリジナルの濱田マリの歌が凄いが、ここでのボーカルも最高! 15. ゆりかごのうた [作詞 北原白秋 作曲 草川信] 最後は子守唄で、静かに安らかに終わる。 ROCOはコンサート活動の他に、ソングライター、CMソング・シンガー、ナレーターなどで活動を続けている。このCDシリーズは本作で打ち止めとなったが、その後も「こどもじゃず・コンサート」は続き、本稿作成の2025年時点でも実施情報がインターネットに載っている。 ジャズのピアノ・トリオ、トイ・ピアノとバリトン・サックスの伴奏による「メトロポリタン美術館」。 [2025年9月作成] |
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| Un Jour Erika (2013) Soho's Inc | |
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6. 都会 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 ST Productions] 6曲目 Erika (西恵利香): Vocal 2013年6月15日発売 1. Tokai (City) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: ST Productions] 6th track by Erika (Erika Nishi) from the album "Un Jour" on June 15, 2013 |
| 西恵利香(1989- 埼玉県出身)はAeLL.という4人組アイドル・グループのリーダーとして2011年から2014年まで活動後、ソロに転向。アルバム・シングル制作、各種イベントへの参加、ラジオ番組出演などの活動を続け、結婚・出産の休業を経て2023年に復帰、2025年1月に最新作を発表している。本作は当時24歳の彼女がグループ在籍中に発表したミニアルバムで、ソロとしては初めてだったが、スピンアウト的な位置付けだったため、J-Popのカバーアルバムという軽い乗りで作ったのだろう。「Un
Jour」は日本語で「ある日」という意味で、表紙は2015年以降トルコ在住の女流漫画家、市川ラクが書いたもの。「Erika」という名前になっているが、その後の作品は西恵利香という本名になる。打ち込みによるチープな感じのバック
(注: けなす意味ではありません)と歌の上手いアイドル・ヴォイスの取り合わせが、ペカペカしたプラスチックのような煌めきのあるサウンドを生み出している。 「都会」はクラブ・ミュージック風のビートを効かせた軽快なアレンジで、西のボーカルも素直で軽やかな感じ。本作発売日の2日後に行われたライブハウス渋谷Glad(2020年閉店)でのイベントで、CDと同じ演奏をバックに本曲を歌う映像がYouTubeにあるが、そこではファースト・ヴァースの「眠らない夜の街 ざわめく光の洪水 通り色どる女 着飾る心と遊ぶ」で、「ざわめく...」と歌うところを間違えて「着飾る.....」と歌ってしまっているが、動ぜずに歌い切っている場面が面白い。なかなか度胸あるね! その他の曲について : 曲目[作詞作曲編曲] オリジナルとその発表年。特記 1. Morning Kiss [作詞 白井未留、藤木直史 作曲 藤木直史、神谷洵平 編曲 ST Productions] ジャンク フジヤマ 2010。山下達郎っぽいグルーヴの曲で、ジャンク フジヤマ(1983- )の本名は作詞作曲者の藤木直史。西はやる気満々で歌っているが、難しい曲でちょっと背伸びし過ぎかな? 2. Gift〜あなたはマドンナ〜 [作詞 小野健、EPO 作曲 EPO 編曲 夏目哲郎] 土岐麻子 2011。資生堂「エリクシール・シュペリエル」のCMソングということで、土岐麻子には軽すぎたが、ここでは丁度いい感じ。 3. 恋のサイダー [作詞作曲 クニモンド滝口 編曲 須藤雄毅] 流線形 2003。クニモンドのユニット、流線形の初アルバム、シングルでシンガーはサノトモミ。ここでのカバーはちょっと軽すぎるかもしれないけど、この軽さもそれなりにいいかも? 4. 水色の雨 [作詞 三浦徳子 作曲 八神純子 編曲 ST Productions] 八神純子 1978。ダンサブルなクラブ・ミュージック・アレンジによるカバー。なかなかいい感じの演奏と歌唱。 5. 真夜中のドア [作詞 三浦徳子 作曲 林哲郎 編曲 ST Productions] 松原みき 1979。 近年海外での再評価著しい曲。この曲については、ここでの軽い感じがベターなように思える。 6. 都会 「水色の雨」を除く各曲につき、「都会」と同様のライブハウス渋谷Gladでの映像がYouTubeにあり。 クラブ・ミュージック風アレンジによるダンサブルで軽い感じの「都会」。 [2025年9月作成] |
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| TOKYO野蛮人 / ニュアンスしましょ 藤澤志保 (2013) Eat | |
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1. ニュアンスしましょ feat. HIRO:N [作詞 大貫妙子 作曲 EPO] Single B面 HIRO:N: Vocal 藤澤志保: Track Making 2013年7月5日発売 写真上: 「ニュアンスしましょ feat. HIRO:N」 B面 表紙 写真下: 「TOKYO野蛮人 feat. 荘野ジュリ」(作詞 康珍化 作曲 和泉常寛) A面 表紙 !. Nuance Shimasho (Let's Do Nuance) [Words: Taeko Onuki, Music: EPO] Single B-Side by Shiho Fujisawa feat. HIRO:N form the single TOKYO Yabanjin (Tokyo Barbarian) on July 5, 2013 |
| 藤澤志保(女優の藤澤志帆とは漢字違いの同姓同名)は、渋谷のクラブを本拠地として2000年代後半〜2010年代前半に活躍したソングライター、DJ、トラックメイカー。本作は彼女が2013年小西康陽主宰のEat
Recordsから発売した7インチ・シングル・レコード。レーベル印刷は「TOKYO野蛮人」がA面と表示されているが、宣伝上はダブルエーサイド(両サイドA面扱い)なっていた。 1.「ニュアンスしましょ」は、大貫さんの歌詞とEPOのメロディーがファンタスティックな香坂みゆき1984年のシングル(資生堂CMソング)のカバーで、打ち込みによる軽快なエレクトロポップのクラブサウンドをバックに、ゲストのHIRO:N(ヒロン)がを歌っている。彼女(1979年北海道生まれ)は、2000年代にアルバム・シングルを出してたシンガー・ソングライターだ。 「TOKYO野蛮人」は、現在女優として活躍する菊池桃子(1968- )が、アイドル歌手から脱却してキーボード奏者の松浦義和が結成したバンドRA MU (ラ・ムー)で歌った曲で、彼らの3枚目のシングルかつアルバム「Thanks Giving」1988に収録された。アイドルとブラックコンテンポラリーを融合した野心的な音楽は、当時は売れずにグループも短命に終わったが、後年J-Popブームに伴い再評価され、オリジナルのレコード、カセットテープは中古市場で高値を付けている。 原曲は、ソウルフルなコーラスとブラスセクションが入ったビートの効いたバックと菊池のアイドル・ヴォイスのブレンドが、37年後の今聴いても色褪せ感が全く感じられない素晴らしい出来。ここでは特徴あるリフをフィーチャーしたソリッドなクラブサウンドに仕上げている。ゲスト・ボーカリストは後に作詞家として活躍した荘野ジュリ。 クラブサウンドが面白い「ニュアンスしましょ」。 [2025年9月作成] |
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| はじまりの海 坂本真綾 (2013) Flying Dog | |
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1. はじまりの海 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 森俊之] Single 2. はじまりの海(TV Size) [作詞作曲 大貫妙子 編曲 森俊之] アルバム2曲目 坂本真綾: Vocal, Back Vocal 大貫妙子: Back Vocal 森俊之: Electric Piano (Rhodes), Piano, Organ, Programming 小倉博和: Guitar 鈴木正人: Bass 林立夫: Drums Lenny Castro: Shaker 写真上: シングル (2013年7月31日発売) 1収録 写真中: アルバム「Follow Me Up」 初回限定盤(緑)と通常盤(赤) (2015年9月30日発売) 1収録 写真下: アルバム「TVアニメーション たまゆら〜もあぐれっしぶ〜 ボーカルアルバム うたとせ」 (2013年9月25日発売)2収録 1. Hajimari No Umi (The Sea Of Beginnings) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Toshiyuki Mori] Single 2. Hajimari No Umi (TV Size) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Toshiyuki Mori] Album 2nd track by Maaya Sakamoto from the single on July 31, 2013, and the album "TV Animation Tamayura More Aggresive Vocal Album Utatose" on September 25, 2013 |
| アニメーション・シリーズ「たまゆら」は、瀬戸内海に面した広島県竹原を舞台とした中学生の女の子の物語だ。当初2010年にOVAで発売され、テレビシリーズ第1期として「たまゆら〜hitotose〜」が2011年10月から12月まで、第2期の「たまゆら〜もあぐれっしぶ〜」が2013年7月から9月まで、各12話が放送された。そして2015年から2016年の4回、完結編が劇場公開された。 そのうち大貫さんの曲が使われた「たまゆら〜もあぐれっしぶ〜」全12話を観ることができた。幼い頃に亡き父と過ごした竹原で、父の形見のカメラで写真を撮りながら家族と友人に囲まれて過ごす1年間を描いたもので、高齢者の男性が少女向けアニメを鑑賞するという異様なシチュエーションだったが、私としてはとても面白く観ることができた。良かったのは悪人が出ないこと、若い男性がいないので色恋沙汰がないこと。ということであまり起伏に富んだストーリーではなかったが、友人や家族とのやりとりが四季の時間の流れのなかでピュアに繊細に描かれていた。 もうひとつ感心したのはディティールに凝っている事。舞台となった竹原は尾道と呉の中間にある海辺の街で、生まれ故郷の尾道を舞台とした作品を多く残した大林宣彦監督とは異なり、本作の監督佐藤順一(1960- 脚本と絵コンテも担当)は当地との所縁はなく、ストーリーに合った場所を探して見つけたとのことであるが、実在する街の景色・建物や瀬戸内海の景色の背景を愛情を込めてノスタルジックに描き、当地は本作を愛するファンの聖地になったという。私はまだ行ったことがないが、近い将来訪れてみたいと思っている。そして主人公が常時携帯している父の形見、ドイツ・ローライ社のカメラ。もとは1930年代に二眼レフ・カメラで一世を風靡した会社で、私はアントニオ・カルロス・ジョビンの名曲「Desafinado」1959の歌詞でその名を知った。本作に出てくるモデルはRollei 35Sという1974年発売のコンパクト・カメラで、当時の日本製カメラに比べて格段に高価なものだった。彼女の父親がそういうカメラを使っていたということは、写真への思い入れの強さを象徴している。しかもフィルム式というのがよい。デジタル・カメラが標準になりつつあった2010年代に、フィルム、現像・プリント代のかかる旧式カメラを使うことに作者のこだわりを感じる。 音楽の話に移ろう。 第1期(hitotose)はオープニング・テーマに坂本真綾(1980- 東京都出身 女優、声優、歌手、ラジオパーソナリティー、エッセイスト)が歌う「おかえりなさい」(作詞 坂本真綾 作曲 松任谷由美)が使われ、第2期(もあぐれっしぶ)は大貫さんに作詞を依頼したが、彼女からの希望により大貫さんが作曲もすることになったという。1.「はじまりの海」は彼女の作風としては大変明るい感じの、多感な女の子の青春を描いた前向きな歌詞とメロディーの歌になっている。なお本曲は当初シングルのみでリリースされ、2年後に発売されたアルバム「Follow Me Up」に収録された。 シングルのカップリング2曲目「いつものところで」は、坂本の詩に音楽ユニットRound Tableの北川勝利が曲を付けて編曲も担当。「おかえりなさい Acoustic Ver.」3曲目は第1期のテーマソングを異なるアレンジで再録音したもので、ショーロクラブの笹子重治のガットギターとアニメの音楽を担当した中島ノブユキのピアノによる伴奏で、曲が秘めていた別の魅力を引き出している。なお本曲はアニメ第2期の挿入歌として使用された。「メドレー"Roots of SSW"」は2013年4月25日東京Bunkamura オーチャードホールでのライブ録音で、過去の作品をメドレーにしたもの。 本シングルの1.「はじまりの海」はセカンド・ヴァースとコーラスで演奏時間3分58秒だったが、実際にテレビのオープニングで使われたのは、編集により作られたファースト・ヴァースとコーラスのみの短いバージョン(1分32秒)だった。 それは同年9月に発売されたサウンドトラック・アルバム「TVアニメーション たまゆら〜もあぐれっしぶ〜 ボーカルアルバム うたとせ」に「TV Size」として収められた。なおこのバージョンのミュージック・ビデオがあり、それはカセット・ウォークマン(懐かしい!)をつけて芝生を歩く坂本を横から映した映像になっていて、シングルおよびアルバムの初回限定版に付いていたDVDに入っている。それは現在YouTubeで観ることができる。 サウンドトラック・アルバム「TVアニメーション たまゆら〜もあぐれっしぶ〜 ボーカルアルバム うたとせ」の他の曲について。全11曲中歌入りは6曲。残りは音楽担当の中島ノブユキによるインストメンタルおよび声優・歌手の千菅春香(1992- )のスキャット入りの曲。これらが落ち着いた音楽でなかなか良いのだ。中島ノブユキ(1969- )は、ジェーン・バーキンのピアニスト、音楽監督を務めたのち、パリに拠点を移して作曲家として活躍している。ちなみに大貫さんとは、2010年に映画「人間失格」のサウンドトラックでコラボの実績がある。 歌入りの曲について(「第〇話」は当該曲がフィーチャーされた放送回) 2. はじまりの海 -TVサイズ- 坂本真綾 オープニングテーマ 4. おかえりなさい〜acoustic ver.〜 坂本真綾 第8話 6. 神様のいたずら -うたとぴあの- [作詞作曲 大江千里 編曲 中島ノブユキ] 中島愛 第9話 中島愛(めぐみ 1989- )は茨城県出身の声優・歌手。 7. つつまれて [作詞 micco 作曲編曲 菊池達也] marble 第7話 marbleはmiccoと菊池達也からなる音楽ユニット。 9. ありがとう -TVサイズ- [作詞作曲 尾崎亜美 編曲 佐藤準] 中島愛 エンディングテーマ 1分43秒の短縮版で、4分53秒の完全版は2013年8月7日シングル盤で発売された。 10.最後の夏休み [作詞作曲 荒井由美 編曲 山本隆二] 千菅春香 第12話 1976年荒井由美がハイファイセットに提供した曲で、本人はアルバム「Olive」1979でセルフカバーしている。 なおアニメでフィーチャーされたが、本CDに収められなかった曲は以下のとおり。 ・希望のカタチ [作詞 micco 作曲編曲 菊池達也] marble 第10話。 これはアニメ第1期第10話に使用された曲で、そのため第1期のサウンドトラック盤 「TVアニメーション 「たまゆら〜hitotose〜」 ボーカルアルバム、なので」2011年12月28日発売に収録されている。 ・風色のフィルム [作詞作曲編曲 矢野博康] 中島愛 第11話。上述の中島のシングル「ありがとう」に収録。 「はじまりの海」は大貫さんの提供曲のなかでも1級にランクされる作品。そしてこの曲をきっかけに、素敵な音楽とアニメーションにめぐり逢うことができました。 [2025年9月作成] |
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| きくおミク 3 きくお (2013) | |
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1. メトロポリタン美術館 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 きくお] 5曲目 きくお: Programming 初音ミク: Vocaloid 2013年8月12日発売 1. Metropolitan Bijutsukan (Metropolitan Museum) [Words & Music: Taeko Onuki Arr: Kikuo] 5th Track by Kikuo from the album "Kikuo Miku 3" on August 12, 2013 |
| クリプトン・フューチャー・メディア社が開発し2007年に初版を発売した「初音ミク」は、声優の藤田咲の声をモデルとたバーチャル・シンガー・ソフトウェアで、このソフトを使うことにより誰でも自分で歌曲を作ってインターネットで発信できるようになり、また「初音ミク」というバーチャル・キャラクターが誕生したことで、「ボカロ」という文化ジャンルを生み出し音楽界に革命をもたらした。本作は「初音ミク」を使用したきくおのアルバムだ。私にとって「ボカロ」の声は人工的で無機的だったため、この手の音楽を聴いていなかったが、今回本アルバムを真剣に聴いてみて、使い方によってそれなりの持ち味が発揮され、音楽として十分魅力的であると感じた。何事も偏見をもたずにオープンな心で聴くのが良いのだ。 きくおは1988年生まれ。子供の頃いじめられっ子で、内向的だった彼は一人でゲームや音楽に没頭するうちに、自ら作るようになり創作で生きてゆく決心をする。インターネットに曲を投稿しながら腕を磨き、ゲーム、インターネット、アイドルに係る音楽の裏方として活動しながら、初音ミクを使用した自作のボカロ曲の投稿により評判を得て、2009年から自主制作でアルバムを発表するようになる。本作は24歳の時の作品で、ジャケット・デザインは現在も彼とともに活動するイラストレーターの黄菊しーくで、彼の音楽世界をヴィジュアルで表現している。 1.「メトロポリタン美術館」について、本人によるライナーノーツは以下のとおり。 「みんなのうた」が元ネタの、若干ホラーテイストな曲をカバーしたものだ。元々好きな曲であろ、こちらはとある公募企画に応募した作品だったが、そのままなんとなく発表の機会を見失っていた。そして晴れてここに発表の機会を設けられたという、紆余曲折を経て収録に至った曲だ。 彼が書く歌詞にある恐ろしさを秘めた非日常は、初音ミクの非人間的な声と奇妙にマッチして独特な世界を創り上げているが、大貫さんが書き、きくおがカバーした「メトロポリタン美術館」にはその要素が本質的に存在している。1984年のこの作品は、もしかするときくおの創作の原点のひとつかもしれない。このカバーには原曲に対する敬愛の念が込められていて、ゲーム音楽で培った装飾的な音使いを効果的に使ったアレンジと、その雰囲気にぴったりな初音ミクの声で、おもちゃ箱をひっくり返したような独創的仕上がりになった。 その他の曲について 「愛して 愛して 愛して」(作詞作曲編曲 きくお)2曲目は、元々公開予定でなかった曲に映像クリエイターの赤卵が動画を作成し、きくおがそれを買い取ってネットに公開したという経緯がある曲だそうだ。狂おしい愛への渇望が切ない曲で、8曲目の「君はできない子」とともに、少年時代の屈折した心境の記憶が語られている。この曲は公開から10年を経た現在YouTubeの視聴数が1億1千万回に達し、ボカロの動画として圧倒的な人気を誇っている。 きくおはその後楽曲創作に加えてコンサートでDJとして活躍している。特に海外でも評価・人気が高まって2024〜2025年に、キャラクター・デザイン、ヴィジュアル・特殊効果、コンピューター・グラフィック、歌詞字幕制などのクリエイター達と組んで海外ツアーを実施している。その模様の動画を観ると、「愛して 愛して 愛して」に熱狂する海外オーディエンスの反応と、ステージを含む映像で素顔を隠しているきくおのコメント(その声と語り口が余りにも普通の人っぽくて、イメージとの落差が面白い)が印象的。 「ボカロ」による魅力的な「メトロポリタン美術」の世界。 [2025年12月作成] |
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| Blue Vacation ナミノート (2013) Kikuo Sound Works | |
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3. 横顔 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 小林治郎] 3曲目 Erika: Vocal, Chorus 小林治郎: Acoustic Bass, Acoustic Guitar, Cajon, Bongo, Triangle, Shaker, GlockenSpiel 2013年8月21日発売 3. Yokogao (The Profile) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Jiro Kobayashi] 3rd track |
ブラジル音楽やシティポップスを愛する小林治郎(埼玉県出身)は、1994年頃からプロとしての音楽活動を始め、比屋定篤子の音楽パートナーとして1997〜1999年にリリースされた彼女のアルバムの作曲(全曲)、編曲、演奏(ベース、ギター等)に関わった。代表作は「まわれまわれ」、「メビウス」(「Composer」の記事「なにもいらない」2009参照)。2001年彼女が沖縄に帰ることになったため、彼女とのユニットは解消となり、その後は他アーティストへの楽曲提供やセッション参加などの活動を行っていたが、新人ボーカリストのErikaと出会って、2010年からナミノートとして活動を開始した。 本作は2013年に発表した初アルバムで、全11曲中オリジナルは2曲、8曲がシティポップス、1曲がブラジル音楽のカバーという構成になっている。大貫さんの「横顔」は小林のギター、ベース、パーカッションの多重録音によるバックで、キーボードを使わないストリングス・バンドの透明感あるサウンド。ノンヴィブラートで飾り気のないErikaのボーカルとともに明るい感じの演奏になっている。 その他の曲について (編曲 小林治郎) 1. カナリア諸島にて [作詞 松本隆 作曲 大瀧詠一] 大瀧詠一 1981 アルバム「Long Vacation」収録、シングル「君は総天然色」のカップリング。 2. 常夏のIkema-池間- [作詞 渡邊シュウ 作曲 小林治郎] オリジナル。 「池間」は宮古諸島にある小さな島。沖縄出身の作詞家による日本のトロピカル・アイランドの歌。本作でカバーされた名曲群に劣らぬ眩しい光を放っている。 3. 横顔 4. 素直になりたい [作詞作曲 杉真理] ハイファイセット 1984 シチズンのCMに使われた曲。 5. 夏のクラクション[作詞 売野雅勇 作曲 筒美京平] 稲垣潤一 1983 富士フィルムのCMソング。 6. Don't Know Why [作詞作曲 Jesse Harris] Nora Jones 2002 全米1位。トラディショナルとジャズが融合したサウンドは当時とても新鮮だった。 7. Midnight Love Call [作詞 南佳孝、有川正沙子 作曲 南佳孝] 石川セリ 1977 南佳孝によるけだるい感じのボサノバ曲で名曲。彼は1980年にセルフカバーしている。 8. 曇り空 [作詞作曲 荒井由美] 荒井由美 1973。50年前に「ひこうき雲」を聴いた時の驚きと感動が蘇ってくる。 9. Batucada [作詞作曲 Paolo Sergio Valle, Marcos Valle] Marcos Valle 1968。 バトゥカーダはサンバのスタイルのひとつで、メロディーや歌のない打楽器のみの演奏をさす。ブラジルのシンガー・ソングライター、マルコス・ヴァリの名曲のひとつで、ダンスの喜びをポルトガル語で歌っている。 10. てぃーんずぶるーす [作詞 松本隆 作曲 原田真二] 原田真二 1977 懐かしいね! 11. 夕暮れの横顔 [作詞 Erika Yook 作曲 小林治郎] オリジナル シンプルな編成によるバンド・サウンドは、はっぴいえんどを彷彿させる。 その後Erikaは2児の母となり、二人はナミノートの活動を続けたが、2022年に小林は尾張文重と「えとらんぜ」という新しいユニットを結成し現在に至っている。 ブラジル音楽とシティポップスの美味しい取り合わせ。オリジナル曲が光っている。 [2025年8月作成] |
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| ぼくの友だち 谷川青里 (2013) | |
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1. 美しい人よ [作詞 Eduardo Montesinos 日本語歌詞 大貫妙子 作曲 Jose Padilla Sanchez 編曲 杉丸太一] 6曲目 谷川青里: Vocal 杉丸太一: Piano 2013年9月1日発売 1. Utsukushii Hito Yo (The Beautiful One) [Words: Eduardo Montesinos, Japanese Lyrics: Taeko Onuki, Music: Jose Padilla, Arr: Taichi Sugimaru] 6th track by Aori Tanigawa from the album "Boku No Tomodachi" (My Friend) on September 1, 2013 |
| すみません。このアルバム持っていないので多くは語れませんが、知っている範囲内で書きます。 谷川青里については資料がないので、詳しいことはわからない。YouTubeにフレンチ・パラドックスというギターとウッドベースの3人組やゲスト出演等のライブ映像・音源がいくつかあるのと、唯一の情報源である彼女のブログ「おためしさんぷる 谷川青里の備忘録 映画のこと、音楽のこと etc...」から、それらのライブが名古屋で行われていることが確認できたくらいだ。そして歌う音楽は、主にシャンソン、スタンダード、ジャズそしてブラジル音楽。そんな彼女が2013年9月に6曲入りのミニアルバム「ぼくの友だち」を発売した。それはコンサート会場で販売されたほかに、2014年4月から3ヵ月間ディスクユニオンで店頭・通信販売された。彼女のブログから、アルバムについて以下の通り引用します。 副題にある「my huckleberry friend」はこのCDにも収録されている 「Moon River」の歌詞の中に出てくる言葉です (中略) 今回収録した曲は日常の生活で無意識のうちに何度もひとりごとのように口ずさんできた歌ばかり それぞれがなにげなく心に寄りそってくれる友のひとりなのです (中略) とにかく私が大好きで皆さまにもお届けしたい曲ばかりがはいっています 1.「美しい人よ」はアルバムの最後に入っていた曲で、YouTubeで聴くことができた。この曲はスペインの古い歌に大貫さんが日本語の歌詞をつけたもの。原曲の「La Violetera」(邦題「花売り娘」)は1914年ホセ・パディラの作曲にエデュアルド・モンテシノスが歌詞つけたもの。1920年代のハバネラのリズムによるラケル・メラのバージョンが最初のヒットで、チャップリンが映画「City Lights」1931で取り上げて有名になった。アル・パチーノ主演の映画「Scent Of Woman」 1992 でも使われていたそうだ。多くの人がカバーしたが、1987年のナナ・ムスクーリの録音が絶妙なアレンジと透き通る歌声で曲の美しさを最大限に引き出し決定版となった。 以下、スペイン語の歌詞の日本語訳です(翻訳ソフトを使っているので、一部不正確かもしれません) 春を告げる鳥のように マドリードに花売りたちがやってくる ツバメのように商品を売りながら さえずって さえずって どうぞお持ちください たった1レアルです この小さな花束を私から買ってください この小さな花束を私から買ってください あなたのボタンホールにつけて 彼女の瞳は明るく 顔は微笑んでいる 真のマドリード娘と呼ぶにふさわしい 見つめる私の瞳はとても熱く感じる 焼きつくほどに 焼きつくほどに どうぞお持ちください たった1レアルです この小さな花束を私から買ってください この小さな花束を私から買ってください あなたのボタンホールにつけて 本当に惚れ惚れする歌だ。大貫さんの日本語詞は原曲の春のイメージを残しながら、愛する人への歌へと大胆な改変を加えていて、それも最高に素晴らしい。谷川はこの曲をピアノの伴奏のみで歌っていて、低い声による歌唱からはシャンソンの香りがプンプンする。写真の容姿から、かなりお年を召された方とお見受けするが、豊かな人生経験を積んだ人間の品格が感じられ、聴いていると日常生活で疲れた心をほぐしてくれる。彼女の歌に寄り添うピアノも美しい。 本当に心が和む演奏・歌唱だ。 [2026年2月作成] |
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| 星空の下の音楽会 Nagi (2013) Konami | |
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5. ピーターラビットとわたし [作詞作曲 大貫妙子 編曲 滝口泰成] 5曲目 Nagi: Vocal 滝口泰成: All Instruments 写真上: アルバム(2013年12月4日発売) 写真中: Nagi (2014年2月11日 星空の下の音楽会 VOl.3 於 銀座TACT) 写真下: 「Twinkle Twinkle Little Star」by Super Simple Songs 2010 5. Peter Rabbit To Watashi (Peter Rabbit And Me) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Yasunari Takiguchi] 5th track by Nagi from the album "Hoshizora No Shita No Ongakukai" (The Concert Under The Starry Sky) on December 4, 2013 |
| 2005年、東京郊外にあった小さな英会話スクールで、ある講師が既存の子ども向けの歌が教材として難しすぎると考え、よりシンプルで楽しめる音楽を作り始めた。オリジナルや既存曲のアレンジは大好評で、CD化され海外にも広まった。そして2006年先生向けに作った教材の使い方ビデオをYouTube(2005年創業で当時は認知度が低かった)に投稿したところ子供達にも受けたため、本格的に映像制作を作るようになった。現在は「Super Simple Songs」としてカナダのトロントに本拠地を構え、質の高い子ども向け映像・音源・書籍などを提供している。その会社が制作した「Twinkle Twinkle Little Star」は、星とフクロウのアニメーションに女の子が英語で歌う「キラキラ星」が流れるYouTube動画で、2010年リリースの後、15年で23億回という驚異的な視聴数に達している。 本アルバムは、2010年冬にプラネタリウムで行われた「星空の下の音楽会」というイベント(その時のボーカルは須藤まゆみ) に参加したミュージシャン、スタッフ達が、上述の曲を歌ったNagiという日本人の小学生(おそらく帰国子女)を招いて制作したもので、彼女が「とんがりボウシと魔法の365にち」というニンテンドーDSゲームのCMソングを歌っていた関係で、ゲーム制作会社のコナミから発売された。2枚組からなり、「そらぐみ」が日本語8曲と英語2曲を打ち込み主体で5人のクリエイターが編曲とサウンドメイキングを担当、「ほしぐみ」はローズ高野と町田文人のアコースティックな生演奏による英語カバー5曲という構成になっている。Nagiの英語はネイティブ・クラスだ。 5.「ピーターラビットとわたし」はボサノヴァ調のアレンジ。Nagiのボーカルは子供声なんだけど、小さい子にありがちな音程や歌い回しの不安定さがなく、安心して聴いていられる。その声には大人が子供を真似て歌うのとは全く異なるリアルさがあるね。編曲・演奏担当の滝口泰成は、コンセールパインという放送・配信番組で使用される著作権フリーの音楽を作る会社で作品を提供していた人。 その他の曲について Disc 1 そらぐみ 1. Holy And Bright [作詞 山上路夫 奈良橋陽子 作曲 タケカワユキヒデ 編曲 松井亮] ゴダイゴ 1979。 テレビ番組「西遊記II」、「なりゆき街道旅」のテーマソング。 2. Shooting Star -願い星- [作詞 かの香織 作曲編曲 松井亮] オリジナル 3. イージュー★ライダー [作詞作曲 奥田民生 編曲 クノシンジ] 奥田民生 1996。「イージュー =E10」は30歳を意味していて、中年ライダーを歌った曲。小学生のNagiが歌うことで不思議な感じが出ている。 4. あたらしいワルツ [作詞作曲編曲 クノシンジ] オリジナル 5. ピーターラビットとわたし 6. うたの地図 [作詞作曲編曲 滝口泰成] オリジナル 7. だいすき [作詞作曲 岡村靖幸 編曲 塚崎陽平] 岡村靖幸 1988。本田「New Today」CM曲に使用。 Nagiのボーカルに会っていて、とてもいい感じ。 8. ナイショ [作詞作曲編曲 塚崎陽平] オリジナル 9. 最後の春休み [作詞作曲 荒井由美 編曲 ローズ高野] ハイファイセット 1976。荒井由美は1979にアルバム「Olive」でセルフカバー。 ローズ高野(本名 高野康弘)は及川光博のバックをやっていたときついた芸名で、「ローズ」は花ではなく、フェンダー・ローズ・ピアノのこと。 10. black star [作詞 iori 作曲編曲 ローズ高野] オリジナル Disc 2 ほしぐみ 11. 見上げてごらん夜の星を [作詞 永六輔 Yutaka Tashiro 作曲 いずみたく 編曲 町田文人] 伊藤素道とリリオ・リズム・エアーズ、坂本九 1963。ここで歌われている英語詞は、アメリカで発売された「Come raise your eyes to the sky」で始まる歌詞とは異なる。ギターを弾く町田文人は坂井泉水のバンドZARDにいた人。 12. 夢で逢えたら [作詞 大瀧詠一 高野昌美 作曲 大瀧詠一 編曲 ローズ高野] 吉田美奈子 1976。英語で歌っているが、これもアン・ルイスが歌った英語詞とは異なっている。 13. Twinkle Twinkle Little Star [フランス民謡 編曲 ローズ高野] 新録音で、ローズ高野のピアノ伴奏のみで英語で歌っている。 14. Winter Song [作詞 吉田美和 Mike Pela 作曲 吉田美和 中村正人] Dream Come True 1994。ドリカムの「雪のクリスマス」の英語バージョン。 15. When You Wish Upon A Star [作詞 Ned Washington 作曲 Leigh Herlin 編曲 ローズ高野] ディズニー映画「Peter Pan」1953。ここではアコーディオン一本(奏者は佐藤芳明)によるワルツのアレンジ。 なおインターネットには、翌年の2月に行われたコンサートの記事・写真と動画、そして「見上げてごらん夜の星を」のミュージック・ビデオが残っている。 当時小学生だったNagiは現在20代の女性になっているが、彼女についてわかったのはファースト・ネームが「Takano」ということだけで、その後の彼女についての資料・情報は見つからなかった。なお「高野渚」という名前の女性は何人かいるけど、子供時代の経歴で繋がる人はいなかった。いま何処で何をしているんだろう? 歌の上手い小学生が歌う「ピーターラビットとわたし」。 [2025年9月作成] |
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| 大貫妙子トリビュート・アルバム Various Artists (2013) commmons/Avex | |
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全曲 作詞作曲 大貫妙子 1. 都会 [編曲 岡村靖幸 坂本龍一] 岡本靖幸 + 坂本龍一 「Sunshower」1977 岡村靖幸: Vocal, Whatever, Producer 坂本龍一: Keyboards 白石元久: System Manipulation And Others 2. Labyrinth [編曲 The Beatniks] The Beatniks 「Cliche」 1982 高橋幸宏: Vocal, Drums, Acoustic Guitar, Electric Guitar, Keyboards, Rhythm Sequencer 鈴木慶一: Vocal, Electric Guitar, Acoustic Guitar, Keyboards ゴンドウトモヒコ: Pianica, Computer Programming, Editing The Beatniks: Producer 3. ピーターラビットとわたし [編曲 やくしまるえつこ] やくしまるえつこ 「Cliche」 1982 やくしまるえつこ: Vocal, Chorus, Producer 永井聖一: Guitar 吉田匡: Bass 山口元輝: Drums Jamanica: Programming 4. 黒のクレール [編曲 Kirinji] Kirinji 「Cliche」 1982 堀米高樹: Lead Vocal, Gut Guitar, Producer 田村玄一: Vocal, Steel Pan, Pedal Steel コトリンゴ: Vocal, Piano 弓木英梨乃: Vocal, Electric Guitar 千ヶ崎学: Vocal, Contrabass 楠均: Vocal, Drums, Toys 5. Happy-go-Lucky [編曲 ハナレグミ] ハナレグミ 「Lucy」 1997 永積崇: Vocal, Guitar, Background Vocal, Voice Rythm, Producer 土生 "Tico" 剛: Steel Pan, Producer 市原 "icchie" 大資: Trombone, Trumpet, Producer YOSSY: Keyboards, Glockenspiel, Background Vocal, Producer 6. What To Do 'Cause Love You [編曲 小林武史] Salyu x 小林武史 「Drawing」1992 Salyu: Vocal 小林武史: Keyboards, Producer 名越由貴夫: Guitar キタダマキ: Bass 椎野恭一: Drums 安達練: Computer Programming 7. 夏色の服 [編曲 鶴木正基 ストリングス・アレンジ 土屋玲子] 宮澤和史 「Cliche」 1982 宮澤和史: Vocal, Producer 鶴木正基: Piano 土屋玲子: 二胡 土屋玲子Strings: Strings 8. Rain [編曲 寺尾紗穂 あだち麗三郎 関口将史] 寺尾紗穂 「Lucy」 1997 寺尾紗穂: Vocal, Acoustic Piano, Producer 関口将史: Cello あだち麗三郎: A. Sax 9. 突然の贈りもの [編曲 奥田民生] 奥田民生 「Mignonne」 1978 奥田民生: Vocal, All Instruments 10. 色彩都市 [編曲 キャラメル・ママ] 松任谷由美 with キャラメル・ママ 「Cliche」 1982 松任谷由美: Vocal 松任谷正隆: Keyboards 鈴木茂: Acoutic & Electric Guitar 細野晴臣: Bass 林立夫: Drums 大貫妙子トリビュートアルバム制作委員会: Producer 2013年12月18日発売 All Songs Words & Music: Taeko Onuki 1. Tokai (City) [Arr: Yasuyuki Okamura, Ryuichi Sakamoto] by Yasuyuki Okamura + Ryuichi Sakamoto (「Sunshower」 1977) 2. Labyrinth [Arr: The Beatniks] by The Beatniks (Yukihiro Takahashi & Keiichi Suzuki) (「Cliche」 1982) 3.Peter Rabbit To Watashi (Peter Rabbit And Me) [Arr: Etsuko Yakushimaru] by Etsuko Yakushimaru (「Cliche」 1982) 4. Kuro No Claire (Black Claire) [Arr: Kirinji] by Kirinji (「Cliche」 1982) 5. Happy-Go-Lucky [Arr: Hanaregumi] by Hanaregumi (「Lucy」 1997) 6. What To Do 'Cause Love You [Arr: Takeshi Kobayashi] by Salyu x Takeshi Kobayashi (「Drawing」 1992) 7. Natsuiro No Fuku (The Dress Of Summer Color) [Arr: Masaki Tsuruki, Strings Arr: Reiko Doi] by Kazushi Miyazawa (「Cliche」 1982) 8. Rain [Arr: Saho Terao, Reizaburo Adachi, Masashi Sekiguchi] by Saho Terao (「Lucy」 1997) 9. Totsuzen No Okurimono (The Sudden Gift) [Arr: Tamio Okuda] by Tamio Okuda ( 「Mignonne」 1978) 10. Shikisai Toshi (The Colored City) [Arr: Caramel Mama] by Yumi Matsutoya with Caramel Mama (「Cliche」 1982) |
| 本作を制作・発売したcommmons レーベルのホームページから。 commmonsは2006年に「音楽の共有地」を標榜し坂本龍一がエイベックスの力を借りて、主に日本向けに立ち上げたレーベルです。自身が自由に音楽作品を制作する足場として、また音楽を作る個人が作品を発表したり販売するためのツールとなったり、リソースを提供することを目的としていました。 ロゴは「共有地 = common」のなかに「m = music」があるというコンセプトでデザインされたもので、挿入された「m」のみ異なる字体になっている。坂本は2023年に亡くなったが、「彼が残した作品を守り、残し、伝えてゆくこと」を目的として活動を継続するとのことだ。本作のプロデュースは「大貫妙子トリビュートアルバム制作委員会」となっているが、演奏・編曲面では1曲しか参加していない坂本の意向が制作に反映されていることは間違いないだろう。2枚組で、1枚目はアーティスト達により新たに録音された大貫さんの作品カバー集、2枚目は既発表カバー作品のコンピレーションとなっている。 [1枚目について] 大貫さんのトリビュート盤は2008年の「音のブーケ」があるが、これはインディ系のアーティスト達が限られた予算の中で作ったものだった。それに対し本アルバムはメジャーのアーティストによるカバー集となっており、それなりにお金をかけて作っているようだ。そのためピュアな印象だった前作に比べて、本作はきっちり作り込んだ感じがする。どっちが良いとか悪いとかいう問題でなくてね。 1.「都会」はオリジナルよりもファンキーでソリッドなアレンジによるヒップポップ・サウンド。間奏の派手なシンセソロは元と同じ感じで思わずニンマリ。余程気に入っているんだろうな〜。岡村は2020年のアルバム「操」のデラックス・エディションについていたボーナス・ディスクに、同曲のライブを入れている。2. 「Labyrinth」はビートニックスの二人によるこだわりのボーカルとサウンド。 坂本の原曲アレンジに対して俺たちだったらコウスルゾ!という意気込みが感じられる。3.「ピーターラビットとわたし」はリズムの乗りと歌のバックで入るシンセが違うけど、基本的なアレンジはあまり変わっていない。やくしまるの特異なボーカルで勝負しているようだ。4.「黒のクレール」は原曲のオーケストラ・サウンドに対し、コーラス隊とピアノとスティール・ドラム等による独自アレンジで、キリンジのアレンジ・センスが光った逸品。 5.「Happy-go-Lucky」のハナレグミのアレンジはボーカルの乗りとドゥワップ調のバックコーラスがエキセントリックで、とても面白い出来。間奏のブラスセクションも遊び心満載。6.「What To Do 'Cause Love You」はオリジナルと同じ小林武史のアレンジ。ボーカルのSalyuは小林に見いだされ、彼のもとで長く仕事をしていた人。 これは大貫さんと彼女の声質の違いを味わう曲だな。7.「夏色の服」は宮澤和史という男性が歌っていることと、その背後で聞こえる二胡の艶っぽい音がミソ。8.「Rain」を歌っている寺尾紗穂は本アルバムで唯一、トリビュートの前作「音のブーケ」でも歌っていた人(曲は「MOMO」)。 大貫さんに近い歌唱だけど微妙な違いを楽しめる。本人が弾くピアノがとてもいい。 9.「突然の贈りもの」は奥田カラー全開のロックなサウンドと歌唱。10. 「色彩都市」 は松任谷由美とキャラメルママによる本アルバムのトリに相応しい貫禄たっぷりのパフォーマンスだ。松任谷、細野、鈴木、林の4人からなるキャラメル・ママは1970年代前半に荒井由美、吉田美奈子、南正人等、アグネス・チャン、雪村いずみ等のアルバムでバックを務めた後、1974年ティンパンアレーに改名し、1975年にセルフタイトルのアルバムを出している。ということで、このバンド名は本セッションのために特別に復活したものだ。松任谷がここで歌うのは、2002年の彼女のトリビュートアルバム「Queen's Fellows」で大貫さんが「私のフランソワーズ」を歌ったお返しなのかな?いかにも松任谷が好きそうな曲を気持ち良さそうに歌っており、キャラメルママのアレンジ・演奏も意外なほど素直で、元曲および大貫さんと坂本龍一に対する敬意がはっきり読み取れる。 [2枚目について] 曲名 アーティスト、「初出アルバム」とその発表年 1. 突然の贈りもの: 竹内まりや 「Beginnings」 1978 Totsuzen No Okurimono (The Sudden Gift) : Mariya Takeuchi "Beginnings" 1978 2. 風の道: ラジ 「Quatre」 1979 Kaze No Michi (The Path Of The Wind): Rajie "Quatre" 1979 3.海と少年: 矢野顕子 「峠の我が家」 1986 Umi To Shonen (The Sea And The Boy): Akiko Yano "Toge No Wagaya" 1986 4.横顔: EPO 「Poptracks」 1987 Yokogao (Face In Profile) : EPO "Poptracks" 1987 5. 色彩都市: 薬師丸ひろ子 「Sincerely Yours」 1989 Shikisai Toshi (The Colored City): Hiroko Yakushimaru "Sincerely Yours" 1989 6. 夏に恋する女たち: 中谷美紀 「私生活」 1999 Natsu Ni Koisuru Onna Tachi (Women In Love In Summer): Miki Nakatani "Shiseikatsu" 1999 7. 蜃気楼の街: 山弦 「Hawaiian Munch」 2002 Shinkiro No Machi (The Mirage City): Yamagen "Hawaiian Munch" 2002 8. 色彩都市: 原田知世 「Music & Me」 2007 Shikisai Toshi (The Colored City): Tomoyo Harada "Music & Me" 2007 9. 都会: 土岐麻子 「Summerin'」 2008 Tokai (City): Asako Toki "Summerin'" 2008 10. 突然の贈りもの: 大橋トリオ 「Fake Book」 2010 Totsuzen No Okurimono (The Sudden Gift) : Ohashi Trio "Fake Book" 2010 11. 3びきのくま: 青葉市子 「うたびこ」 2012 Sanbiki No Kuma (The Three Bears): Ichiko Aoba "Utabiko" 2012 通常のこの手の選集と大きく異なる点は、@「都会」 A「突然の贈りもの」や B「色彩都市」のように同じ曲が重複していること(ABは選集内でさらにだぶっている)。一方アーティストとしての重複はない。これは単に音楽を聴くためのベスト盤ではなく、カバーするアーティストによるサウンド・歌唱の違いを聴いてもらって、曲が持ついろんな面を味わってもらおうという意図からだろう。 [2026年2月作成] |
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| 2014年 東京オアシス(オリジナル・サウンドトラック (2011/10/12発売)、Tint (2015/6/10) の頃 | |
| Joia 隼人加織 (2014) Chant d'oiseaux | |
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3. メトロポリタン美術館 [作詞作曲 大貫妙子] 9曲目 隼人加織: Vocal 2014年4月4日発売 1. Metropolitan Bijutsukan (Metropolitan Museum) [Words & Music: Taeko Onuki] 9th track by Kaori Hayato from the album "Joia" on April 4, 2014 |
| すみません。このアルバム持っていないので多くは語れませんが、知っている範囲内で書きます。 隼人加織(1984- 富山県出身)は、日本人の父と白人系ブラジル人の母から生まれたブラジル音楽の歌手。「ORHA」名義によるインディー・デビューは2001年、本名「隼人加織」によるメジャー・デビュー(ビクターエンタテインメントより)は2008年だった。小野リサの仕事でブラジル音楽界との人脈を築いた宮田茂樹がプロデュースした「Lindas」を2009年に出した後、ビクターから離れ、2014年に本アルバム「Joia」(ポルトガル語で「宝石」の意味)を発表した。当時彼女は29歳。なお2013年以降は先祖が住んでいたという鹿児島県霧島市に移住して、現地で音楽活動を行う他に様々な文化活動に従事しているそうだ。 2014年4月22日に彼女の生まれ故郷である富山県のFM放送番組「地球音楽ワンダーランド」にゲスト出演した時の音源から、本アルバムについての話を聞くことができた。それによると、本場リオデジャネイロで3〜4年前(前アルバムの少し後)に録音したがお蔵入りになってしまった。おそらくレコード会社との契約絡みと思われるが、その問題を整理して発売できたとのこと。マルコス・ヴァーリ(隼人の作詞、彼の作曲による「もしもし」)、セルソ・フォンセカ(ビートルズのカバー「Here, There And Everywhere」のデュエット)、マリオ・アヂネ等のブラジル音楽界の有力ミュージシャンが参加し(彼らはアレンジも担当しているようだ)、他にアントニオ・カルロス・ジョビンの「Two Kites」、カエタノ・ヴェローゾの「Linda〜美しい人」の日本語カバーや、安藤裕子「さみしがりやの言葉達」2005や浜田省吾の「夢にいざなえ」1997のJ-Popのカバー等を演っていて、ブラジルと日本の音楽の融合に挑戦している。 3.「メトロポリタン美術館」については、過去に大貫さんのアルバムのプロデュースを手掛けた宮田茂樹にこの曲をやりたいと希望したとのこと。以下本人の言葉の引用。 私達の世代では思い出の曲ですごい名曲なんだけど、「みんなのうた」の映像が怖過ぎて、ちょっとみんなの中でトラウマになっている曲だから、それを払拭するようなアレンジでもう一回歌わせていただきたいけど、大貫さんは「OK」と言っていってくれますかね? 確かにNHKが製作した映像は少しホラーチックで、「夜の美術館で絵の中に閉じ込められる」という部分など、ファンタジーのなか潜む怖さが強調された感じだった。ここではブラジル風リズムの伴奏をバックにからっと明るく歌っている。 ブラジル音楽風アレンジによる「メトロポリタン美術館」のカバー。 [2026年3月作成] |
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| Ren'dez-vous 手嶌葵 (2014) ビクターエンターテイメント | |
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3. ちょっとしたもの [作詞 手嶌葵 作曲 大貫妙子 編曲 TATOO] 3曲目 手嶌葵: Vocal Tatoo: Programming 田上陽一: Guitar 長谷川久美子: Piano 手嶌葵、北村岳士: Producer 2014年7月23日発売 写真下:「ちょっとしたもの」プロモビデオ 1. Chotto Shita Mono (The Something Little) [Words: Aoi Teshima, Music: Taeko Onuki, Arr: Tattoo] by Aoi Teshima from the album "Ren'dez-vous" on July 23, 2014 |
| 囁き系の歌手、手嶌葵(1987- 福岡県出身)が27歳の時に出した10枚目のアルバム。彼女は 幼い頃から両親のもとでミュージカルなどの洋楽や映画を観聴きして育った。アマチュアとして活動するうちにスタジオジブリの鈴木プロヂューサーの耳に留まり、映画「ゲド戦記」のテーマソング「テルーの唄」でメジャーデビューする。その後映画音楽、ミュージカルや昔の日本の歌のカバーを出していたが、本作で本格的なオリジナル・アルバムに挑戦した。12曲中2曲が本人の作詞で、他はいしわたり淳治、北村岳士、Komei
Kobayashi (作詞)、大貫さん、田上陽一、兼松衆 (作曲)、杉真理、池田綾子(作詞作曲)が参加している。現在(38歳)の内面的な深みがある歌唱と比べて若々しい感じ。FunplusMusicという音楽サイトの2014年7月21日に本作についてのインタビュー記事があり、それによると好きな映画をイメージして、フランスやイタリアなどを想定して自分で考えたストーリーを作家達に伝えて曲を書いてもらい、映像が浮かぶような短編集にしたとのこと。 3.「ちょっとしたもの」は歌手指向の強い手嶌が初めて作詞した作品で、大貫さんから「葵ちゃん、書きなさい」と言われてメロディーのデモをもらい、いろいろ悩んで書いたとのこと。大貫さんは出来上がった歌詞を見て1箇所だけ修正のアドバイスをしたそうだ。「ほんのちょっとしたもので気分が変わって、がんばろうと思える。ほんのちょっとしたことで気分が沈んでしまって、はぁ....って思ったりする。そのちょっとしたものが大事なんじゃないかなと思って。自分には苦いコーヒーとアイスクリームがあったら、ちょっと幸せになるなっていう気分を詞にしてみました」と語っているように、大貫さんの素晴らしいメロディーに彼女の価値観・人間性が反映した歌詞がかっちり組み合った名曲となった。編曲者Tatto の本名は多東康孝。なお本曲のプロモビデオがあり、植物園の緑のトンネルを気持ち良さそうに歌いながら歩く手嶌の姿を楽しめる。 他の曲について 1. いつもはじめて〜Every Time Is The First Time !〜[作詞 北村岳士 作曲編曲 田上陽一] 冒頭を飾るレヴュー 2. ショコラ [作詞 いしわたり淳治 作曲編曲 兼松衆] アコーディオンがフランスのミュゼットを思わせる 3. ちょっとしたもの 4. Voyage a Paris [作詞 いしわたり淳治 作曲編曲 兼松衆] フランスの香り漂うスウィング 5. 1000の国を旅した少年 [作詞 いしわたり淳治 作曲編曲 内山肇] ジブリのアニメを思わせるファンタスティックな世界 6. NOMAD [作詞 いしわたり淳治 作曲 北村岳士、内山肇 編曲 内山肇] ジプシー音楽風の放浪の曲 7. 丘の家のブルース [作詞 北村岳士 作曲 北村岳士、田上陽一 編曲 田上陽一] 欧州風ジャズ 8. Baritone [作詞 手嶌葵 作曲編曲 田上陽一] バリトンサックスの低音をフィーチャーしたラウンジ音楽 9. 明日への手紙 [作詞作曲 池田綾子 編曲 Tatoo] 前向きに生きることを語るバラード 10. Home My Home [作詞作曲編曲 杉真理] 昔のスタンダード曲を思わせるワルツ。歌詞・メロディーともに素晴らしい 11. あなたのぬくもりをおぼえてる [作詞 Komei Kobayashi 作曲編曲 兼松衆] ピアノとストリングスによる静謐な愛の歌 アルバム制作に携わった人々が、歌うことにこだわりを持つ彼女をいかに大切に扱っていたかがよくわかる作品。「ちょっとしたもの」は、大貫さんが他アーティストに提供した作品を聴くことの価値を如実に示している。 [2025年11月作成] |
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| The IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cool Jewelries 002 (2014)日本コロムビア | |
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3. メトロポリタン美術館 [作詞作曲 大貫妙子] 3曲目 白坂小梅(声 桜崎千依): Vocal 滝澤俊輔(Trytonelabo): All Programming 越川歩: Violin 写真: 向かって左端の女の子が白坂小梅 (2014年12月17日発売) 1. Metropolitan Bijutsukan (Metropolitan Museum) [Words & Music: Taeko Onuki] 3rd track by Koume Shirasaka (Voice: Chiyo Ousaki) from the album "The IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cool Jewelries 002 on December 17, 2014 |
「アイドルマスター・シンデレラガールズ」は、「アイドルマスター」の世界観をもとに開発された携帯端末専用のソーシャル・ゲーム。アイドルのカードを集めて育成する内容(私はやった事がないので、イメージが湧かない)で、サービス期間は2011年〜2023年。派生商品としてテレビアニメ、Webアニメ、ラジオ、音楽ゲーム、CDなどが発売された。本作は「jewelries」というCDシリーズ第2弾3部作の2作目で、アイドルのなかから選ばれた5人が全員で歌うオリジナル2曲、リクエストにより選ばれた曲を各人がソロで歌う5曲の計7曲とボーナストラックのミニドラマからなっている。 3.「メトロポリタン美術館」はホラー好きで霊感が強いというキャラの白坂小梅が歌う。彼女の声は声優、女優、歌手の桜崎千依(おうさきちよ)が担当。打ち込み+バイオリンのバックと幼めの声優ヴォイス(あの当時はまだなかったけど、今聴くとAIの声のようにも聞こえる)によるカバーを楽しめる。編曲者の滝澤俊輔が属している「Trytonelabo」は、ゲームやテレビアニメの音楽制作を行うクリエイター集団。 他の曲について 1. オルゴールの小箱 [作詞 森由里子 作曲編曲 高橋浩平] 歌 全員。 オリジナル曲 2. 大都会交響楽 [作詞作曲 小西康陽 編曲 滝澤俊輔] 歌 川島瑞樹(声 東山奈央)。 ピチカート・ファイブ 1997 3. メトロポリタン美術館 4. 君の知らない物 [作詞作曲 ryo 編曲 中衛門"Berkenstein"憂] 歌 神谷奈緒 (声 松井恵理子)。supercell 2009 5. 蛍火 [作詞作曲 椎名豪 編曲 中衛門"Berkenstein"憂] 歌 北条加蓮 (声 渕上舞)。 須藤まゆみ 2005 6. 見上げてごらん夜の星を [作詞 永六輔 作曲 いずみたく 編曲 滝澤俊輔] 歌 アナスタシア (声 上坂すみれ)。伊藤素道とリリオ・リズム・エアーズ、坂本九 1963 7. ゴキゲンParty Night [作詞 森由里子 作曲 小野貴光 編曲 玉木千尋] 歌 全員。オリジナル曲 どれも打ち込みによる演奏で、アニメヴォイスの歌手と合わせて人工的な匂いがプンプンするけど、おもちゃのようなキラキラ・ワクワク感、可愛さがあるね。 [2025年9月作成] |
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| Mellow 普天間かおり (2014) Takumi Note (テイチク エンターテイメント) | |
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10. 黒のクレール [作詞作曲 大貫妙子 編曲 紺野紗衣] 10曲目 普天間かおり: Vocal 紺野紗衣: Piano 喜多山信: Acoustic Guitar 鈴木ハルトシ: Electric Guitar, Cello 2014年12月24日発売 10. Kuro No Claire (The Black Claire) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Sae Konno] by Kaori Futenma from the album "Mellow" on December 24, 2014 |
| 普天間かおり(1973- 本名:本間かおり)は沖縄県出身。幼い頃より歌い始め、2002年にメジャー・デビューした。シングル、アルバムを出しながらコンサート、ラジオ出演などで活動を続けている。本作は彼女41歳の9枚目のアルバム。 曲目 [作詞 作曲 編曲]オリジナル・アーティスト 発売年、特記 1. 接吻 [作詞作曲 田島貴男 編曲 坂部剛] Original Love 1993 2. 好きになってよかった [作詞作曲 高橋研 編曲 新倉一梓] 加藤いづみ 1993 3. P.S. I Love You [作詞 柚木美祐 作曲 渡辺博也 編曲 樹原孝之介] 高橋洋子 1991 4. 糸 [作詞作曲 中島みゆき 編曲 伊藤ハルトシ] 中島みゆき 1998 5. みんないるよ [作詞 326 作曲 mawari 編曲 坂部剛] 竹仲絵里 1999、西脇辰也のクロマチック・ハーモニカ・ソロが素晴らしい。 6. 言葉にできない [作詞作曲 井田和正 編曲 坂部剛] オフコース 1982、ボーカルと本人のコーラスによるアカペラ。 7. 白いページの中に [作詞作曲 柴田まゆみ 編曲 新倉一梓] 柴田まゆみ 1978 8. 誰より好きなのに [作詞作曲 古内東子 編曲 樹原孝之介] 古内東子 1996 9. 追憶 [作詞 荒木とよひさ 作曲 根本要 編曲 Koizumi Nobuhiko] スターダスト・レビュー 1992 10. 黒のクレール 11. 歌うたいのバラッド [作詞作曲 斉藤和義 編曲 今野紗衣] 斉藤和義 1997 12. 明るい表通りで [作詞 Dorothy Fields 日本語詞 藤井康一 作曲 Jimmy McHugh 編曲 新倉一梓] バンバンバザール 2005、「On The Sunny Side Of The Street」 (1930 ブロードウェイ・ミュージカル「Lew Lesli's International Review」より)の日本語歌詞版。 13. シンシアリー [作詞作曲 普天間かおり 編曲 樹原孝之介] 普天間かおり 1998 Bonus Track、2010年発売の「シングルベストコレクション」に未発表曲として同曲のライブ・バージョンが収められているが、本曲はスタジオ録音版。 14. 月夜歌 [作詞 普天間かおり 作曲 武知眞一 編曲 堤秀樹] 普天間かおり 1998 Bonus Track、福岡県福智町イメージソング。日本航空北九州・山口支店長だった武智眞一氏が地域振興の打ち合わせで福智町を訪れた際に、福智山の上に輝く満月を見た感動をもとに作曲し、音楽イベントで同町に来た普天間が依頼を受けて歌詞をつけたもの。 タイトルの通りバラード曲のカヴァーが主で、その他はグルーヴ感のある1.「接吻」、スタンダード・ジャズの12.「明るい表通りで」が、オープニングとフィナーレの変化付け的存在、そしてボーナストラックのオリジナル2曲がアンコールといった構成になっている。持前の歌唱力・表現力でオリジナルを凌駕したり、あるいはユニークなアレンジにより曲に新しい風を吹き込んでいる。 10.「黒のクレール」はオリジナルが良過ぎるためか、あまりいじらず、ピアノとチェロを中心としたアコースティックな伴奏をバックに、敬意を込めて素直な感じで歌っている。 [2025年11月作成] |
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| 2015年 Tint (2015/6/10) の頃 | |
| mellowmoood Asuka Ando (2015) VYBE Music | |
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1. くすりをたくさん [作詞作曲 大貫妙子] 8曲目 Asuka Ando: Vocal 北村哲: Keyboards 松本'ARI'龍一: Guitar MAH (青柳真順): Bass Yaggy: Drums 西森徹: Flute 写真上: アルバム (2015年4月8日発売) 写真下: 7インチ・シングル (2015年9月17日発売 B面に「くすりをたくさん」収録) 1. Kusuri Wo Takusan (Lots Of Medicine) [Words & Music: Taeko Onuki] 8th track by Asuka Ando from the album "mellowmoood" on April 8, 2015 |
「Mellowmoood」はラヴァーズロックの歌姫Asuka Andoのファーストアルバム。ミュージカルや演劇が好きだった女の子がクラブで遊んでいるうちに、その自由な世界にはまって、そこで歌うようになったという。ラヴァーズロックは、イギリスに移住したジャマイカ人によるレゲエと現地の音楽を融合させた音楽スタイルで、レゲエの過激な要素が薄まったメロウなサウンドが特徴。それは日本のクラブシーンにも伝わって日本語歌詞による独自の発展を見せている。彼女は2011年に自主製作盤を出し、数多くのセッションを重ねて人脈と評判を積み上げ、2015年に本アルバムを発表した。クラブで活躍するいろんなレゲエバンドのメンバーが録音に参加して、タイトルの通りメロウなサウンドに仕上がっている。編曲者のクレジットがないのは、バックのメンバーによるヘッド・アレンジだからだろう。 1.「くすりをたくさん」のレゲエ・アレンジはアイデアの勝負。ホーンプレイヤーとしてクラブシーンの数多くのセッションに参加した西森徹のフルートと、ファースト・ヴァースが終わった後の多重録音によるコーラスはオリジナルを踏襲しながらも、独自のサウンドを創り上げている。Asukaのボーカルは、曲調に合わせていつもより固めの声質になっていて、メロウなアルバム中のスパイス的存在となっている。なお本曲はアルバムに先駆けて発売された7インチ・シングル盤「月下美人」のB面にも収録された。 他の曲について 本曲以外のカバー曲は、本場ラヴァーズロックの名作、フィル・カレンダーの「Baby My Love」(作詞作曲 Fulberto Osario Callender, Melbourne Anthony James) 1978 5曲目(この曲のみ英語)、アニメ「ドラゴンボール」の主題歌「ロマンティックあげるよ」(作詞 吉田健美 作曲 いけたかし)歌 橋本潮 1986 11曲目。特に後者はクリエイティブなアレンジと歌唱・演奏により原曲を超えた仕上がりになっている。 Asuka本人の作詞作曲によるオリジナル作品も全部いいね。シングルカットされた「ゆめで逢いましょう〜see you in my dreams〜」2曲目、「月下美人」3曲目、そして「Tropical Distance」4曲目、「煙の中のマーメイド」6曲目、「とにかく」9曲目、「いいのに」10曲目、「宝物」12曲目。歌い手とバックの連帯感が強く感じられる演奏もグッド。是非自分で聴いてみて! 「くすりをたくさん」のレゲエリズムによるラヴァーズロック・アレンジ。 [2025年11月作成] |
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| Bittersweet 土岐麻子 (2015) rhythm zone | |
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7. 都会 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 渡辺シュンスケ] 7曲目(映像) 土岐麻子: Vocal 渡辺シュンスケ: Piano 写真上: 初回限定盤 (CD+DVD 2015年7月29日発売 本曲あり) 写真下: 通常盤 (CDのみ 本曲なし) 収録:2014年2月14日 「土岐麻子 Meets Schroeder-Headz」ワンマンライブ at 東京キネマ倶楽部 7. Tokai (City) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Shunsuke Watanabe] 7th track by Asako Toki from the album "Bittersweet'" on July 29, 2015 |
| 土岐麻子(1976- )が39歳の時に発表したアルバムで、テーマは「都会で暮らす不惑の女性のサウンドトラック〜女は愛に忙しい〜」。全曲本人の作詞(共作を含む)からなり、聴き終わると40歳を迎える女性を主人公とする12の短編小説を読んだような感覚になる。本人のインスタグラムによると、「どんなふうに生きていきたいのか」と改めて考えるところから創り上げ、その時の心の整理が後の結婚につながったという。アルバム表紙写真も本人の自撮りによるもので、その時の等身大の自分を表しているようだ。音楽面ではSchroeader
Headz (渡辺シュンスケ)がプロデュース、2曲を除くアレンジ、6曲の作曲を担当していて、その子気味良いクラブ・ジャズのサウンドが彼女のボーカルをしっかり支えている。 その初回限定盤には、土岐とSchroeader Headzによる2014年のライブ映像のDVDがついていて、そこには彼女が2008年のアルバム「Summerin'」でカバーした大貫さんの「都会」が入っている。会場の東京キネマ倶楽部は台東区にあるイベント・ホール、ライブハウスで、昭和初期のグランドキャバレーの施設を改装したクラシカルな建物。2月14日は、全国ツアーの最終公演となる2日間のコンサートの初日にあたったが、当日は記録的な大雪の日(「平成26年の大雪」としてWikiに載っているほどで、千代田区の積雪は27cm、関東内陸部では1mを超えたそうだ)で、交通機関が混乱しいろいろ大変だったようだ(その模様はライブで土岐が語っている)。本DVDには当日演奏された20曲からSchroeader Headzによるインストルメンタルとジャズの名曲カバー等を除いた12曲が収録された。 「都会」はステージに向かって左の階段数段を上った所にあるサブステージに移動しての演奏。Schroeader Headzは渡辺シュンスケのピアノ、玉木正太郎のベース、千住宗臣のドラムスの3人からなるが、ここではベースとドラムスはお休みで、渡辺の電子ピアノのみによる伴奏(「Summerin'」ではバイオリンとチェロが入っていた)。グルーヴ感溢れる曲が多い中で、休憩・気分転換のようなしっとりとした歌唱・演奏になっている。 DVDの収録曲について(表示は曲名[作詞作曲] カバーの場合オリジナル・アーティストと発表年。オリジナルの場合は初出アルバムと発表年。 特記) 1. Baby Star Jam [作詞作曲 遠藤大介] De De Mouse 2007。Schroeder Headzが以前「Piano a la carte」2011でカバーしている。土岐はエフェクトを効かせてボーカロイドのような声で歌う。エレクトロポップの名曲をアコースティックで演奏するアイデアの勝利。 2. トーキョー・ドライブ [作詞 土岐麻子 作曲 川口大輔] Heartbreakin' 2013 一部のパートで渡辺がユニゾンで歌う。 3. ロマンチック [作詞 土岐麻子 作曲 堀込高樹] Debut 2005 4. heartbreak [作詞 土岐麻子 作曲 Tomi Yo] Heartbreakin' 2013 5. 僕は愛を語れない[作詞 土岐麻子 作曲 川口大輔] Heartbreakin' 2013 玉木正太郎の長いベースソロが聴ける。 6. How Beautiful [作詞 土岐麻子 川口大輔 作曲 さかいゆう] Single 2008 7. 都会 8. おてもやん [熊本民謡] 千住宗臣のドラムソロから始まり、途中まで土岐の歌とドラムスのみの伴奏。 9. 杏仁ガール [作詞 土岐麻子 作曲 渡辺シュンスケ] Schroeder Headz 2019。アルバム「Guest Suite」に入っていた「Far Eastern Tale」というインスト曲に土岐が歌詞をつけたもの。 10. チョコレイト・ディスコ [作詞作曲 中田ヤスタカ] Perfume 2007。 オリジナルは2月14日に発売されたシングルで、バレンタインデーの定番曲になった。ツアーのなかで、この日だけ特別に演奏されたらしい。 11. Flamingo [作詞 土岐麻子 作曲 川口大輔] Voice Works Best 2009。 ベスト盤に新録音として収録された。 12. Girls (You Are So Special) [作詞 Katharine Miranda 作曲 田中潤] 唯一の英語曲。 13. ピンクシャドウ [作詞 岩沢二弓 作曲 岩沢幸矢] ブレッド&バター 1974。 アルバム「Barbecue」収録で、当時売れなかったが、後に再評価された名曲。山下達郎がライブでカバーして有名になった。ここでは土岐と渡辺が一緒に歌っている。 シャウトせず、声を伸ばさず、ノンビブラートで切れ味鋭く歌うスタイルは天性のリズム感を引き立たせ、スローな曲でもグルーヴ感いっぱいにすることろが彼女の持ち味。Schroeder Headz も土岐のバックバンドに留まらない対等の共演者として強烈な存在感を放っている。 アルバム「Bittersweet」の曲については、「これ1曲」という突出した存在がない代わりに、どの曲も高い水準を保っていてバランスがとれた内容になっている。ちなみに「セ・ラ・ヴィ 〜女は愛に忙しい〜」 [作詞 土岐麻子 ジェーン・スー 作曲編曲 渡辺シュンスケ] 1曲目と、「Boyフロム世田谷」 [作詞 土岐麻子 作曲編曲 渡辺シュンスケ] 2曲目については、プロモビデオがあり、YouTubeで観ることができる。 [2025年12月作成] |
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| あしたの私 佳南帆 (2015) 春日組(Shobi College Of Music) | |
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4. 突然の贈りもの (Album Extended Mix) [作詞作曲 大貫妙子 編曲 宮野弦士] 4曲目 佳南帆: Vocal 宮野弦士: All Instruments, Computer Programming 写真上: ミニアルバム (春日組 2015年9月24日発売 ) 写真下: YouTube投稿 (Out Of Tune Records 2015年8月19日投稿) 4. Totsuzenn No Okurimono (The Sudden Gift) (Album Extended Mix) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Gento Miyano] 4th track by Kanaha from mini album "Ashita No Watashi" (Tommorow's Me) on September 24, 2015 |
| シンガー・アンド・ソングライターの佳南帆(「かなは」と読む)については、インターネットに資料があまり残っていないので詳細は不明。わかったのは、2015年に本アルバムを出したこと、Twitter
(現X)の投稿から2020年頃まで活動していたこと、そして2015年投稿のYouTubeの動画だけだった。これらの事実から確認・推理してゆこう。 まず本アルバムのクレジットを見ると製作者は春日組、発行者がShobi College Of Music(所在地 文京区本郷)とあり、春日組は同校の学生がライブ・CDの企画・制作・宣伝を行う活動体で、このことから尚美ミュージック・カレッジが関与していることがわかる。次に尚美が投稿した「佳南帆『ヌケガラ』(Live at Tokyo Dome City Hall)」という動画は、創立90周年を記念したスペシャルライブ「Shobi The Night 2015」のものであることがわかった。最初の出演者はMrs. Green Appleで、2025年の紅白歌合戦のトリを務めるなど現在絶好調のバンドであるが、当時はメジャーデビューして間もなかった頃にあたる。メンバーの一人が同学出身だった縁での出演。次は本ディスコグラフィー2012年に登場した同校卒業生の井上侑。その次は若手卒業生・在学生4人によるパフォーマンス、そして最後はマネージャーが同校出身のゴールデンボンバーだった。若手卒業生・在学生達は同校の先生達によるバンドをバックに各1曲づつ歌い、そのひとつが佳南帆の「ヌケガラ」で、動画はそのパフォーマンスの録画だった。さらに同コンサートの開催日が2015年9月24日で、本CDの発売日と同一だったことから、本アルバムがコンサート会場で販売されたことがわかった。なおこのCDは一般の流通経路では販売されていない。 CDの収録曲は 1. ヌケガラ [作詞作曲 佳南帆 編曲 鈴木智文] 2. Birth Day Song [作詞 佳南帆 作曲編曲 鈴木智文] 3. 恋恋 [作詞 佳南帆 作曲 宮野弦士 編曲 鈴木智文] 4.突然の贈りもの [作詞作曲 大貫妙子 編曲 宮野弦士] 4.以外の編曲・演奏を担当している鈴木智文は、野宮真貴がピチカート・ファイブに加入する前に一緒にグループを組んでいた人。 一方元ピチカート・ファイブの高浪敬太朗が興したインディレーベル Out Of Tune Recordsが、上記よりも前の日付で3曲の音源をYouTubeに投稿している@「Orion」(作詞作曲
百田留衣)、A「かたちあるもの」(作詞 柴咲コウ 山本成美 作曲 小松清人)、B「突然の贈りもの」(@は中島美嘉 2008、Aは柴咲コウ2004のカバー)は「佳南帆
× 宮野弦士 Unrelease × Other People's Song」というタイトルになっていて、録音されたが未発表となり、そのかわりにYouTubeに投稿されたらしい(Out
Of Tune Recordsのサイトのディスコグラフィーにも含まれていない)。編曲と演奏を担当した宮野弦士は尚美の卒業生なので、これらの録音にも尚美が関わっているものと推測される。一方同社による「Birth
Day Song」のYouTube投稿は宣伝用の曲の一部のみで、完全版はiTunesとamazonMP3から有料配信された。配信日はコンサート、アルバム発売日よりも後の10月で、堺正章がホストのテレビ料理番組「新チューボーですよ!」のエンディング・ソングに10〜12月の2ヵ月間採用された。ちなみに上記以外にOut
Of Tune Filmから彼女の写真動画が投稿されており、ミュージックビデオの予告だったが、それが正式発表された記録は見つからなかった。 [2026年1月作成] |
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| Japanese Soul RF (2015) Timeless (Tower Records) | |
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2. くすりをたくさん [作詞作曲 大貫妙子] 2曲目 (Instrumental) 成川正憲: Guitar 板谷直樹: Bass 鈴木郁: Drums Farah: Producer 2015年10月14日発売 2. Kusuri Wo Takusan (Lots Of Medicine) [Words & Music: Taeko Onuki] 2nd track by RF from the album "Japanese Soul" on October 14, 2015 |
| RFはスタジオ、ライブ、CM音楽の仕事をしながら「六弦倶楽部」として自己の作品を発表したギタリスト成川正憲と、元レコード・バイヤーでDJ、プロデューサー、レーベルオーナーのFarahからなるユニット。ギター、ベース、ドラムスの3人編成で、ナイロン弦ギターを使用したブラジルの香りがするヒップポップ・ジャズを演奏、クラブシーンでのライブとCD、レコード発売などの活動期間は2000年代前半。本作はクラブ、ラジオ放送、雑誌などで日本のシティポップを紹介するDJカネコヒデシのプロジェクト「Japanese Soul」活動10周年記念のジョイント企画として、Farahのプロデュースで、これまで海外の曲を演っていたRFに日本のシティポップの名曲をカバーさせて、彼のレーベルTimelessで制作、タワーレコードから発売したアルバムだ。誰もが知っている曲や知る人ぞ知る隠れた名曲を独自にアレンジしたインストルメンタルで、オリジナルと比べながら聴くと面白い。 Tower Records Mikiki編集部のサイトで、本作についてメンバーによる全曲解説の記事(2015/10/14付)があり、大貫さんの2.「くすりをたくさん」につき以下の通り引用する。 Farah 「この曲は僕からのリクエスト。昔からクラブとかでよくかかってて、あのポップなメロディーと、<危険すぎるな>って思う歌詞が同居しているところに魅力を感じてました。.......」 成川 「この曲もコード進行が素敵で、メロディーも含めてすごくセンスがいい。僕もこの曲に惚れたし、もともとあった爽やかさとか、コード・ワークの気持ち良さが抽出できたと思います。最初はボサノヴァ・アレンジだったけど、Farahが<絶対違う>って対立して(笑) 」 Farah 「RFがカヴァーしたことによって、"都会"だけでなく "くすりをたくさん"の原曲のヤバさをに触れてもらえたら嬉しいですね。原曲は改めて聴くとビートにヒップポップ的な要素も感じます。ずっと"くすりをたくさん"を聴いてきた僕らが<いまこう感じてます>っていうのを上手く表現できた仕上がりになったと思います」 成川 「途中でメロを弾くのがベースになるところとか、RFの定番パターンも出てくるし、僕らがやってきたことが活かせている曲ですね」 オリジナルよりもビートが強めのヒップポップ・サウンドになっていて、それをバックにナイロン弦のギターがイントロとヴァース、コーラスのメロディーを奏で、上述のとおりベースが前面にでてくる箇所もある。なかなか面白いインストルメンタルに仕上がっていると思う。 他の曲について(曲名 [作詞作曲] オリジナル・アーティスト 発表年。特記 (注:上記の全曲解説記事を参照することをお勧めします) 1. Down Town [作詞作曲 伊藤銀次 山下達郎] シュガー・ベイブ 1975。ここでのニューオリンズのボ・ディドリー・リズムがとても面白い。ナイロン弦のギターをエフェクトで歪ませて、ハードロックのような音にしている。本曲についてはプロモビデオが存在する。 2. くすりをたくさん 3. Alone In The Dark [作詞 吉田美奈子 作曲 山下達郎] アン・ルイス 1975。山下がプロデュースしたアン・ルイスのアルバム「Pink Pussy Cat」から。山下の編曲と吉田美奈子のコーラスという豪華版で、アンのボーカルも凄くかっこいい。ここではラテン調のアレンジ。 4. Merry-Go=Round [作詞作曲 山下達郎] 山下達郎 1983。アルバム「Melodies」から。伊藤広規のベースと青山純のドラムスが叩き出すグルーヴが最高だった。ここではエフェクトでエレキ化したギターをフューチャーしたレゲエアレンジのアイデア勝ち。 5. Candy [作詞作曲 具島直子] 具島直子 1996。デビューアルバム「missG.」からでAORの隠れた名曲。ここでは激しいリズムギターのカッティングをバックとしたジャズっぽい演奏。 6. ワン・モア・ナイト [作詞 松本隆 作曲 米倉良広] 井田リエ&42ndストリート 1977。16ビートのダンサブル・ソウルで、ブレッカー・ブラザースの弟マイケルがソロとオブリガードでゴキゲンなサックスを吹いていた。ここではヒップポップ調のタイトなアレンジ。 7. 月夜の晩には [作詞作曲 南佳孝] 南佳孝 1976。彼の2枚目のアルバム「忘れられた夏」収録で、サンバ調のリズムを叩き出す林立夫(ドラムス)、浜口茂外也(パーカッション)、小原礼(ベース)、ソロを入れる鈴木茂(ギター)、佐藤博(エレキピアノ)のバックが抜群だった。ここではスローなハワイアン風アレンジで意表を突いている。 8. ひこうき雲 [作詞作曲 荒井由美] 荒井由美 1973。キャラメルママをバックにした大名曲を、ここではオリジナルを尊重したジャズバラードのしっとりしたアレンジ。 ナイロン弦ギター、ベース、ドラムスというシンプルな編成による「くすりをたくさん」のインストメンタル・カバー。 [2025年12月作成] |
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| 都会/California Woman Cat Boys (2015) Cony/Jet Set | |
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1. 都会 [作詞作曲 大貫妙子] シングルA面 (Instrumental) 高木壮太: Organ Fukaishi Norio (No Rio): Bass Uramoto Uminari (Ulapton): Drums 注: ベースとドラムスについては漢字名の情報がなかったので、アルファベットの表記にしました。 2015年10月30日発売 1. Tokai (City) [Words & Music: Taeko Onuki] Single A-Side by Cat Boys from the Single on October 30, 2015 |
| 私は1960年代、青山にあった父の社宅に住んでいたことがある。それは青山学院中等部の裏にあり、当時は原っぱや斜面の林などがある静かな所で、そこでセミやクワガタを採った思い出がある。それが1964年のオリンピック開催に伴う道路整備により、青山学院のキャンパスの下にトンネルを掘って、渋谷から六本木に抜ける道路(六本木通りと首都高速3号渋谷線)を整備したことで、家から渋谷までのアクセスが劇的に改善した。それを機会に街の雰囲気は一変、六本木通りは当初は静かなオフィスが立ち並んでいたが、お洒落な都会の街並みに変貌を遂げていった。 そのトンネルの手前の青山学園高等部と六本木通りの間のスペースに「青山蜂」というクラブがある。1960年代にその通りを歩いて渋谷に行っていた私には信じられないことだ。1995年にオープンし、多くのDJとアーティストを輩出した老舗で、風営法やコロナ禍で苦労したそうだが、今もがんばって営業している。Cat Boysはそこを本拠地とするオルガン、ベース、ドラムスからなる3人組のグループ。彼らが2015年に出したシングル盤レコードで大貫さんの「都会」をカバーしている。 Cat Boysは2013年に活動を開始し、キーボードの高木は音楽プロデューサー、映像作家、ライターとしてマルチな人。ドラム奏者はUlaptonという名前でDJもしていたが、現在はZutsuki Dという人に替わっているらしい。「都会」はオルガンをメインとしたインストルメンタルで、3人というミニマムなメンバーによるファンク・バンドとしてグルーヴ感一杯のプレーだ。B面の「Carifornia Woman」(作詞 Kathy Wakefield, Leonard Caston 作曲 Leonard Caston) はエディ・ケンドリックス1977年のカバー。 ラウンジ・ファンク・トリオによる「都会」のインストカバー。 [2025年8月作成] |
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| 世界は愛を求めている 野宮真貴 (2015) A&M | |
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6. ドリーミング・デイ [作詞 大貫妙子 作曲 山下達郎 編曲 坂口修 スパム春日井] 6曲目 野宮真貴: Vocal スパム春日井: Piano, Organ, Percussion 石田純: Bass 平里修一: Bass 坂口修: Producer 写真上: 初回盤(2015年11月11日発売) 写真下: 通常盤 (収録曲は同じ) いずれもデザインは信藤三雄 6. Dreaming Day [Words: Taeko Onuki, Music: Tatsuro Yamashita, Arr: Osamu Sakaguchi, Spam Kasugai] 6th track by Maki Nomiya from the album "Sekai Wa Ai Wo Motometeiru" (What The World Needs Now Is Love) on November 11, 2015 |
| 野宮真貴(1960- 北海道出身)は父親の仕事の関係で札幌、東京、千葉を転々とした。10歳の時から洋楽を聴き始め、高校生の時はハードロック・バンド、1980年代の専門学校時代はニューウェーブ系のバンドで活動した。卒業後一時期OLをした後に音楽界に入り、バンド活動、セッション参加やCMソングを歌っていたが、1990年に3代目ボーカルとして小西康陽率いるピチカート・ファイブに加入、1993年に「東京は夜の七時」がフジテレビ系の子ども番組「ウゴウゴルーガ2号」のオープニング・ソングに採用されてブレイクする。そして2001年の解散まで同グループでの活躍で渋谷系の象徴的存在となった。解散後はソロでアルバムを出し、2012年にデビュー30周年記念としてセルフカバーアルバム「30〜Greatest
Self Covers & More!!!〜」を発表した。 同年9月のバート・バカラック来日公演を観に行き、そこでプロデューサーの坂口修と話しをしたことがきっかけとなり、プロジェクト「渋谷系スタンダード化計画」を立ち上げる。それは渋谷系のルーツとなったバカラック、ロジャー・ニコルス、村井邦彦、はっぴいえんど、荒井由美、Swing Out Sisterの名曲や、小西康陽、小沢健二等の渋谷系の作品をカバーして、それらの継承と世界への発信を図るものだった。初回のコンサートは2013年11月ビルボードライブ大阪と東京で行われ、その模様収めた実況録音盤が2014年「野宮真貴、渋谷系を歌う」というタイトルでリリースされるとともに、同年11月に同じ場所で第2弾のライブが開催された。本アルバムはこれら二つのコンサートで演奏された曲などを集めてスタジオ録音したものだ。 6. 「ドリーミング・デイ」は大瀧詠一、山下達郎、伊藤銀次の「Niagara Triangle Vol.1」1976に入っていた曲で、大貫さんが他のアーティストに提供した初めての曲。野宮のインスタグラムに本曲につき以下のコメントがあった。 坂口「山下達郎さんの曲は女性には歌うのが難しいと思って悩んだんですが、大貫さん作詞だし、シリア・ポールさんもカバーしているので合うかなと思って選びました」(注:シリア・ポールのカバーはアルバム「夢で逢えたら」1977収録) 野宮「私が歌ったヴァージョンは、達郎さんとシリアさん両曲のプロデューサーだった大瀧さんに敬意を表してニューオリンズ風のアレンジになっています」 各楽器の演奏が現代風にソリッドである以外は、オリジナルに比較的忠実なアレンジ・演奏・歌唱だ。ちなみにプロデューサーの坂口は大瀧の娘婿で、大瀧の死後ナイアガラ・エンタープライズを継承して原盤・著作権管理に携わっている。 その他の曲について (編曲は 坂口修、スパム春日井) 1. 東京は夜の七時[作詞作曲 小西康陽] ピチカート・ファイブ 1993。渋谷系を代表する曲。ここでのクラブ・ジャズ・アレンジはいかしているね。 2. What The World Needs Now Is Love [作詞 Hal David 作曲 Burt Bachlach] Jackie DeShannon 1965。当初ディオンヌ・ワーウィックが気に入らなかったため、ジャッキーが歌ってヒットした。ディオンヌは翌年録音している。本アルバムには英語版と日本語版が収録され、本トラックはその前者。「世界が必要なのは渋谷系の音楽(野宮真貴)だ」という想いが込められている。ここではスウィングアウト・シスターのコリーン・ドリュリーとのデュエットだ。 3. Love So Fine [作詞作曲 Tony Asher, Riger Nichols] Roger Nichols & The Small Circle Of Frineds 1967。カーペンターズの「We've Only Just Begun」1970、 「Rainy Days And Mondays」1971、「I Won't Last A Day Without You」 1974 (いずれもポール・ウィリアムスとの共作)という大名曲を書いたロジャー・ニコルス(1940-2025)が、売れる前に出したアルバムに入っていた曲。同アルバムは細野晴臣から始まって渋谷系ミュージシャンのお気に入りとなり、小西康陽はこの曲をネタに「そして今でも」1987というピチカート・ファイブの曲を書いている。フィフス・ディメンションなどにも共通する1960年代後半〜1970年代前半の時代を感じさせる名曲だ。 4. 或る日突然 [作詞 山上路夫 作曲 村井邦彦] トワ・エ・モワ 1969。村井邦彦は、「エメラルドの伝説」ザ・テンプターズ 1968、「白い珊瑚礁」 ズー・ニー・ヴー 1969、「夜と朝のあいだに」ピ−ター 1969、「経験」辺見マリ 1970、「翼をください」赤い鳥 1971などの名曲を数多く書いた作曲家で、特に荒井由美の売り出しに尽力し、その過程で荒井との共作でハイファイセットの「スカイレストラン」1975、「土曜の夜は羽田に来るの」1975という傑作を書いている。野宮は彼の事を「日本のバカラック」と呼んでいて、以前からライブのレパートリーにしていたが、彼女の熱望により本アルバムで村井とのデュエットが実現した。 5. 中央フリーウェイ[作詞作曲 荒井由美] 荒井由美 1976。アルバム「14番目の月」収録。ギルバート・オサリバンを超えようという意気込みで作られた名曲。 6. ドリーミング・デイ 7. オー・ハニー [作詞作曲 中西保子] スクーターズ 1982。アルバム「娘ごごろはスクーターズ」収録。シュープリームズなどガールズ・グループによるモータウン・サウンドを追求したキュートでゴキゲンな曲。作者の中西は同グループのキーボード奏者(2010年没)。ギタリストの信藤三雄(1948-2023)は、グラフィッック・デザイナー、映像監督でもあり、本作を含む渋谷系アルバムのデザインを数多く手がけ、そのイメージや存在価値を高めることに貢献した。 8. ガラスの林檎 [作詞 松本隆 作曲 細野晴臣] 松田聖子1983。14枚目のシングルで、彼女の歌に新たな世界を開いたと言われたが、B面の「Sweet Memories」が後から大受けしてスタンダードになったため、かすんでしまった曲。 9. 音楽のような風 [作詞作曲 EPO] EPO1985。8枚目のシングルでビクター・ビデオテープのCMソングに使用された。メロディアス、軽快で渋谷系にぴったりの曲調。 10. ラテンでレッツ・ラブ/1990サマー・ビューティー時計 [作詞作曲 Double Knockout Corporation] フリッパーズ・ギター 1990。作者は小山田圭吾と小沢健二の共作名で、彼ら2枚目のアルバム「Camera Talk」からの曲。小山田圭吾は1991年の解散後、1993年からソロユニットCorneliusとして活動している。 11. パリの恋人/トーキョーの恋人 [作詞作曲 小西康陽] 観月ありさ 1994。小西主宰のレーベル「Readymade Recoerd」から出したコンピレーション・アルバム「きみになりたい」2004に収録され、シングル・カットされたフレンチ渋谷系の名曲。 12. ぼくらが旅に出る理由 [作詞作曲 小沢健二] 小沢健二 1994。アルバム「Life」に収録され、1996年にシングルカットされた。オリジナルはイントロにポール・サイモンの「You Can Call Me Al」(アルバム「Graceland」1986)、間奏に同「Late In The Evening」(アルバム「One Trick Pony」1980)のインスト部分がサンプリングされていたが、ここでのイントロはしっとりした感じのニューアレンジで、間奏とエンディングで「Late In The Evening」の一節が入る。 13. 世界は愛を求めている [作詞 Hal David 訳詞 小西康陽 作曲 Burt Bachlach] 「What The World Needs Now Is Love」の日本語バージョン。 野宮の声とイメージがこれらのスタンダードの風格を備える名曲群にぴったりで、音楽に対する愛情に満ち満ちたアルバム。 [2026年1月作成] |
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| Peaceful Various Artists (2015) melodypunch | |
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2. 色彩都市 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 櫻井映子] 2曲目 武田カオリ: Vocal 櫻井映子: Piano, Keyboards 原口友也: Acoustic Guitar 木村将之: W. Bass 緑川徹: Drums 織田祐亮: Trumpet, Flugelhorn, Trombone 緑川徹: Producer ナガノトモカ: Director 2015年12月9日発売 2. Shikisai Toshi (The Colored City) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Eiko Sakurai] 2nd track by Kaori Takeda from the album "Peaceful" (Varioud Artists) on December 9, 2015 |
| Melody Punchは映画やCMの音楽を制作する会社で2005年設立。本作は彼らは創立10周年を記念して、自分達がやりたい作品を作ったものと思われ、映画のサウンドトラック・アルバムを発売するために設立した自主レーベルから発売された。本作の5人の編曲者、9人の女性歌手とミュージシャン、エンジニアは、所属スタッフまたはCMなどの仕事で付き合いがある人達で、皆が思いのままに作り上げた感じ。音楽ニュースサイト、ナタリーの2016年10月19日の記事に制作の背景が述べられていて、以下はディレクターのナガノトモカの言葉。 スタッフ全員が好きな楽曲を選んで、どなたにアレンジしてもらうか、歌ってもらうか組み合わせを決めさせてもらって。 2.「色彩都市」は完璧過ぎるオリジナル・アレンジへの挑戦だ。原曲よりもスローなテンポで、リズムセクションなしから始まり、ファースト・ヴァースの後半からドラムスが入るが、途中でリズムパターンが変化する凝ったアレンジになっている。ドラムスはMelody Punchの代表取締役で本アルバムのプロデューサーでもある緑川徹。ピアノ奏者はクレジットに名前がないが、編曲者が弾いていると思われる(他の曲も同じ)。歌っている武田カオリは、1999年にギタリストの石井マサユキと「TICA」というユニットを結成してアルバムを発表したほかに、他のバンドやセッション、コンピレーション・アルバムなどに参加、CMソングも数多く歌っている。ちなみに彼女は本ディスコグラフィー(「Various」の部)の冨田ラボのコンサート映像「Tomita Lab Concert at SHIBUYA-AX 2006.3.19」2007に参加して、大貫さんが作詞した「しあわせのBlue」を歌っている。 上記の記事で武田は本曲につき以下のとおり語っている。 ナガノさんに「これをうたってくれますか?」とオファーしていただいて。大貫さんの楽曲は以前から聴いていて、ほかの曲を自分のグループ(TICA)でカバーしたこともあったんですよ。だから「色彩都市」は「自分が歌うとこうなる」というイメージができた。 他の曲について 1. 夏なんです [作詞 松本隆 作曲 細野晴臣 編曲 櫻井映子 歌 児玉奈央] はっぴいえんど 1971。これまで洋楽ばかり聴いていた私に日本音楽への扉を開いてくれたアルバム「風街ろまん」に入っていた名曲。ここでのエレクトロ・ポップのアレンジ・歌唱が素晴らしく、曲が秘めていた新しい世界を切り開いてくれている。「色彩都市」とあわせて編曲者の櫻井映子さんに「あっぱれ」をあげてください! 児玉奈央(1980- 神奈川県出身)は、ユニット「YoLeYoLe」やソロで活動している人。 2. 色彩都市 3. ずっと前 [作詞作曲 佐藤伸治 編曲 井筒昭雄 歌 イシイモモコ] フィッシュマンズ 1996。1987年結成のロックバンドで、佐藤伸治(1999没)はほとんどの曲の作詞・作曲とボーカルを担当していた。イシイモモコ(北海道生まれ、神奈川県育ち)は2004年デビュー、2009年解散のアコースティック・デュオ、ハミングキッチンのボーカリスト。オリジナルよりもさらったとした感じの女性による歌唱もいい感じ。 4. 家族の風景 [作詞作曲 永積タカシ 編曲 伊賀拓郎 歌 Cana] ハナレグミ 2002。ハナレグミはSuper Butter Dogの永積タカシのソロユニット。ここではブラジル音楽風のアレンジで、透明感溢れるピアノの響きが素晴らしい。CanaはボサノヴァのユニットSotte Bosseのボーカルだった人で、2012年よりソロで活動している。 5. 孤独な旅人 [作詞作曲 宮本浩次 編曲 井筒昭雄 歌 エルー] エレファントカシマシ 1996。エレファントカシマシは1988メジャーデビューのロックバンド。ボーカル・ギターの宮本浩次による作品。エル−(中路あけ美)は本曲の編曲者井筒昭雄とLEMOというユニットを組んで活動していた人。ロック色が強かったオリジナルを澄みきったサウンドにアレンジ。 6. イージュー☆ライダー [作詞作曲 奥田民生 編曲 平野航 歌 武田カオリ] 奥田民生 1966。奥田民生はUnicorn (1993年解散)のメンバーで、本作はソロとしての代表作。ウォールサウンド・ロックで迫る原曲に対し、音の隙間あるパーカッシブなアレンジが秀逸。 7. だいすき [作詞作曲 岡村靖幸 編曲 小野雄紀 歌 ナガノトモカ] 岡村靖幸 1988。Melody Punch所属のプロデューサーで、本作ではディレクターを務めるナガノトモカが歌っている。オリジナルのファンキーサウンドをエレクトロ・ポップ化している。 8. ラブレター [作詞作曲 甲本ヒロト 編曲 平野航 歌 櫛引彩香] The Blue Hearts 1989。甲本ヒロトは同グループのボーカル担当で、1995年の解散後はソロとして活動。櫛引彩香(1975- 青森県出身)は1999年レコード・デビュー。本ディスコグラフィーでは「Sunshine Days of 70's Tribute Album Sunny Rock !」2007、「Pure Voice〜J-Cover」2008に参加、前者では大貫さんの「海と少年」を歌っている。ここでの気だるく切ない感じのサウンドはいいね〜 9.プライマル [作詞作曲 田島貴男 編曲 櫻井映子 歌 小池光子] Original Love 1996。 オリジナルラブは当初5人組だったが、本曲リリース時には田島のソロユニットになっていた。小池光子は二人組ユニット、ビューティフル・ハミングバードのボーカル。アコースティック・ギターとストリングス、パーカッションを中心としたサウンドと透き通ったボーカルが素敵。櫻井さんのアレンジはここでもいいね! 10. 瞳を閉じて [作詞作曲 荒井由美 編曲 小野雄紀 歌 イシイモモコ] 荒井由美 1974。長崎県五島列島の奈留島にあった長崎県立五島高等学校奈留分校の生徒の依頼を受けて贈られた曲で、同校そして島全体の愛唱歌となり、船が島を離れるときに流れる音楽となった。ユーミンのアルバム「Misslim」に収録され、初期の作品の中でも特に思い出深い曲だ。ここでのストリングスとピアノのみによるバックも曲の雰囲気に合っている。 11. チェリー [作詞作曲 草野正宗 編曲 伊賀拓郎 歌 Adi Nada] スピッツ 1996。1987年結成、1991年レコードデニューしたロックバンドで、草野はボーカルとギター担当。本曲はスピッツの代表曲で、名曲として高い人気を誇っている。Adi Nada (アディナーダ)はNatsu(ボーカル)とYoshi(ギター)の夫婦ユニット。伊賀拓郎によるジャズのピアノ・トリオのようなバックの演奏がはっちゃけていて面白い。 12. ぼくらが旅に出る理由 [作詞作曲 小沢雄二 編曲 小野雄紀 歌 Cana] 小沢健二 1996。 曲についてはひとつ前の記事、野宮真貴「世界は愛を求めている」2015参照のこと。テクノ風サウンドとチェロやストリングスの生音が見事に調和している音つくりで、曲の前向きなメッセージがどこまでも拡がってゆくラストだ。 CMソングを歌う声質の良い女性ボーカルとクリエイティブなアレンジによる珠玉の名曲カバーという本作は好評だったようでシリーズ化し、同じ表紙デザインの色違いで、男性ボーカルによる「Peaceful2」(2016年10月19日発売)、歌声重視の「Peaceful3」(2017年12月22日発売)が制作された。 皆楽しみながら作っているのがよくわかる作品。編曲者の創意工夫が楽しい「色彩都市」のカバー。 [2026年1月作成] |
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| 2016年 Taeko Onuki meets Akira Senju Symphonic Concert (2016/12/21) の頃 | |
| Retro Active Emiko Bleu (2016) Universal Music | |
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10. 突然の贈りもの [作詞作曲 大貫妙子 編曲 藤田千章] 10曲目 Emiko Bleu: Vocal 鈴木謙之: Piano 後藤秀人: Guitar 澤田将弘: Bass 滝川岳: Drums 藤田千章 from Sing Like Talking: Producer 2016年4月27日発売 10. Totsuzenn No Okurimono (The Sudden Gift) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Chiaki Fujita] 10th track by Emiko Bleu from the album "Retro Active" on April 27, 2016 |
| Emiko Bleu (1981- 本名は非公表だけど 2002年の資料に「Kimura Emiko」とあった)は、2002年にお色気歌謡曲をJ-Popアレンジしたアルバム「土曜の夜は何かが起きる」を発表。その後はバンド活動やSing Like Talkingの藤田千章と知り合ってバンダイコナミゲーム「サモンナイト」の音楽に参加。2011年に名前を「Blue」から「Bleu」に変えてシングル、2013年にアルバム「Blue」およびサモンナイトの主題歌「星たちのRendezvous 〜Ready To Fly」のヒット曲を出した。2015年にはSing Like Talkingのギタリスト西村智彦のソロアルバム「Wonderland」収録 「囚われた月」の作詞・ボーカルを担当している。 本作は彼女が34歳の時に出したアルバムで、タイトル「Retoro Active」は「遡求」という意味。過去・現在・未来はすべて繋がっていて、過去に遡ることによって現在を見つめ、未来を夢見て進んでゆくというコンセプトで、いつの時代でも心に宿る普遍的な作品を描きたかったとのこと。 10.「突然の贈りもの」は本作唯一のカバーソング。シンプルかつストレートな演奏で、アルバムのなかに完全に溶け込んでいる。以下は「Emiko Bleu official blog」 2016年11月28日からの本人コメント。 メインのバンドにエレキを少し足しただけのシンプルな音に仕上げました。この曲は数年前からライブでも度々カバーさせてもらっていて、思い入れある、大切に歌わせていただいた曲でしたので、次アルバムを作れることになったら是非入れさせてほしいと事あるごとにお願いしていました。念願叶ったり!です^ ^ (中略) 歌もレコーディングも、一度声を出して、「じゃあ録りに入りましょう」と言って一度歌ったそのワンテイク目なんです実は。ほとんど直すこともなく、30分くらいでその日のレコーディングが終わりました。まさにそのままの歌。楽器も歌もシンプルに。だからこそ、より曲の世界観がダイレクトに伝わると思います。この曲がRetro Activeのテーマを自然と引き出してくれたかもしれないと、私は密かに感じています。 常連の人たちが伴奏をしているので、ライブ演奏のような肌触りがあること、また曲に対する敬意・愛情が強く感じられ、数あるこの曲のカバーのなかでも出色の出来だと思う。 その他の曲について (特記ない場合 作詞 Emiko Bleu 編曲 藤田千章) 1. 真夜中のベルベット [作曲 藤田千章] スウィング 艶っぽさ 上と下 光と影 勝ちと負け 弱さ 繋がり 支え 乗り越え 2. 不完全なままの私 [作曲 藤田千章 ストリングス編曲 今野均] R&B ネオアコースティック 気だるさ 不穏 彷徨い 葛藤 後悔 3. 夏の扉 [作曲 上杉倫彦] シティーポップ 変拍子 心の傷 季節の移り変わり 前向き 次の場所へ 強さ 4. Distance [作曲 Emiko Bleu] R&B ジャズ 遠く離れた人 信じる道を歩む 5. 春の行方 [作曲 鈴木謙之 ホーン編曲 木幡光邦] AOR 春の情景 桜並木 思い出 あの人は何処で何を 6. 踊るチェリー [作曲 後藤秀人] スウィング カフェ・バー 酒と音楽 7. 記憶への階段 〜planetarium〜 [作曲 藤田千章 管楽器+ハープ編曲 原口沙矢架] バラード 近くにいない大切な人 絆 8. Revolution [作曲 藤田千章] オルタナ・ロック ジャズのコード 強気 辛い別れ 前を向いて次のステージへ 人生の旅 9. I Miss You [作曲 藤田千章 ストリングス編曲 今野均] R&B J-Pop すれ違い 傷つき 悲しみ こうなりたい願い 10. 突然の贈りもの 11. 愛しき人 [作曲 鈴木謙之] 三拍子 再会 少しだけ心が温かく 幸せな気持ち 紆余曲折への答え 12. 虹 featuring 岡野宏典(Bonus Track)[作詞作曲 岡野宏典 編曲 岡野宏典 藤田千章] 岡野宏典とのデュエット 最後に辿り着いた場所 エピローグ 本作の録音にあたり、彼女は意図的に鼻にかかった声を出しているようだ(「真夏の出来事」1971の平山美紀を思い出した)。ジャケット表紙の写真と合わせて、普段の姿とは異なるムードを生み出そうと少し背伸びした感もあるが、アルバムのコンセプトに合わせるためだろう。最初聴いた時は大人っぽいムードを作っている感じが気になったが、歌詞に集中して(できれば歌詞カードを片手に)聴き込むと、作品のトータルな世界が見えてきて本当の良さがわかるアルバムだと思う。 その後の彼女は、2017年春までのコンサート・スケジュールを最後に、残念ながら活動記録が途絶えている。 [2026年3月作成] |
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| 恋愛小説2 - 若葉のころ 原田知世 (2016) Verve (Universal Music | |
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8. 夏に恋する女たち [作詞作曲 大貫妙子 編曲 伊藤ゴロー] 原田知世: Vocal 澤渡英一: Acoustic Piano 伊藤彩 ストリングカルテット 伊藤彩: 1st Violin 柳原有弥: 2nd Violin 三木章子: Viola 結城貴弘: Cello 写真上: 初回盤 (2016年5月11日発売) 写真下: 通常盤 8. Natsu Ni Koisuru Onna Tachi (Women In Love In Summer) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Goro Ito] 8th track by Tomoyo Harada from the album "Renai Shosetsu 2 - Wakaba No Koro" (Romance Novel 2 - When The Leaves Were Young) on May 11, 2016 |
| 原田知世4枚目のカバーアルバムで、いままでは全て洋楽のカバー集だったので、邦楽のカバーとして初めての作品。また「恋愛小説シリーズ」としては2作目になる。「私が子供の頃に聴いていた曲」がテーマで、1974年から1983年までの昔のヒット曲を取り上げている(初回盤のみ収録のボーナス・トラック1994年を除く)。彼女は1967年生まれなので、それらの曲は10代前後の頃の作品で、かつ彼女の芸能界デビューが1981年の14歳ということから、デビュー前またはデビュー後間もない時期に聴いていた曲ということになる。本作発売時の彼女は48歳なので、若き日を思い出しながら、または若き日に立ち返った気分で歌っている。ということもあって、伴奏のアレンジ・演奏も年相応の落ち着いた感じになっていて、原曲の軽快なリズムによる音楽とは一味違った音作りになっている。 原田知世の公式サイトの「Special 恋愛小説2」における原田知世と伊藤ゴローの対談から、8.「夏に恋する女たち」についての原田のコメント。 ドラマの印象はあまり残っていないのですが、大貫さんのしなやかで凛として、しかも洗練されているこの曲は、アレンジも含めて衝撃的でした。そして時を経て、今聴いてもやっぱり素敵だと思える、大好きな1曲です。 「ドラマ」とはTBS系列で1983年8〜9月に放送された同名のテレビドラマのことだ。出演者は田村正和(2021没)、原田芳雄(2011没)、名取裕子、梓みちよ(2020没)、津川雅彦(2018没)、萬田久子などで、同じマンションに住む6人のワケあり大人達が繰り広げる恋愛模様を描いたものだった。大貫さんの歌はそのオープニング・テーマ曲。シングルがドラマの放送開始日1983年8月5日に、収録アルバム「Signifie」は2ヵ月後の10月21日に発売された。オリジナルは坂本龍一のアレンジによりイントロは静かに、そして途中からリズムがフィルインするヨーロピアン・シティ・ポップだった。ここではピアノと弦楽四重奏によるリズム無しの室内楽的な演奏に終始していて、曲と演奏・歌手から溢れる気品が聴く者を優しく包んでくれる。 その他の曲について(編曲はすべて伊藤ゴロー。表示は 曲名 [作詞作曲] オリジナル・シンガー 発表年 シングル、 アルバム、特記事項) 1. September [作詞 松本隆 作曲 林哲司] 竹内まりや 3枚目のシングル 1979、「Love Songs」1980。竹内が人の曲を歌っていた初期のヒット曲で、編曲は結婚前の山下達郎。 2. やさしさに包まれたなら [作詞作曲 荒井由美] 荒井由美 3枚目のシングル 「Misslim」 1974。荒井由美初期の名曲で、宮崎駿監督のアニメ映画「魔女の宅急便」1989に使われてリバイバルした。原曲のアコースティック・ギターの細かなストロークによる軽快なリズムとは異なる、ジャズの香り漂うミディアムテンポの伴奏。 3. 秘密の花園 [作詞 松本隆 作曲 呉田軽穂] 松田聖子 12枚目のシングル 「ユートピア」1983。呉田軽穂は松任谷由美の変名。本アルバムの中ではロックな感じのアレンジ。原田は上記の対談で松田の歌カバーの難しさを語っている。 4. 木綿のハンカチーフ [作詞 松本隆 作曲 筒美京平] 太田裕美 3枚目のシングル 「心が風邪をひいた日」 1975。軽快な原曲と全く異なるしっとりしたジャジーなアレンジで、原田の歌唱の味わいを引き立てている。 5. キャンディ [作詞作曲 原田真二] 原田真二 2枚目のシングル 「Feel Happy」 1977。 シャッフル調の演奏はオリジナルと同じ感じ。 6. 年下の男の子 [作詞 千家和也 作曲 穂口雄右] キャンディーズ 5枚目のシングル 「年下の男の子」 1975。意表を突くちょっとハードなロック・アレンジがとても面白い。 7. 異邦人 [作詞作曲 久保田早紀] 久保田早紀 1枚目のシングル 「夢がたり」 1979 ソプラノ・サックスをフィーチャーしたジャズアレンジ。ウッドベースの響きが気持ち良い。 8. 夏に恋する女たち 9. 夢先案内人 [作詞 阿木燿子 作曲 宇崎竜童] 山口百恵 17枚目のシングル 1977。ジャズのアレンジがバッチリきまっている。 10. Sweet Memories [作詞 松本隆 作曲 大村雅朗] 松田聖子 14枚目のシングルB面 1983。B面でありながらCMで使われて大きな反響を呼び、名曲の仲間入りをした。原曲のジャズっぽさに対し、ここではハープとソプラノ・サックス、バイオリンの透明感ある響きが新鮮なアレンジ。 11. いちょう並木のセレナーデ [作詞作曲 小沢健二] 小沢健二 「Life」 1994。初回盤のみ収録のボーナストラックで、本作のテーマからはずれて、これだけ1990年代の曲。1991年フリッパーズ・ギターが解散して、ソロになった小沢の2枚目のアルバムに入っていた曲。ここでは伊藤ゴローのギター伴奏のみで静かに歌われる。 上記の対談にはこれらの曲についてのコメントもあり、とても面白い内容なので是非参照ください。聴いてみると、Verve というジャズのレーベルからリリースされた理由がよくわかる。48歳の成熟した女性が歌う青春のラブソング。気品に満ちた歌唱とアレンジの妙を堪能できる。 [2026年2月作成] |
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| Million Clouds 坂本真綾 (2016) FlyingDog (Victor Entertainment) | |
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5. はじまりの海 〜Live Ver.〜[作詞作曲 大貫妙子 編曲 河野伸] 5曲目 坂本真綾: Vocal 河野伸: Piano 石成正人: Guitar 大神田智彦: Wood Bass 三沢泉: Percussion 2016年7月27日発売 録音: 2016年2月6日 東京 中野サンプラザホール 5. Hajimari No Umi (The Sea Of Beginnings) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Shin Kono] 5th track by Maaya Sakamoto from the maxi single on July 27, 2016 . |
| 坂本真綾のマキシシングル「Million Clouds」に、ボーナストラックとして2013年発売の「はじまりの海」のライブ・バージョンが収められている。アコースティックな楽器編成によるシンプルなサウンドと素直な歌唱がとても心地よい。ジャズっぽいピアノソロを披露する河野伸(1964-
)は森下千里のバックを長くやっていた人で、作曲・編曲、スタジオワークやテレビ・映画・舞台などの劇伴を数多くこなしている。 他の曲について (記載ない場合は 編曲 河野伸) 1. 「Million Clouds」(作詞 坂本真綾 作曲 Frida Sundemo) テレビアニメ 「あまんちゅ!」のオープニング・ソング。「あまんちゅ!」は天野こずえの漫画が原作で、2016年7月から9月、2018年4月から6月までの2期にわたりアニメ専門チャンネルで放送された。伊豆の町を舞台に同地育ちと東京から越してきた二人の少女がダイビングを通じて交流・成長してゆく様を描いたもので、シングルの他4曲も「はじまりの海」を除き同番組の挿入歌・曲だ。作曲者のフリーダ・サンデモは、スウェーデンのシンガー・ソングライター、女優(1986年生まれ)で、スウェーデンのミュージシャン、ラスマス・フェイバー2015年の来日公演のバンドにシンガーとして参加。5月11日のビルボードライブ東京に坂本がゲスト出演した際に出逢ったのがきっかけ。以下は彼女が本作に寄せたコメント(抜粋)。 あなたと「Million Clouds」という曲を一緒に作るチャンスをもらったことは、とても名誉なことだったわ。ビルボードライブ東京でRasmus Faberや真綾さんと一緒に歌ったときのことをよく憶えているわ。それは私にとって特別なひと時だった。あなたは本当に美しく、愛らしい人だった。 海辺の町で将来への希望を抱いて生きる多感な少女を描いた歌だ。4. 「Million Clouds 〜Piano Ver.〜」は、アニメで流れた同曲のピアノソロによるインストルメンタル。 3.「Dive feat. Gontiti」 (作詞 岩里祐穂 作曲 菅野よう子 編曲 Gontiti)坂本が1998年に出した2枚目のアルバムのタイトル曲のセルフカバー。失恋の思いを海深くに潜る様に例えた切ない曲で、菅野よう子は当時坂本のプロデュースを担当していた。伴奏のギター二人組ゴンチチは、「あまんちゅ!」の音楽を担当していた関係から。 本当に瑞々しい音楽だね! [2026年1月作成] |
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| 忘れちゃうよ Leyona (2016) Recoz / Space Shower Networks | |
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8. 都会 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 臼井ミトン] 8曲目 Leyona: Vocal, Tambourine 臼井ミトン: Wurlitzer, Producer 山本タカシ: E. Guitar 伊賀航: Bass 菅原雄太: Drums 竹上良成: Alto & Tenor Sax 小澤篤士: Trumpet 鹿討奏: Trombone 写真上: アルバム(2016年8月3日発売) 写真下: 7 inch Single (Tuff Vunyl 2022年8月6日発売) 8. Tokai (City) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Miton Usui] 8th track by Leyona from the album "Wasure Chauyo" (I'll Forget) on August 3, 2016 |
| Leyonaは1977生まれで広島県出身。当初は漢字の「玲葉奈」だったが、2003年頃に現在のアルファベットに改めた。CDデビューは1999年で、2001年のはっぴいえんど「風をあつめて」のカバーが東レのCMソングに採用されて注目を集める。2010年代になって、しばらくアルバムやシングルの発表が途絶えたが、本作は6年振りに発売されたアルバム(当時38歳)で、いままで彼女が注力していた数多くのミュージシャンとコラボの集大成となっている。臼井ミトンのプロデュースにより、R&Bやソウルの香りが漂う音作りになっていて、ジャニス・ジョップリンを愛するという本人の歌唱が魅力的だ。 大貫さんの「都会」は、ウリッツアー・エレキピアノのみ伴奏から始まり、途中からリズムとブラスが加わる。特にオリジナルで坂本のシンセイザーが奏でていた間奏をブラスセクションで再現している所は聴きもの。Leyonaの歌唱は跳ねた感じ。以下は本曲のセルフライナーノーツの引用(本人のFacebook 2016年7月14日の投稿より)。 大貫妙子さんの名曲をカバーしました。デビュー前に吉祥寺でバイトしていたソウルバーでよく流していたので、当時の事が思い出されます。音楽やにおいは記憶の断片をつなぎ合わせるチカラがありますね。こちらもオリジナルでのシンセのフレーズを全てホーンでアプローチなわくわくアレンジ !! しかし良い曲だなぁ、、、 なお本曲は6年後の2022年に7インチ・シングル・レコードで発売された(B面は「Baby It's You」)。 その他の曲について(編曲はすべて臼井ミトン)。上述のFacebook の2016年7月12日から28日までに各曲のセルフライナーノーツがありますので、そちらも是非ご覧ください。 1. そろそろはじめよう [作詞作曲 臼井ミトン] エレキピアノとハンドクラッピングのみの伴奏からはR&B、ソウルの匂いがプンプン。 2. 忘れちゃうよ [作詞作曲 奥田民生] ホーンアレンジがゴキゲンなR&Bナンバー。プロモ・ビデオあり。 3. サ・イ・フ [作詞作曲 仲井戸麗市] ニューオリンズ風のファンキーなアレンジで、ユーモラスな歌詞を溜めを効かせて歌っている。ギターに仲井戸、コーラス隊が臼井ミトン、吾妻光良、奥田民生、Serina (Leyonaの妹)と豪華。 4. Baby It's You [作詞 Leyona 作曲 Leyona、西藤ヒロノブ] ジャズギタリストの西藤ヒロノブとの共作であるが、曲はしっかりソウルしている。 5. 虹色のきらめき [作詞作曲 世理奈] 世理奈はLeyonaの妹でシンガー・ソングライター。カントリー・フォーク・スタイルによる透明感あふれる曲。 6. Happy Monday [作詞作曲 吾妻光良] The Swingin' Bopperを率いる吾妻光良の曲で、彼がギターで参加。ビッグバンド・スタイルによるゴキゲンなブルース曲だ。 7. アクアマリン [作詞作曲 岡本定義] ボズ・スキャッグスを思わせるアダルトな雰囲気の曲。フリューゲルホーンの多重録音によるバックとオーボエソロがかっこいい。 8. 都会 9. ボーイフレンド [作詞作曲 福島康之] バンバンバザールの福島康之の作品。ドブロ、バンジョーをフィーチャーしたカントリーフォーク・サウンド。 10. 故障かなとおもったら [作詞作曲 臼井ミトン] コーラスパートで臼井がハーモニーを付けている。包容力のある曲で、寂しい時や落ち込んでいる時に聴くと心が癒されるね。 なおLeyonaと臼井は本作リリース後、9月17日から12月25日の間、北は北海道から南は鹿児島まで、二人でカフェとライブハウスをまわるツアーを実施しており、その模様をFacebookで見ることができる。 みんなとてもいい曲で、じっくり聴き込むともっと良くなるよ! ソウルフルな「都会」を楽しめる。 [2026年2月作成] |
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| 都会 (Re-Issue) HF International (2016-2023) Spiral Beats Productions, Urban Discos | |
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1. 都会 (Silent Poets Remix_Dub) [作詞作曲 大貫妙子] 2016 Single B面 Silent Poets(下田法晴): Remix 2. 都会 (City Lovers Rock Vocal Dub Edition) [作詞作曲 大貫妙子 編曲 HF International] 2020 Single A面 Shiho.C: Vocal 福田征希: Piano, Synthesizer, Programming 平岩克規: Programming 戸城孝啓: Guitar 3. 都会 (Nautilus Re-work) [作詞作曲 大貫妙子] 2023 Single B面 Shiho.C: Vocal [Nautilus] 中林万里子: Keyboards 梅沢茂樹: Bass 佐々木俊之: Drums 写真上: シングル(2016年8月17日発売 B面 Silent Poets Remix_Dub) 写真中: シングル(2020年12月9日発売 A面 City Lovers Rock Vocal Dub Edition) 写真中: シングル(2023年9月20日発売 「都会」表紙) 写真下: シングル(2023年9月20日発売 B面 Nautilus Re-work) 1. Tokai (City) (Silent Poets Remix_Dub) [Words & Music: Taeko Onuki] Single B-Side by HF International from the single on August 16, 2016 2. Tokai (City) (City Lovers Rock Vocal Dub Edition) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: HF International] Single A-Side by HF International from the single on December 9, 2016 3. Tokai (City) (Nautilus Re-work) [Words & Music: Taeko Onuki] Single B-Side by HF International from the single on September 20, 2023 |
2013年に発売されたHF Internationalのシングル「都会」は、2006年、2020年、2023年に再発された。ここではそれらについてまとめて述べる(2006年の記事ですが、2020年および2023年の再発盤についてもまとめて書きます)。 2006年の再発盤はA面は「都会(City Lovers Rock Edition) feat. Shiho.C」というタイトルで、2013年のシングルA面と同じ録音が収められたが、B面の「都会(Silent Poets Remix Dub)」は新たに制作されたトラックになっていた。それは下田法晴(みちはる)のユニットSilent Poetsによるダブ・リミックスで、原曲断片のみを残して、あとは全く異なる内容になっていて、妖しげな世界を創り上げている。これだけ改変されてもHFの名前で発表しているのは、彼らがプロダクションに関わっているからだろう。 2020年の再発盤はA面「都会(City Lovers Rock Vocal Dub Edition) 」で、B面は「Give You My Love」という別の曲。2013年のダブがインストルメンタルだったのに対し、ここでは「歌のダブ」ということで、ボーカル入りのトラックにリバーブやディレイを深めにかけたエフェクト処理によって、スペーシーな感じに仕上がっている。 2023年はUrban Discosというレーベルから再発されたシングルで、A面は2006年盤と同じ「都会(City Lovers Rock Edition) feat. Shiho.C」になっているが、B面は新たに録音されたNautilusというバンドによるリウォーク・バージョンが入っている。これはShiho.Cのボーカルとコーラスのトラックに新たなバックを付けることで、全く別のバージョンに仕上げている。Nautilusはドラム奏者の佐々木俊之をリーダーとするトリオで、ジャミロクワイなどのようなグルーヴィーなアシッド・ジャズのバンドで、ボブ・ジェームスの曲から命名したそうだ。彼らのバックにより、当初のラヴァーズ・ロック・エディションとは全く異なるサウンドになっているのが面白い。クラブ・ミュージックの醍醐味であるグルーヴという点では同じだけどね。 10年にわたって展開された「都会」のバリエーションが楽しめる。 |
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| 男と女 〜野宮真貴、フレンチ渋谷系を歌う。 野宮真貴 (2016) A&M | |
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2-12. 想い出のロックンローラー [作詞作曲 Serge Gainsbourg 訳詞 大貫妙子 編曲 スパム春日井, 坂口修] CD2-12曲目 野宮真貴: Vocal [Les Romantiques] スパム春日井: Keyboards 真藤敬利: Organ 石田純: Bass 平里修一: Drums 2016年8月31日発売 1. Omoide No Rock 'N' Roller (Ex-fan des sixties) [Words & Music: Serge Gainsbourg, Japanese Translation Lyric: Taeko Onuki, Arr: Spam Kasugai, Osamu Sakaguchi] CD2-12th Track by Maki Nomiya from the album "Nomiya Maki French Shibuya-kei Wo Utau" (Maki Nomiya Sings French Shibuya-Kei) on August 31, 2016 |
| アルバム「世界は愛を求めている」(2015年11月発売)の成功に続く野宮真貴の「渋谷系スタンダード化計画」は、発表直後の11月にBillboardで行ったコンサートで、渋谷系と彼女自身の音楽ルーツのひとつであるフレンチ・ポップスに焦点を当てたものだった。そして2016年2月にジョイントライブを行ったフランスの歌手クレモンティーヌが野宮の新作アルバムにゲスト参加することが決まり、コンサートのライブとスタジオ録音の2枚組で「フレンチ渋谷系」を集大成することになった。奇しくもクロード・ルルーシュ監督の名作映画「男と女」が制作50年を記念してデジタル・リマスターでリバイバル上映されることになり、彼女が録音した「男と女」がオフィシャル・サポート・ソングに採用され、同曲をフランス大使館で披露するイベントも開催された。野宮はライナーノーツで以下の通り書いている。 「渋谷系スタンダード化計画」は、このように出会ったことを貧欲に取り込むことによって、見えない糸が紡がれ、いつも不思議な"縁"が生まれます。 2-12.「想い出のロックンローラー」は、フランスの作曲作詞家、歌手、映画監督、俳優のセルジュ・ゲンスブール(1928-1991)がパートナーのジェーン・バーキン(1946-2023)に書いた曲で、1978年同国で大ヒットした「Ex-fan des sixties」の日本語カバー。1988年の安田成美のアルバム「Ginger」のために大貫さんが訳詞を書いたのが日本語バージョンのオリジナルで、本曲はその初めてのカバーとなる。「Ginger」では「思い出のロックンロール」というタイトルだった。コーラス部分で1960年代の心に残る偉大なアーティストの名前を連呼し、ファースト・コーラスは当時存命者、セカンド・コーラスが物故者になっている。制作中にエルビスが亡くなったので、歌詞を書き替えたという逸話が残っている。大貫さんはコーラス部分はそのままにして、ヴァース部分については翻訳というよりも自分の言葉に置き換えている。ここではライブということで、イントロでゲンズブール3人目の女ジェーン・バーキンの紹介をした後に、リズムセクションとエレキピアノ、オルガンというギター抜きの編成によるシンプルで軽めな伴奏で、野宮が歌う。安田(当時21歳)のさっぱりとした幼い感じの歌唱に対し、55歳の野宮は年輪を重ねた大人の哀愁を込めて貫禄たっぷりに歌っている。 その他の曲について(特記ない場合 編曲 スパム春日井, 坂口修) [CD 1 スタジオ録音] 1-1 Prelude [作曲 スパム春日井] 25秒の短い導入部。 1-2 男と女 (en duo avec 横山剣 de クレイジーケンバンド) [作詞 Pierre Barouh 作曲 Francis Lai 訳詩 小西康陽] Pierre Barouh et Nicole Croisille。 映画「男と女」1966の主題歌で原題は「Un homme et une femme」。ピエール・バルー(2016没)は映画にも出演している。ピチカート・ファイブの小西の訳詞による日本語バージョンを横山と歌う。 1-3 双子姉妹の歌 (en duo avec クレモンティーヌ) [作詞 Jacques Demy 作曲 Michel Legrand] ミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち(Les Demoiselles de Rochefort)」1967の挿入歌。映画ではカトリーヌ・ドヌーブとお姉さんのフランソワーズ・ドルレアック(映画公開直後に交通事故で死亡)が歌っていたが、実際は吹き替えとのこと。ここではクレモンティーヌとのデュエット。 1-4 渋谷で5時 (en duo avec クレモンティーヌ en avec 鈴木雅之)[作詞 朝水彼方 作曲 鈴木雅之 朝水彼方] 鈴木雅之、菊池桃子1993。ラッツ&スターの鈴木雅之6枚目のアルバム「Perfume」収録曲で、若者文化の発信地である渋谷をアピールする思いで作った曲とのこと。プロモビデオが傑作!ここではクレモンティーヌのフレンチ・テイストも加わって、一層洒落た感じに仕上がっている。 1-5 ある日突然 -Gainsbourg Version- [作詞 山上路夫 作曲 村井邦彦] トワ・エ・モア 1969。前作では村井とのデュエットだったが、ここではソロで歌っている。本アルバムに含めたのは、作曲家だった村井は1969年にパリに行き、そこで触発されてアルファ・ミュージックという音楽出版社を興したという、彼とフランスとの深い関係が背景にあるからとのこと。ストリングス・アレンジをゲンズブール風にしたり、イントロがもろカーペンターズの「Close To You」1970だったりと、遊び心と原曲への敬意が一杯のカバー。 1-6 ウィークエンド (en duo avec クレモンティーヌ) [作詞作曲 小西康陽 仏語詞 Clementine, Marcela Mitz] ピチカート・ファイブ 1998。オリジナルは野宮真貴と加藤ひさし(ザ・コレクターズ)のデュエットで、ここでは歌詞の一部をフランス語にしてクレモンティーヌと歌う。聴いていると心がワクワクする曲だ。 1-7 男と女 -All Scat Version- (en duo avec クレモンティーヌ、カジヒデキ et avec 久保ミツロウ、能町みね子、ヒャダイン) [作詞 Pierre Barouh 作曲 Francis Lai] クレモンティーヌと渋谷系が集まった「こじらせオールスターズ」によるダバダバ・スキャット。 -Bonus Track- 1-8 東京は夜の七時 -盆踊りVersion- [作詞作曲 小西康陽 編曲 菊池昇二] ピチカート・ファイブ 1993。 1-9 スウィート・ソウル・レヴュー -盆踊りVersion- [作詞作曲 小西康陽 編曲 菊池昇二] ピチカート・ファイブ 1993。 2015年から始まったファッション・デザイナー丸山敬太プロデュースによる新宿伊勢丹屋上での「おしゃれ盆踊り」で、野宮が「東京は夜の七時」の盆踊りバージョンを歌ったのがきっかけとなり、三味線や鼓を入れてスタジオ録音したもの。現在も各地の盆踊りで使われている。「ナイアガラ音頭」1976で元祖大瀧詠一はニューオリンズ音楽を取り入れたが、ここでは40年後ということでテクノとハウスのリズムを使っているとのこと。 [CD 1 ライブ録音 「野宮真貴、フレンチ渋谷系を歌う」 於 Billboard Live] アルバム「世界は愛を求めている〜野宮真貴、渋谷系を歌う〜」11月11日リリースの直後11/13の大阪と11/19, 20の東京で、各2ステージ行われたライブの実況録音。新アルバムのお披露目と「フレンチ渋谷系」がテーマ。コンサートのフルセットが収録されているが、どの録音かはCDには明記されていない。野宮の衣装は丸山敬太が担当、オーディエンスには野宮がプロデュースしたオリジナル・カクテル「Paris Red」、「Tokyo Red」がふるまわれるなど、視覚・味覚的にも盛りだくさんのステージだった。以下各曲の説明 (「前作収録」は「世界は愛を求めている」を参照ください)。 2-1 東京は夜の七時 [作詞作曲 小西康陽 ] ピチカート・ファイブ 1993。スパム春日井のヴィブラフォンと真藤敬利のピアノが活躍するジャズ・アレンジが素晴らしい。 2-2 What The Worlds Needs Now Is Love [作詞 Hal David 作曲 Burt Bachlach] Jackie DeShannon 1965。前作収録。英語版による歌唱。 2-3 音楽のような風 [作詞作曲 EPO] EPO 1985。前作収録。野宮は「すごく渋谷系を感じる曲」と紹介している。 2-3 フレンズ・アゲイン [作詞作曲 Double Knockout Corporation] フリッパーズ・ギター 1990。彼らのファースト・シングルで英語の歌詞で歌われる。「初めて買ってもらったレコードがミッシェル・ポルナレフの"シェリーに口づけ"でした」、「"フレンチ渋谷系"といえば、やっぱり皆大好きフリッパーズ・ギターの曲」と紹介される。 2-4 ダニエル・モナムール [作詞 安井かずみ 作曲 村井邦彦] 辺見まり 1969。60年代の西洋ポップス風の歌謡曲で、懐かしい!辺見の色っぽい語りもいいね。ここではからっとしたキュートな感じの歌唱。 2-5 ジャズる心 [作詞 Robert Gal 作曲 Alain Goraguer 訳詩 加藤登紀子、本城和治] フランス・ギャル 1965。原題「Le Coeur Qui Jazze」で「夢みるシャンソン人形」シングルのB面だった曲。ここではジャズ調の演奏にのせて、野宮によるセルジュ・ゲンズブールの女たち(ファム・ファタール)最初の女フランス・ギャルの紹介とコンサート演奏メンバー、スタッフの紹介に費やされ、歌無しで終わる。 2-6 Contact [作詞作曲 Serge Gainsbourg 訳詩 小西康陽] ブリジッド・バルドー 1968。二人目の女ブリジッド・バルドーによるビザールでスペースチックな曲。バルドー出演のプロモビデオがエキセントリック!。ピチカート・ファイブ1995年の傑作カバーあり。ここでは野宮は可愛く歌っている。 2-7 想い出のロックンローラー 2-8 パリの恋人/トーキョーの恋人 [作詞作曲 小西康陽] 観月ありさ 1994。野宮は「日本の"フレンチ渋谷系の本家」として小西康陽を紹介して、「私は彼が描くラブストーリーが大好きです」と言う。コケティッシュな歌唱はオリジナルよりずっといいね。 2-9 中央フリーウェイ [作詞作曲 荒井由美] 荒井由美 1976。前作収録。「"東京は夜の七時"のルーツの歌、私が一番好きな東京のラブソングです」 ゆったりした演奏・歌唱で曲に対する愛情に満ちたパフォーマンスだ。 2-10 What The Worlds Needs Now Is Love [作詞 Hal David 作曲 Burt Bachlach 訳詞 小西康陽] 前作収録。「最後の曲です (中略) 私の目標は還暦はビルボード・ライブで歌うことです。あと5年歌い続けたいと思います (中略) みなさんと世界が幸せであることを願って」と語られる。ウクライナ、イランの戦争の最中、この歌は心に染みる.......。 2-11 ピチカート・ファイブ・メドレー2015 アンコールでの演奏。 ( )は曲が始まる時間。 @ シェリーに口づけ [作詞作曲 Michel Polnareff] ミッシェル・ポルナネレフ 1969。「ミッシェル・ポルナレフ・トリビュート」1999に収録。サビの部分のみ。 A ロンドン・パリ [作詞作曲 小西康陽] (1:22) 1991 ミニアルバム「超音速のピチカート・ファイブ」収録。 B モナムール東京 [作詞作曲 小西康陽] (2:32) 1997 13枚目のシングル、アルバム「ハッピーエンド・オブ・ザ・ワールド」収録 C ストロベリイ・スレイライド [作詞作曲 小西康陽] (4:05) 1993 「ボザノヴァ2001」収録 D 12月24日 [作詞作曲 小西康陽] (5:43) 2000 24枚目のシングル(最後のシングル盤) E スウィート・ソウル・レヴュー [作詞作曲 小西康陽] (8:01) 1993 4枚目のシングル、「ボザノヴァ2001」収録。カネボウ化粧品夏のイメージソング、TBS系テレビ「週間さんまとマツコ」エンディングテーマ曲。 「還暦はBillboardで歌うこと」という野宮の目標をかなえるために予定された、2020年3月22日(彼女の誕生日)のコンサートは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて止む無く延期されたが、彼女は「還暦ライブをするまで歳をとらないことにしました」と宣言し、同年8月19, 20日に無事決行された。 「フレンチ渋谷系」サウンドでカバーされた「思い出のロックンロール」。 [2026年3月作成] |
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| 青い図書室 手嶌葵 (2016) Victor Entertainment | |
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5. ちょっとしたもの [作詞 手嶌葵 作曲 大貫妙子] 初回限定盤ボーナスディスク 5曲目 手嶌葵: Vocal オオニシユウスケ: Guitar 真藤敬利: Piano 中北裕子: Drums 録音:10th Anniveraary Concert 於 東京かつしかシンフォニーヒルズ モーツアルトホール 2016年5月26日 写真上: アルバム(2016年9月21日発売) 写真下: 10th Anniversary Concert 2016年5月26日 1. Chotto Shita Mono (The Something Little) [Words: Aoi Teshima, Music: Taeko Onuki] 5th track of bonus disc of first limited edition, by Aoi Teshima from the album "Aoi Toshoshitsu"(Blue Library) on September 21, 2016 |
| 2014年のアルバム「Ren'dez-vous」が好評だった手嶌葵が2年後に発表したセルフ・プロデュース・アルバム。前作の「映画」に対し、「私を培ってくれた」という「本」がテーマになっている。加藤登紀子作詞作曲の2曲と自作の歌詞2曲を除き、彼女が書いたイメージのメモ書きをもとに作詞・作曲され、9つの話からなる短編集のような味わいがある。 本アルバムの発売をまたいだ2016年〜2017年に各地で10周年記念コンサートが開かれ、そのうち発売4ヵ月前にあたる5月26日の東京でのコンサートの模様は、6月26日にWOWOWで放送された。そして録音の一部がアルバム初回限定盤に添付されたボーナスディスクとなった。そこには「Ren'dez-vous」に入っていた手嶌と大貫さんの共作 5.「ちょっとしたもの」も含まれている。スタジオ録音はシンセサイザー・打ち込みによるオルガン、アコーディオンとストリングスの音が入ったカラフルなサウンドだったが、ここではピアノ、アコースティック・ギター、ドラムスの3人のみによるシンプルなバックで、曲の透明感がより深まり、曲の魅力がダイレクトに伝わってくる感じになっている。 [アルバムの他の曲について] (注:「音楽ナタリー」のサイト2016年9月21日に手嶌のインタビュー記事があるので、参照ください) 1.想秋ノート[作詞作曲 加藤登紀子 編曲 Tatoo] 少女の成長の話。一番敬愛する歌い手という加藤登紀子にお願いして書いてもらった2曲のうちのひとつ。子供の頃(公開当時の彼女は5歳!)観たジブリのアニメ「紅の豚」1992の加藤扮するマダム・ジーナの声と歌に憧れたとのこと。ちなみに上記記事には加藤の手嶌に対する絶賛コメントも掲載されている。 2. 白薔薇のララバイ[作詞 いしわたり淳治 作曲編曲 内山肇] 最愛の恋人を失った青年の悲哀を歌うバラッド。 3. ナルキスと人魚[作詞 いしわたり淳治 作曲編曲 内山肇] 報われない来いに落ちた人魚の話。 4. 海をみつめる日[作詞 手嶌葵 作曲編曲 兼松衆] 本人が作詞した2曲のうちのひとつ。 5. 蒼と白〜水辺、君への愛の詩〜[作詞 neco (J-Pop) 作曲編曲 平井真美子] 6. ワインとアンティパスト[作詞 手嶌葵 北村岳士 作曲編曲 Tatoo] 本人がワインの栓を開けたり料理する時の音が効果音で入っている楽しい曲。 7. ミス・ライムの推理[作詞 いしわたり淳治 作曲編曲 内山肇] 謎解きが得意な女の子の物語。 8. Handsome Blue [作詞 いしわたり淳治 作曲編曲 田上陽一] 冒険物語。 9. 白い街と青いコート[作詞作曲 加藤登紀子 編曲 Tatoo] 旅立ちの風景と別れ。 [ボーナス・ディスクの他の曲について] 2016年5月26日東京かつしかシンフォニーヒルズ モーツアルトホール 10th Anniveraary Concert から 1. 岸を離れる日 [作詞作曲 谷山浩子] 谷山浩子 1998のカバーで、手嶌のアルバム「春の歌集」2007収録。 2. 虹 [作詞 新居昭乃 作曲 新居昭乃 保刈久明] 映画「西の魔女が死んだ」2008年の主題歌。シャーリー・マクレーンの娘サチ・パーカーがおばあちゃんを演じた印象的な映画だった。同年のアルバム「虹の歌集」収録。 3. 朝ごはんの歌 [作詞 宮崎吾郎 谷山浩子 作曲 谷山浩子] 2011年のジブリ映画「コクリコ坂から」サウンドトラック、同年発売のシングル「さよならの夏」のカップリング。 4. 1000の国を旅した少年[作詞 いしわたり淳治 作曲編曲 内山肇] 前作「Ren'dez-vous」収録。 5. ちょっとしたもの 6. 瑠璃色の地球[作詞 松本隆 作曲 平井夏美] 松田聖子1986のカバー。手嶌の録音は日本生命のCMソングでコンピレーションアルバム「image12 douze」2012収録が最初。その後は2017年録音の薩摩酒造CM「この地球の日々たちへ」バージョン(ベストアルバム「Simple Is Best」2021収録)、2021録音の東芝CM「未来への航海」バージョン(2022年配信)がある。 7. 風の谷のナウシカ [作詞 松本隆 作曲 細野晴臣] 安田成美 1984のカバー。松本隆のトリビュート・アルバム「風街であひませう」2015収録。 8. 明日への手紙 [作詞作曲 池田綾子] 前作「Ren'dez-vous」収録。2016年のテレビドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」の主題歌に別アレンジによる新録音が起用され、シングルカットされた。 なお、10th Anniveraary Concert ツアーの映像をYouTubeで観ることができます。 @さよならの夏〜コクリコ坂から〜 Aテルーの唄 B 蒼と白〜水辺、君への愛の詩〜 (フル) C想秋ノート D風の谷のナウシカ E明日への手紙 F海を見つめる日 (1〜2分のみ) G 「青い図書室」トレイラー (「想秋ノート」、「海を見つめる日」の部分) うち@ABCFは、ボーナスディスクには含まれていない曲だ。 [2026年3月作成] |
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| 都会/ラスト・ステージ 前川サチコとグッドルッキングガイ (2016) Jetset | |
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1. 都会 [作詞作曲 大貫妙子] 7インチ・シングル・レコード A面 前川サチコ: Vocal 甲斐哲郎: Piano, Chorus 塩見哲雄: Guitar 峠せめ彦: Bass 仲井信太郎: Drums, Chorus 2016年11月9日発売 1. Tokai (City) [Words & Music: Taeko Onuki] 7 inch single record A-side by Sachiko Maekawa & Good Looking Guy on November 9, 2016 |
元クリームチーズオブサンの前川サチコと仲井信太郎、アーガイルの甲斐哲郎と峠せめ彦、奇妙礼太郎トラベルスイング楽団の塩見哲雄という関西のミュージシャンによって結成された前川サチコとグッドルッキングガイは、ソウル、ディスコ、ジャズをベースとした都会的シティポップのバンドだ。通常は前川の作詞と甲斐の作曲によるオリジナルを演奏しているが、ここでは大貫さんのクラシック「都会」のカバーに挑戦している。7インチ・シングル盤のみのリリースで、CD・アルバムには収録されていない。 2016年12月3日梅田ジャポニカでの本曲のライブ映像があり、それを観ると本シングルとほぼ同じ演奏内容であることがわかる。要するに彼らのステージ・レパートリーをそのままスタジオ録音した感じだ。レトロな服を纏った前川のボーカル、間奏での甲斐のピアノソロなど、かなりジャズの雰囲気に満ちた演奏。編曲のクレジットがないのは、バンドによるヘッドアレンジだからだろう。B面の「ラスト・ステージ」(作詞 前川サチコ 作曲 甲斐哲郎)は、軽快なディスコ・サウンドの曲。 グループは、その後ギターとベースのメンバーが替わったが、現在も元気に活動を続けている。 「都会」のジャジーでお洒落なカバー。 [2026年1月作成] |
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| 宝歌 えぐさゆうこ (2016) ティアレミュージック | |
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3. 花・ひらく夢 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 江草啓太] 3曲目 えぐさゆうこ: Vocal 江草啓太: Piano 熊取路得子: Accordion 2016年11月20日発売 1. Hana Hiraku Yume (Flower, Open Dream) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Keita Egusa] by Yuko Egisa from the album "Takara Uta"(Treasure Song) on November 20, 2016 |
| えぐさゆうこ(1977- 愛媛県出身 旧名 橋口裕子)は、大学時代はモダンダンスをやり、2000年南海放送にアナウンサーとして入社。テレビやラジオで活躍したが、奄美大島のシマ唄を聴いて独学で勉強を始め、後にその方面の権威である朝崎郁恵に師事して研鑽を積む。ピアニストの江草啓太と結婚し、退社後は芸名を「えぐさゆうこ」に改めて、旦那の協力を得てフリーとして音楽活動を始める。父親が屋久島出身であることから、同島や他の島の古謡にも取り組む。沖縄民謡については、いろいろ紹介されて認知度が高く、音楽として独自の発展を続けているが、奄美大島や屋久島など他の島々にも古来の唄があり、彼女はそれらを学び、得たものを世に知らしめて後世に託す活動をしている。そんな彼女が最初に出したアルバムが本作だ。 3.「花・ひらく夢」は大貫さんのアルバム「New Moon」1990の最後の曲で、「ボーナストラック」と表示されている。本曲は野村グループのCMソングとして作られたもの(CMが流れたのは1988〜1989年頃と思われ、尾形光琳の「紅白梅図」などの屏風絵の魚、鳥、蝶、鳥が動くCGだった)で、アルバム「プリッシマ」1988のタイトルソング「Tema Purissima」と「Tema Purissima-Cool Sax Version」と同じMarty Paichが編曲(「New Moon」の他の曲はすべて小林武史の編曲)、ミュージシャンも他の曲と異なっている。歌詞は1番しかなく演奏時間も1分47秒と短い。ということで、大貫さんの曲のなかでは地味な存在なんだけど、えぐさが取り上げたのは、この曲のメロディーに隠れている琉球音階にあったと思われる。宮沢和史の名曲「島唄」の発表は1992年であり、この曲がそれよりも先に作られていたとは本当に驚きだ。 大貫さんの原曲ではキーボード、ベース、ドラムスにフルート、ハープ、ストリングスが加わった編成で、歌詞を歌い終わってすぐにフェイドアウトするが、ここではピアノとアコーディオンのみによるシンプルなバックで、歌の後にアコーディオンの間奏と赤ん坊が笑う声が入って、コーラス部分をもう一度歌って終わる。えぐさのボーカルに込められた琉球古謡独特のこぶしがとても効果的だ。大貫さんのライブ演奏で歌詞の2番を聴いたことがあるというYouTubeのコメント投稿があったが、本当かな?もしそうだったら、このカバーで歌って欲しかった! その他の曲について (編曲は江草啓太) 1. 朝顔節[奄美民謡] 奄美大島南部の民謡で、改まった席で歌われる祝い歌。内容は「若松の下で亀が歌い遊び、鶴は羽を垂れて美しく舞っている」。えぐさが奄美三味線(胴体は蛇皮)を弾き語り、コーラスは本人による多重録音。 2. 竹の歌 [作詞作曲 中島みゆき] 中島みゆきの音楽劇 「夜会 Vol.7 2/2」1996で歌われ、1999年のアルバム「日-Wings」に収められた曲。劇のストーリーであるアジアを旅行する日本人女性が事情による帰国できなくなり、現地に適応して生きてゆく様を根を張る竹になぞらえている歌。原曲は大編成による厚みのあるバックだったが、ここではキーボードと打ち込みによるエレクトロポップの伴奏。江草啓太はYMOのコピーからプロになったそうで、そのキャリアがアレンジに反映されている。えぐさは少し民謡っぽい歌唱で、うまくこなしている。 3. 花・ひらく夢 4. シャ・リオン [作詞作曲 大島ミチル] フジテレビ系列の教養・娯楽番組「ワーズワースの庭で」1993 のテーマソングとして作られた曲で、オリジナルの歌手は河井英里(2008年没)。歌詞はどの国の言葉でもない意味不明の内容で、一説によると英語の詩を逆から読んだという。ここではアコーディオンの伴奏による歌唱で、この歌を入れることでアルバム自体にワールド・ミュージック的な拡がりをもたらした。 5. 永田の子守唄 [屋久島民謡] 2022年2月18日のYouTube「オンラインアカデミー 屋久島大学」に出演したえぐさが曲の紹介として以下のとおり語っている。「子守唄って、子守のねえやのつらさとか、そういうものがでたりする歌詞って、結構いろんな所にあるんですけれど、屋久島の歌って、すごくのどかで、『小屋のとってんから海の底を見れば 海の底にはいおがいる』 魚がおるよというすごい優しい歌詞なんですよね」 ピアノと簡単な打ち込みによるシンプルな伴奏。 6. 花富の子守唄 [奄美民謡] 奄美大島と大島海峡を挟んで向き合う加計呂麻島の民謡。えぐさの師匠で同島出身の唄者朝崎郁恵は、以下のとおり語っている。「私の生まれ育った加計呂麻島には平地がなく急な斜面の貧しい土地にしか畑を作ることができません。働き手であった母親たちは、毎日畑仕事に出て、その間、子どもの面倒はお年寄りたちがみていました。このうたは、母やシマのお年寄りたちが唄うのを聞いて覚えたうたで、まだ5、6歳だった私も見よう見まねで妹をおぶって、唄って聞かせていました」 ここでは波の音を背景にしたえぐさの独唱。 7. しゃくだんばな [トカラ列島民謡] 1970年に全島民が移住し無人島となったトカラ列島の臥蛇島(がじゃじま)に伝わっていた歌で、えぐさのコメント。「最初に聴いた時に、とても綺麗なメロディで、これが歌われていた臥蛇島にはもう人がいないんだな....ということが胸に残り、少しづつライブで歌うようになりました。時々『しゃくだんばなを聞くためにライブに来た』などと声をかけてくださる人も居たりする、私の中では非常に大切な曲です」。ピアノ、キーボード、打ち込みによる伴奏。 えぐさは現在は昭和音楽大学の准教授として、音楽活動の他に、南の島の古謡や日本語の発声・発音、朗読などの指導にあたっているそうだ。 普段日本民謡、琉球民謡を聴かない私でも、音楽として十分楽しめる内容。「花・ひらく夢」の秘められた魅力を引き出した素晴らしいカバーだ。 [2026年1月作成] |
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| Sing With Me II 坂本美雨 with Cantus (2016) Yamaha Music Communications | |
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3. メトロポリタン美術館 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 haruka nakamura 太田美帆] 3曲目 坂本美雨 : Vocal Cantus: Chorus 2016年12月7日発売 3. Metropolitan Bijutsukan (Metropolitan Museum) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Haruka Nakajima, Miho Ota] 3rd Track by Miu Sakamoto with Cantus from the album "Sing With Me II" on December 7, 2016 |
| 坂本美雨(1980- )が聖歌隊のカントゥスと組んで発表したアルバムで、6月22日に発売された4曲入りミニアルバム「Sing With Me」の第2弾になる。 Cantusはラテン語で「唄う」、「詩」を意味する言葉で、主にカトリック聖歌を歌う東京少年少女合唱隊出身の太田美帆が同隊出身の女性達と結成した聖歌隊だ。太田は音楽家として映画、CM、合唱編曲、指導に携わっているが、他のメンバーは別の仕事や家庭を持ちながら活動している。両者の出会いは中島ノブユキの紹介で、坂本が中島と一緒にライブをした際にコーラスに参加してもらったのが最初という。ちなみに本ディスコグラフィーの「Various( シングル、コンピ、ゲスト参加)」の中島ノブユキの作品「人間失格」2010収録の「Ave Maria」で、大貫さんのバックでカントゥスが歌っている。 これまで「表現者」としてエレクトロポップのサウンドで曲を書き歌ってきた坂本は、2014年の結婚と2015年の出産を転機に36歳の坂本は、より日常的で生活に根差した音楽を指向するようになった。本アルバムは「日常」「子守唄」がテーマとなり、「近くにいる大切な人を笑顔にさせる歌」を目指したとのこと。コーラスのカントゥス、編曲担当のHaruka Makajimaのピアノ、そしてチェロ、フルート等による最小限のバックで坂本が歌い、彼女が持つ透き通った歌声の魅力が最大限に生かされている。 3.「メトロポリタン美術館」は坂本とカントゥスの声のみによる歌唱だ。数ある同曲のカバーのなかでもアカペラはこれだけ。クリエイティブなコーラスアレンジがとても良い。 他の曲について 1. The Water Is Wide [Traditional] スコットランド民謡で多くの人が歌っている。私が好きなのは、カーラ・ボノフ(1979)とジェイムス・テイラー(1991)のバージョン。ピアノを中心としたシンプルな伴奏で厳かに歌っている。この作品で坂本は従来のように高音で歌い上げずに、普段話す時に使う中音域で臨んだとのこと。なお本曲についてはプロモビデオが存在する。 2. Dream [作詞作曲 Priscilla Ahn] Priscilla Ahn 2008。プリシラ・アン(1984- )はペンシルヴァニア州出身で、韓国人である母親の旧姓を芸名としている。本曲は彼女のデビューアルバム「A Good Day」から。幼い頃から夢を持ち続けた少女の一生を描いた歌詞が素晴らしい。ここではエレキピアノ、シンセサイザー(またはストリングス)とコーラスをバックにした歌唱。 3. メトロポリタン美術館 4. ブラームスの子守歌 [作曲 Johannse Brahms, 日本語詞 武内俊子] 1968年作曲。日本語詞をつけた竹内俊子(1950-1945)は童謡詩人・作詞家、童話作家で、童謡では「かもめの水兵さん」が有名。ここではギターとフルートの伴奏による歌唱で、親になった坂本の母性が滲み出ている。 5. Kiss [作詞作曲 Judee Sill] Judee Sill 1973。ジュディ・シル(1944-1979)は夭折の天才と言われた人で、本曲は彼女2枚目のアルバム「Heart Food」から。デビュー作「Judee Sil」1971が出たとき、当時購読していた「Music Life」誌のアルバム・レビューに「キャロル・キングの数倍良いのだ」と書かれたのを読んで衝撃を受けた記憶がある(アルバムは買わなかったけど)。曲を聴くと、長く生きなさそうな感じが伝わってくる。ラブソングでありながら、自分の生い先が短いことを悟っているような内容で、その儚さと特定の神に依らない宗教的な静謐さが本アルバムの雰囲気に合っている。 6. Danny Boy [Trasitional] アイルランド民謡。「ロンドンデリーの歌」の旋律に歌詞をつけたもので、ここでは最初の2ヴァーズを英語で、あとはなかにし礼による日本語詞で歌われる。 7. いにしえの子守歌 [作詞作曲 Patrick Neil Doyle 日本語詞 高橋知伽江] Emma Thompson & Peigi Barker 2012。ディズニーの子会社ピクサーが制作した3Dアニメ映画「Brave (メリダとおそろしの森)」の挿入歌で原題は「Noble Maiden Fair」。作者のパトリック・ボイルはスコットランド出身の映画音楽作曲家で、スコットランドのゲール語による歌詞になっている。映画は自由を求める王女と、子供に対し王族らしい厳格な生き方を求める母親の話で、この歌は雷を恐れた幼い王女(声:Pergi Barker)とそれをなだめる母親(声: Emma Thompson)のシーンで、前半は母親、後半は親子で歌われる。アイリッシュ・ハープと(恐らく)ヴィオラをメインとしたストリングスをバックに日本語で歌う坂本のバージョンは、日本版のエンディングで使われ、坂本は後半の親子の歌唱を声色を使った多重録音で歌っている。この手のケルト音楽にぴったりの彼女の歌唱は本国のスタッフも大絶賛だったという。本アルバムのセルフカバーでは、聖歌を得意とするコーラス隊を従えて最高の出来。 8. The Other Side Of Love [作詞作曲 坂本龍一]坂本美雨 1997。16歳のときに「Sister M 」という覆面名で歌ったでシングル・デビュー曲で、日本テレビ系のドラマ「ストーカー逃げきれぬ愛」の主題歌となった。原曲は坂本の編曲によるバンドサウンドのバックだったが、ここではエレキピアノとコーラスのシンプルなバックで歌う。コーラスから始まるオリジナルとは異なり、ここでは1st、2ndヴァースを先に歌ってからコーラスに入る構成。讃美歌風なドローン・サウンドのコーラスが面白い。坂本の歌いっぷりには20年間の成長が感じられる。 9. 遠い町で [作詞作曲 宮沢和史] 宮沢和史 2008。ナイロン弦ギター、フルートとコーラスを伴奏に歌われ、静謐な雰囲気でアルバムを終える。 綺麗な声のアカペラによる「メトロポリタン美術館」。 [2026年1月作成] |
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| City Lights 田中裕梨 (2016) SMR | |
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2. 都会 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 中村祐介] 2曲目 田中裕梨: Vocal 中村祐介: Keyboard, Producer 高橋飛夢: Guitar 蓮池真治: Bass 田口"Tag"悟史: Sax 写真上: CD(2016年12月28日発売) 写真下: LPレコード(2017年6月21日発売) 1. Tokai (City) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Yusuke Nakamura] 2nd track by Yu-ri Tanaka from the album "City Lights" on December 28, 2016 |
| これはオリジナルに対する敬意が最大限に込められたカバー集だ! 田中裕梨は1981年福井県生まれ。地元の高校の音楽科を卒業後、福井市内のライブハウスでの歌手活動を経て上京。2007年にジャズ・グループ「Blu-Swing」に作詞家・ボーカリストとして加入して、2008年メジャー・デビューを果たす。本作は彼女のソロ・プロジェクトとなるJ-Popの名曲カバー集だ。彼女の出身地の新聞「福井経済新聞」のサイト2017年1月11日の記事で、本作につき当人は以下の通り語っている。 ジャズやクラブミュージックをやりたいという思いで上京したのを機に、1970〜1980年代の日本のシティー・ポップスを深く聴くようになった。(中略、それらは)人力で音楽を作り上げたエネルギーにあふれている。Blu-Swingのサウンドにもつながる私の方向性を決めてくれた存在。(中略)原曲を愛しているリスナーさんが多いということを頭に置き、皆さんの気持ちを裏切らないよう歌いかたの物まねから始めた。 選ばれたのは1977年から1984年までの曲で、J-Pop(当時その言葉はなく「ニューミュージック」と呼ばれていた)またはJ-Pop寄りの歌謡曲。彼女が生まれた頃の曲を20代の頃から聴き込み、それらは自己の音楽のルーツになったそうだ。そして35歳になった彼女は初のソロアルバムとして、それらの名曲のカバー集を作ることにした。伴奏陣は主にBlu-Swingのメンバーが担当しているが、ドラムスの宮本"ブータン”知聡のみクレジットになく、レコーディングにあたりキーボードの中村祐介がシンセサイザーでドラムスのパートを対応したものと思われる。 大貫さんの「都会」は、数あるカバーの中で最もオリジナルに忠実なサウンドになっている。と言ってもクリス・パーカーが叩き出したあのグルーヴ感は誰にも真似できないけどね。特に間奏のシンセサイザー・ソロは完コピーと言って良い位で、編曲者、キーボード奏者の中村の坂本龍一に対する敬意が強く感じられる。田中の歌声は癖がなく素直なので、この手のいろんな歌手のカバーをやるには適している。彼女のコメント。 ひとつひとつの楽曲を解きほぐす作業がすごく楽しかった。例えば大貫妙子さんの「都会」という曲はもともと坂本龍一さんの編曲で、クラシック音楽の和声理論が取り入れられているというような発見ができた。 原曲の持つ温かみを生かすような演奏で、高橋飛夢のギターと 田口悟史のサックス以外はBlu-Swingの連中が担当(高橋は他に4曲で、残りはBlue-Swingの小島翔がギターを弾いている)。 他の曲について (編曲は中村祐介、コーラス編曲は田中裕梨) 1. 真夜中のドア [作詞 三浦徳子 作曲 林哲司] 松原みき 1979。2004年に44歳の若さで亡くなった松原みきのデビューシングル。発売時はオリコン28位とまあまあのヒットだったが、時を経るにつれて名曲の評価が高まり、多くのカバーが生まれた。ここではより大人っぽい声で迫っていて、原曲を凌駕する出来上がりになっている。2020年代に海外での人気が沸騰し、YouTubeなどで数多く再生された曲。本作は配信により海外で多く聴かれたとのことで、この2016年のカバーは注目を高めることに貢献したものと思われる。 2. 都会 3. マイ・ピュア・レディ [作詞作曲 尾崎亜美] 尾崎亜美1977。 3枚目のシングルで編曲は松任谷正隆、演奏はティンパンアレイだった。初期の尾崎の名曲のひとつで、資生堂のキャンペーン・ソングとしてテレビで流れた。長らくアルバム非収録曲だったが、2009年の「Mind Drops」再発の際にボーナス・トラックとして収録された。私が好きなボザノヴァ調の曲。 4. ミッドナイト・ラブ・コール [作詞作曲 南佳孝] 石川セリ 1977。アルバム「気まぐれ」に収録されたがシングルカットされなかった。その後多くの歌手によりカバーされ、南本人も1980年に「Montage」でセルフカバーし、現在では名作との評価が確立している。 5. 雨音はショパンの調べ [作詞 Paul Mazzolini 日本語詞 松任谷由美 作曲 Pierluigi Giombini] 小林麻美 1984。もとはイタリアの歌手Gazeboの1984年のヒット曲「I Like Chopin」で、作詞者の名前は歌手の本名。欧州と日本でヒットし、小林麻美が友人の松任谷由美が書いた日本語詞でシングルカットした。ユーミンは2003年のアルバム「Yuming Composition: FACES」でセルフカバーしている。 6. 月下美人 [作詞作曲 門あさ美] 門あさ美 1981。門あさ美(1975- 愛知県出身)は1975年にデビューし、1988年のアルバム発表を最後に音楽活動が途絶えた。恥ずかしがりやでマスコミへの露出やテレビ出演が少なかった人だ。 7. みずいろの雨 [作詞 三浦徳子 作曲 八神純子] 八神純子 1978。 5枚目のシングルで最大のヒット曲。名曲ですね。 8. シンプルラブ [作詞 松本隆 作曲 佐藤健] 大橋純子 & 美乃家セントラル・ステイション 1977。作曲の佐藤健はグループのキーボード奏者で後に大橋の夫になった人。またギタリストは後に一風堂を結成する土屋昌已。このレコードが出た当時、従来にないキラキラした新しさを感じ、ライブハウスに通って聴いた思い出がある。大橋は2023年没(享年73)。 9. 私のハートはストップモーション [作詞 竜真知子 作曲 都倉俊一] 桑江知子 1979。桑江(1960年 沖縄生まれ)のデビューシングルで、ポーラ化粧品のCMソングに採用されヒットした。 10. バイブレイション [作詞 安井かずみ 作曲 山下達郎] 笠井紀美子 1977。アルバム「Tokyo Special」収録で、シングルは別バージョン。編曲はジャズ・ピアニストの鈴木宏昌でメロウ・グルーヴの名曲と言われている。印象的なギタープレイは松木恒秀。もともとは細野晴臣プロデュースで企画された外国人歌手のアルバムのために作曲されたが、企画がボツになったもので、作者の山下は英語歌詞の「Love Vibration」で録音している(アルバム「Go Ahead !」1978収録)。笠井紀美子(1945- 京都府出身)はジャズ歌手として1970年代に活動したが、1978年に渡米して現地人と結婚。アルバム発表は1990年までで、その後は宝飾デザイン業を営みながら(2010年代後半に廃業)、2000年代までゲスト参加、オムニバス作品等で歌っている。なおお蔵入りとなった外人歌手リンダ・キャリエールの録音は、2024年に細野晴臣の監修により「Linda Carriere」のタイトルで発売され、そこで「Love Vibration」の本当のオリジナルを聴くことができる。 オリジナルの曲が持つ良さを最大限に引き出したサウンド作りが評価され、J-Pop再評価のブームの中、国内外の配信などでよく聴かれたアルバムとなった。 [2026年3月作成] |
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| 2017年 Taeko Onuki meets Akira Senju Symphonic Concert (2016/12/21)、 Pure Acoustic 2018 (2018/9/18) の頃 | |
| Ex fan des sixties / すばらしいさよなら 井の頭レンジャーズ と かもめ児童合唱団 (2017) Park Tone Recordings | |
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1. Ex fan des sixties (思い出のロックンロール)[作詞作曲 Serge Gainsbourg 日本語詞 大貫妙子 編曲 高木壮太] Single A面 かもめ児童合唱団: Vocal Jah善福寺(高木壮太): Piano, Producer いせや闇太郎: Organ 万助橋わたる: Guitar 藤井明星: Bass 佐藤メンチ(佐藤響): Drums 高木壮太、藤沢宏光: Producer 写真上: シングル (2017年1月4日発売) 井の頭レンジャーズとかもめ児童合唱団 A面 (B面は「すばらしいさよなら」 作詞 友部正人 作曲 宮沢和史) 写真中: アルバム 「Inokashta Rangers Sings !」 (2017年12月6日発売) 井の頭レンジャーズ 4曲目 写真下: アルバム 「Wonderful Music」 (2019年3月13日発売) かもめ児童合唱団 5曲目 1. Ex fan des sixties (Omoide No Rock 'N' Roll) (Memories Of Rock 'N' Roll) [Words & Music: Serge Gainsbourg, Japanese Lyrics: Taeko Onuki, Arr: Sota Takagi] Single A-side by Inokashira Rangers & Kamome Jido Gasshodan on January 4, 2017 |
| 2015年に大貫さんの「都会」をカバーしたCat Boyの高木壮太がプロデュース、吉祥寺を拠点とする井の頭レンジャーズは、多彩なゲストシンガーを招いて、過去の名曲をレゲエ・アレンジでカバーするジャマイカン・ファンク・バンド(「スキン・ヘッド・レゲエ・クルー」とも呼ばれている)。彼らが2017年に発売したシングル・レコード「Ex
fan des sixties (思い出のロックンロール)」は、かもめ児童合唱団が歌っている。 [「Ex fan des sixties (思い出のロックンロール)」について] フランスのセルジュ・ゲンズブール(1991没)が作詞作曲し、ジェーン・バーキン(2023没)が歌った1978年のフレンチポップスで、大貫さんが日本語歌詞を書き、安田成美がカバーした(詳細は「ジンジャー」1988 参照)。ここでのレゲエ・アレンジは全然違和感なく聴けるし、子供達の一生懸命な歌声もいい感じ。彼らは1960〜1970年代に活躍した昔のアーティスト達のことを知っているのかな?なんて思うのは野暮だね。でも物故者の名前を列挙する歌詞を聴いていると、図らずもジーンとしてしまう。安田成美のバージョンは日本語歌詞のみだったけど、ここでは終盤に原曲のフランス語のファースト・ヴァースが入っている。子供達にフランス語で歌わせるなんて....でもカッコイイ ! シングル盤のB面「すばらしいさよなら」(作詞 友部正人 作曲 宮沢和史)も素晴らしいレゲエ・アレンジだ。なお本シングル2曲は、同じ年の12月に発売された既存のシングル6枚を収めたアルバム「Inokashira Rangers Sings!」に収められた。そのアルバムには、竹内まりやの「Plastic Love」1984、黛ジュンの「天使の誘惑」1968、サザンオールスターズの「シャ・ラ・ラ」1980、フリッパーズ・ギターの「グルーブ・チューブ」1991、浅田美代子の「赤い風船」1973など多彩な曲のレゲエ・アレンジが収められている。 ちなみに1.「Ex fan des sixties (思い出のロックンロール)」についてはミュージック・ビデオがあり、そこでは合唱団の子供達が楽器の弾き真似をしながら口パクで歌っている。彼らの素人っぽい表情が面白い。アルバムのクレジットには個人の名前が記されていないので、実際に歌った子供達にとって、この映像は良い記念になるだろう。 [かもめ児童合唱団についいて] かもめ児童合唱団は1972年に神奈川県三浦市で結成され、4歳〜13歳位の子供達10〜20人からなる。2004年三浦市に引っ越してきた音楽プロデューサーの藤沢宏光と出会って、2008年より彼のプロデュースでフォークやJ-Popの名曲を歌わせたレコードやCD作品を作るようになった。大人の曲が多く、子供達がどこまで解って歌っているのかなと思うけど、藤沢はそれについて以下の通り語っている(アルバム「Wonderful Music」ライナーノーツより) ひとつひとつの歌の中のそれぞれのメッセージを、きっと子供たちなりに受け止めて歌っています。大人の恋の歌でも深遠な詩の世界も、無垢な心のどこかで折り合いをつけて歌っているのです。面白いのは楽しくて明るい曲が妙に物悲しく感じ、しっとりしたバラードが何故か妙に明るい。理由はともかく、かもめ児童合唱団の最大の魅力です。 ウィーン少年合唱団のように決して上手くなく、ハーモニーは少なく、大部分はユニゾンによる歌唱であり、時にはテンポや音程が不安定な部分もありながら、彼らの歌を聞いていると何故かリラックスする。平生プロの歌手の歌を多く聴いている私にとって、その「へたうま」な歌には独特の癒しがあるのだ。 [アルバム「Wonderful Music」について] 井の頭レンジャーズのシングルから2年後、2019年に発売されたかもめ児童合唱団3枚目のアルバム「Wonderful Music」に同じ録音が収録された。このことにより本曲の制作はゲスト参加というよりも、タイアップとみなすことができる。同アルバムにはシングルB面の「すばらしいさよなら」も収められ、加えてほぼ同じメンバーが「高木壮太とインターナショナル・プレイボーイズ」という名前でバックを務めた非レゲエ曲「双子座グラフィティ」も入っている。 他の曲について (表示は[作詞 作曲 編曲] オリジナルアーティスト、発表年。特記ない場合は 編曲 菅原弘明) 1. ずっと好きだった [作詞作曲 斉藤和義] 斎藤和義 2010。資生堂「In&On」のテレビCM曲。 2. 双子座グラフィティ [作詞作曲 堀込泰行 編曲 高木壮太] キリンジ 1998。 キリンジのメジャー・デビュー曲。ここでの伴奏は上述の「高木壮太とインターナショナル・プレイボーイズ」。 3. 朝は詩人 [作詞作曲 友部正人] 友部正人 1994。アルバム「奇跡の果実」収録。 同年のJRAのイメージCMソング。 4. この街 [作詞 森高千里 作曲 斉藤秀夫] 森高千里 1990。アルバム「古今東西」収録。グリコ・ポッキーのCMソング。 5. Ex fan des sixties (思い出のロックンロール) 6. すばらしいさよなら [作詞 友部正人 作曲 宮沢和史 編曲 高木壮太] 友部正人 1992。アルバム「遠い国の日時計」収録。上述のとおり、ここでの伴奏は井の頭レンジャーズ。 7. Melo Melo [作詞作曲 Serge Gainsbourg 日本語詞 藤沢宏光 編曲 新井悟] Jane Birkin 1978。「Ex fan des sixties」のシングルのB面曲で、いかしたフレンチ・サイケ・ロック。ここでの日本語とフランス語がごっちゃになった歌詞が面白い。 8. 以心電信 (You've Got To Help Yourself) [作詞 細野晴臣 Peter Barakan 作曲 坂本龍一 高橋幸宏] Yellow Magic Orchestra 1983。アルバム「サーヴィス」収録。 9. 神様の宝石でできた島 [作詞作曲 宮沢和史 編曲 藤澤宏光] Th Boom 2001。 10. 夕陽は昇る [作詞作曲 友部正人 編曲 入江陽] 友部正人 1989。同名のアルバム 収録。 11. 笑う人、泣いてる人 [作詞作曲編曲 藤沢宏光 Strings Arragement 新井悟] 本アルバムオリジナル。 12. ワンダフル・ミュージック [作詞 藤沢宏光 作曲 菅原弘明] 本アルバムオリジナル。 高木壮太のバンドがバックをつとめた 2,5.6以外は、編曲者がギター、キーボード等の楽器とプログラミングで、トラックメイクしている。 ピュアな子供達の歌声による 1.「思い出のロックンロール」のレゲエ・カバー。 [2026年7月作成] |
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| Little Dancer Couch (2017) Happiness | |
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1. 都会 (Bonus Track) [作詞作曲 大貫妙子 編曲 Couch] 10曲目 平泉光司: Vocal, Electric Guitar 中條卓: Bass 小島徹也: Drums 写真上: アルバム(2017年1月18日発売) 写真下: 7インチ シングル・レコード(2017年1月25日発売) 1. Tokai (City) (Bonus Track) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Couch] 10th track by Couch from the album "Little Dancer" on January 18, 2017 |
| Couchは平泉光司(1972- Vocal, Guitar)、中条卓(1965- Bass)、小島徹也(1967- Drums) の3人からなるバンドで、「ずっと一緒に馴染んでいけるお気に入りのカウチ・ソファのようになる」をイメージして付けた名前だそうだ。キーボード無しの3人編成であるが、表情豊かなギター・プレイとリズムセクションの演奏力をもって、抜けのよいクリアなサウンドを生み出すことに成功している。キーボードが入ることよって音に厚みが増すけど、サウンド的には靄がかかったようになって透明感を損なわれるというディメリットがあることを証明している。 本アルバム「Little Dancer」は同バンド4枚目のアルバムで、5年振りかつ最後の作品。そのボーナス・トラックに大貫さんの1.「都会」が入っている。それは2008年に発表された大貫さんのトリビュート・アルバム「音のブーケ」収録のトラックと同じ録音なんだけど、リミックス・ヴァージョンなのだ。違いとしてはボーカルが終わってフェイドアウトするまでのインスト部分が「音のブーケ」では約30秒なのに対し、本アルバムでは約45秒と15秒ほど長くなっている点。その間ギターソロなど派手な事はしていないが、平泉の味のあるギタープレイをより長く堪能できる。 大した違いではないと言えばそれまでなんだけど、伴奏・間奏ソロともに坂本龍一が支配していたオリジナルにキーボードレスのギターのみで果敢に挑んだ名カバーとしては十分意味のあるリミックスだと思う。なおこのバージョンはEPレコードでシングルカットされた。 他の曲も平泉のハイトーン・ボーカルとソウル・ミュージックのスパイスが効いたゴキゲンなロックだ。特にタイトル曲「リトル・ダンサー」1曲目、「街の草原」3曲目(上記シングルB面にも収録)、青山陽一1998年「最後はヌード」6曲目などが特にいいね。 平泉光司は現在はソロ活動でライブをやりながら、ソングライティングやギター演奏などの教育指導に従事している。リズムセクションの二人もセッション、ライブなどで活躍中。 キーボードレスによる「都会」が楽しめる逸品。 [2026年3月作成] |
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| Altre Strade Francesca De Mori (2017) Dase SoundLab | |
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2. Isola (Tango) [作詞 大貫妙子 イタリア語詞 Samuele Bersani 作曲 坂本龍一 編曲 Salvatore Pezzotti] 2曲目 Francesca De Mori: Vocal, Producer Salvatore Pezzotti: Piano Daniele Petrosillo: Bass Rino Dipace: Drums Raffaele Kohler: Trumpet Quartetto d'Archi Archimia Paolo Costanzo, Serafino Tedesi: Violin Matteo Del Solda: Viola Andrea Anzalone: Cello 2017年1月18日発売 2. Isola (Tango) [Words: Taeko Onuki, Italian Words: Samuele Bersani, Music: Ryuichi Sakamoto, Arr: Salvatore Pezzotti] 2nd track by Francesca De Mori from the album "Altre Strade" on January 18, 2017 |
| フランチェスカ・デ・モリは、1971年イタリア北部のヴィチェンツァ生まれ。旺盛な探求心を持ち、様々な分野の声楽やセラピー・エクササイズを学び、ボーカリストと教鞭の両面で活躍している。自身のプロデュースによる本作のタイトルは「もう一つの道」という意味。8曲中5曲が彼女自身の作詞による新曲で、「Isola」を含む残り3曲がカバー、そして全曲がイタリア語による歌唱という構成。 2.「Isola」(イタリア語で「島」の意味)の原曲は大貫妙子作詞、坂本龍一作曲の「Tango」(坂本のアルバム「Smoochy」1995、大貫のアルバム「Lucy」1997 収録)で、本曲はそれをイタリア語の歌詞で歌ったオルネラ・ヴァノーニ1999のバージョンのカバーになる(詳細および歌詞はヴァノーニの「...Adesso Live Album」1999 および イタリア語詞作者のサミュエレ・ヴェルサーニの「L'oroscopo speciale」2000 を参照)。ジャズのピアノトリオに弦楽四重奏のストリングスとトランペット・ソロが加わる。「Dol's Magazine」サイト2017年10月3日付インタビューで、彼女はカバーを「再解釈」と定義し、以下の通り語っている。 私が再解釈した曲に聞こえる美しさ、そしてそこから得られる喜び、言葉や音符が呼び起こす感情を全身で感じることができる喜びのために、私は再解釈します。喉からその音符を歌うことで得られる力のために。 大変理知的な人で、この厳しい愛の歌に真正面から取り組んでいる。ちなみに2017年10月28日のイタリア北部の町カッソルノルヴォにおけるコンサートで、彼女が本曲を歌う映像を観ることができた。そこでは弦楽四重奏無しで、ドラムス以外はアルバムと同じミュージシャンがバックを務めている。 他の曲について 1.「Altre Strade」では、過去に執着せず、自分自身と向き合って己を解放し、シンプルに自分を愛し信じて、成し遂げたいことに挑戦しようという内面の決意を語っていて、それは聴く者の精神を鼓舞するものになっている。現代歌曲をストリングスとピアノトリオによるジャズ音楽で表現している感じ。3.「Liberamente」は、立ち止まって、自分の気持ちに耳を傾けることにより癒しを得て自由を感じる精神を歌う。4.「A che servino gli dei (神々に何の意味があるのか)」はロッサナ・カザーレ1989年のカバー。罪と罰の社会の中で、悲惨で苦痛に満ちた人生を送っている私たちに、変革の力と光は宿っているのだろうかと問いかける。 7.「Il gioco delle illusioni (幻想ゲーム)」は、透明で張り詰めた雰囲気に満ちた曲で、大貫さんが創る愛の歌に通じるものがある。8.「E ti vengo a cercare (そして私はあなたを探しに行く)」はシンガー・ソングライター、フランコ・バッティアート(2021没)の作品。「自分の本質をより深く理解するために君の存在が必要」、「より強い意志で情熱の悪魔から自分を解放する」と歌うスケールの大きな歌だ。 オルネラ・ヴァノーニ「Tango」1999のイタリア語版の優れたカバー。 [2026年7月作成] |
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| どうようとみんなのうたをカバーしたよ! 石城結真(みーちゃん) 2017 自主制作 | |
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13. メトロポリタン美術館 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 駒沢浩人、村山遼] 13曲目 石城結真(みーちゃん): Vocal composer: 駒沢浩人、村山遼 mix: madamxx 2017年2月4日発売 1. Metropolitan Bijutsukan (Metropolitan Museum) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Hiroto Komazawa, Ryo Murayama] 13th Track by Yuma Iwashiro (Mi-Chan) from the album "Doyo To Minna No Uta Wo Cover Shitayo" (I Covered Children's Songs And Everyone Songs) on Febuary 4, 2017 |
| 石城結真(1988- )はYouTubeやニコニコへの動画投稿者。2011年に投稿者が集まってRoot Fiveという5人組(2015年より4人組)のアイドルグループを結成してメジャーデビューしたが、2023年に活動休止、以降はRabbit
Squareというロックバンドを経て、現在は「みーちゃんねる」というYouTubeサイトやXで活動している。彼は昔から童謡が好きで鼻歌でよく歌っていたそうだが、きちんと歌いたくて自主制作CDを作ったのだという。 アレンジはRoot Fiveのメンバーで作曲や演奏もする駒沢浩人(koma'n)と、ギタリストの村井遼。クレジットには「composer」と表示されており、トラック・メイキングはミックス担当のmadamxxと共に行っているようだ。オリジナルと異なるアレンジも多い中で、大貫さんの「メトロポリタン美術館」は比較的原曲に近い音になっている。 他の曲は以下のとおり 1. 赤鬼と青鬼のタンゴ [作詞 加藤直 作曲 福田和禾子] みんなのうた 尾藤イサオ 1977 2. そうだったらいいのにな [作詞 井出隆夫 作曲 福田和禾子] おかあさんといっしょ 1972 3. クラリネットを壊しちゃった [作詞 石井好子 作曲 フランス童謡] ダークダックス 1959 4. 一円玉の旅がらす [作詞 荒木とよひさ 作曲 弦哲也] みんなのうた 晴山さおり 1990 5. おばけなんてないさ [作詞 槇みのり 作曲 峯陽] みんなのうた 弘田三枝子 1966 6. 青天井のクラウン [作詞 中川敬 作曲 川村博司] みんなのうた ソウル・フラワー・ユニオン 1999 7. 黒猫のタンゴ [作詞 Mario Pagano, Armando Soricillom Francesco Saverio 作曲 Maria Oagano 日本語詞 見尾田みずほ] 皆川おさむ 1969 8. まっくら森の歌 [作詞作曲 谷山浩子] みんなのうた 谷山浩子 1966 9. ぼくのミックスジュース [作詞 五味太郎 作曲 渋谷毅] おかあさんといっしょ 1982 10. 月のワルツ [作詞 湯川れい子 作曲 諫山実生] みんなのうた 諫山実生 2004 11. ホネホネロック [作詞 高山ひろお 作曲 佐藤寿一] ひらけ!ポンキッキ 子門真人 1976 12. 南の島のハメハメハ大王 [作詞 伊藤アキラ 作曲 森田公一] みんなのうた 水森亜土 1976 13. メトロポリタン美術館 アイドル声のイケメンが、歌のおにいさんのような感じで、こんな曲を歌っているギャップ感が面白く、本人のこの手の歌に対する愛着もしっかり伝わってくる。アレンジも曲によってはジャズっぽいのもあったりして、なかなかだね。 なお2019年に第2弾CD 「どうようとみんなのうたをカバーしたよ!2」が発売され、またコロナ禍期の2020年に「自宅待機の子供達のため少しでも」と、1, 3, 4, 7 , 9, 13 がオリジナルのイラスト付きでYouTube配信された。 [2026年5月作成] |
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| 音楽と私 原田知世 (2017) Universal Music | |
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3. 地下鉄のザジ(Zazie dans le metro) [作詞作曲 大貫妙子 編曲 伊藤ゴロー] 3曲目 原田知世: Vocal 伊藤ゴロー: Acoustic & Electric Guitars, Tambourine, Programming 澤渡英一: Acoustic Piano 坪口昌恭: Wurlizer, Tubular Bells 鳥越啓介: Electric Bass みどりん: Drums 織田祐亮: Trumpet 藤田淳之介: Tenor Sax 伊藤彩ストリングカルテット 伊藤彩: 1st Violin 柳原有弥: 2nd Violin 三木章子: Viola 結城貴弘: Cello 2017年7月5日発売 写真上: 初回限定盤 (Bonus Track収録, DVD付) 写真下: 通常盤 3. Chikatetsu No Zazie (Zazie In The Metro) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Goto Ito] 3rd track by Tomoyo Harada from the album "Music And Me" on July 5, 2017 |
| 原田知世デビュー35年周年を記念して企画制作されたセルフカバー・アルバム。25周年のアルバム・タイトルが英語の「Music & Me」2007
(大貫さんの「色彩都市」のカバー収録)だったので、今回は日本語にしたとのこと。相性抜群の音楽パートナー伊藤ゴローとの制作で、昔の曲については、テクノ、エレクトロポップ的なサウンドをアコースティックにリアレンジしたり、曲によってはあえて当時の音作りを残したりしている。いずれの場合でも明らかなのは、女優業のかたわら夢中で歌っていた若い頃とは各段に異なる、声質と内面の両方で深さを増した歌声と音楽に対して正面から向き合う真摯な取り組み姿勢だ。一方直近の曲の場合は、ライブ等でじっくり練った新たなアレンジで歌っている。 3.「地下鉄のザジ(Zazie dans le metro)」は、原田の初回作品「バースデイ・アルバム」1983に入っていた曲で、フランス人レーモン・クノーの小説(1956年)およびルイ・マル監督のフランス映画(1960年)をベースとしたものだった。大貫さんは「Comin' Soon」1986でセルフカバーしている。原曲のテクノっぽさから、現代的なアコースティック・サウンドになった以上に、原田の声の変貌が凄い。曲のイメージからして幼い感じの声のほうが似合っている感もあるが、ここでの声の圧倒的な存在感がそのハンディを凌駕している。本曲についての本人のコメントは以下のとおり(原田のホームページのインタビューから)。 オリジナルは時代的にテクノな音になっているけど、大貫さんは60年代のフレンチ・ポップみたいなイメージでこの曲を作ったと思うんです。そこをアレンジで引き出したいと思いました。 この曲は当時の少女の声で成り立っていると思うので、<どう歌えばいいだろう?>って悩みました。それで大貫さんがライブでこの曲を歌っていらっしゃるのを聴いたらすごく素敵で。自然に歌われていたんですよね。私も昔の声を忘れて、自然に歌うことを心掛けたらうまくいきました。 他の曲について (編曲 伊藤ゴロー 表示は[作詞作曲] オリジナル シングル 「アルバム」 発売年) 1. 時をかける少女 [作詞作曲 松任谷由美] 3枚目シングル 1983 「時をかける少女 オリジナル・サウンドトラック」。本人主演の同名映画(大林宣彦監督)の主題歌。松任谷は1983年にアルバム「Voyager」でセルフカバーしている。 2. ロマンス [作詞 原田知世 作曲 Ulf Turesson] 20枚目シングル 「I Could Be Free」1997。スウェーデン・ポップのプロデューサー、トーレ・ヨハンソンのアレンジを生かした編曲で、その分20年前との声の違いが際立っている。 3. 地下鉄のザジ 4. ダンデライオン〜遅咲きのタンポポ [作詞作曲 松任谷由美] 4枚目シングル「Birthday Album」1983。原田主演のミュージカル「マクドナルドミュージカル あしながおじさん」の主題歌。松任谷も1983年にシングルおよびアルバム「Voyager」でセルフカバーしている。オリジナルに比べてボーカルの音程が安定している。 5. 天国にいちばん近い島 [作詞 康珍化 作曲 林哲司] 6枚目シングル 「撫子純情」 1984。原田主演の同名映画(大林宣彦監督)の主題歌。オリジナルのバンド演奏に対し、ここでのピアノのみによる伴奏と歌唱が素晴らしい。 6. ときめきのアクシデント [作詞 来生えつこ 作曲 来生たかお] 2枚目シングル 1982。原田主演のTVドラマ「ねらわれた学園」主題歌。オリジナルはバンドサウンド。本作での伊藤ゴローのボサノバ・ギター1本のみの伴奏による歌唱が心地よい。 7. 愛のロケット [作詞 原田知世 作曲 トーレ・ヨハンソン] 「I Could Be Free」 1997。これも2.と同じくオリジナルを尊重したアレンジ。 8. 空と糸 -talking on air- [作詞 Linda Hennrick 作曲 鈴木慶一] 26枚目シングル 「My Pieces」2002。本アルバム唯一の英語歌詞の曲。アイルランド音楽のグループ、tricolorが参加している。 9. うたかたの恋 [作詞 原田知世 作曲 伊藤ゴロー] 「noon moon」 2014。3年前の曲のセルフカバーで、オリジナルのエレキピアノに対し、ここではアコースティック・ピアノ主体による伴奏。 10. くちなしの花 [作詞作曲 辻村豪族文] 「music & me」2007。キセルの提供曲。バンドサウンドのオリジナルに対し、ここでは原田初挑戦のギター弾き語り。シンプルなアルペジオのギターと伊藤のプログラミングのみをバックにした原田の歌唱が味わい深い。 11. 雨のプラネタリウム [作詞 秋元康 作曲 後藤次利] 9枚目シングル 「Nect Door」1986。トヨタ「NewカローラII」CMソング。本曲は初回限定盤のみにボーナストラックとして収録された。テクノポップのオリジナルに対し、ここでは変拍子による実験的なアコースティック・アレンジになっている。 なお初回限定盤には、1.「時をかける少女」と 2.「ロマンス」のミュージック・ビデオ(白い衣装を纏った彼女が 1. 白い壁の家の中で歌う 2. 湘南海岸で歌う)を収めたDVDが付いている。 上述のインタビューで原田は音楽について以下の通り語っている。 いますごくリラックスして歌うことができるんです。映画やドラマだと撮影期間中のスタッフどうしの関係は濃密なんですけど、撮影が終わるとみんなバラバラになって次にいつ会えるかわからない。でも音楽だと、最近は年に何回もゴローさんやバンドの皆さんに会える。そうするとなんかホッとして素でいられるんですよね。私にとって、ここ(音楽)が帰る場所になってきているんだと思います。 49歳になった原田の素の姿が味わえる逸品。 [2026年6月作成] |
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| ホリデイ渋谷系を歌う。 野宮真貴 (2017) A&M | |
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9. 哀しみのアダージョ (彼と彼女のソネット) [作詞 Catherine Cohen, Regis Wargnier 作曲 Romano Musumarra 日本語詞 大貫妙子 編曲 スパム春日井 坂口修] 9曲目 野宮真貴: Vocal スパム春日井: Keyboards 真藤敬利: Piano 石田純: Bass 平里修一: Drums 2016年11月12, 13日録音 「野宮真貴、渋谷系を歌う -2016-。"男と女” 」 於 Billboard Live Tokyo 2017年10月18日発売 写真下: Tiny Magic Of Christmas (2017年11月22日発売) Francfrancが制作したクリスマスCD で 7.「Fun Fun Christmas」の別ミックスおよび英語版収録。 1. Kanashimi No Adagio (Kare To Kanojo No Sonnet) Adagio Of Sorrow (His And Her Sonnet) [Words: Catherine Cohen, Regis Wargnier, Music: Romano Musumara, Japanese Lyrics: Taeko Onuki, Arr: Spam Kasugai, Osamu Sakaguchi] 9th Track by Maki Nomiya from the album "Holiday Shibuya-Kei Wo Utau" on October 18, 2017 |
| 2017年5月3日に夏のアルバム「ヴァカンス渋谷系を歌う。〜Wonderful Summer〜」を出した野宮真貴が同年10月18日に発表した冬のアルバム。11曲中7曲が冬の歌で、残り4曲はボーナストラックとして、前年11月に行われた「サウンドトラック渋谷系」をテーマとしたコンサートの実況録音等。 大貫さんが日本語詞を書いた 9. 「哀しみのアダージョ(彼と彼女のソネット)」(原田知世 Single 1987、大貫さん「Slice Of Life」1987 のカバー)は後者の範疇で、原曲の「T'en va pas」 Elsa 1986 は、フランス映画「La Femme de ma vie (邦題 悲しみのヴァイオリン)」の主題歌だった。ピアノの伴奏をバックに行われる野宮の曲紹介は以下のとおり。 次の曲は、フランスの13歳の少女エルザが歌う「哀しみのアダージョ」。90年代、エドウィンのジーンズのCMソングで聴いた方も多いでしょう。今夜は大貫妙子さん訳詞、原田知世さんが歌った日本語ヴァージョンでお届けします。「彼と彼女のソネット」。 原曲にほぼ忠実なアレンジで、丁寧に綺麗に仕上げている。数あるカバーの中で、野宮の声質と情感は曲に最も合っていると言えるね。 他の曲について (特記ない場合は 編曲 スパム春日井 坂口修) 1. 雪やコンコ [作詞 武笠三 作曲 不詳] 文部省唱歌。作詞者は国文学者。1911年(明治44年)の「尋常小学唱歌」が初出。 2. Winter's Tale 〜冬物語〜 featuring 高野寛(Duet) [作詞 高野寛 作曲 田島貴男] 高野寛 & 田島貴男 Single 1992。サッポロビールの冬季限定商品「サッポロ冬物語」CMソング。 3. The Bell That Couldn't Jingle [作詞 Larry Kusik 作曲 Burt Bachlach 日本語詞 小西康陽 編曲 スパム春日井] Paul Evans Single 1962。ラリー・キューシックは「Love Theme From "The Godfather" 」1972を書いた人。ポール・エヴァンスは作曲家でもあり、代表作は「Roses Are Red (My Love)」 Bobby Vinton 1962。 4. おもて寒いよね Baby, It's Cold Outside featuring 横山剣 (Duet) [作詞作曲 Frank Loesser 日本語詞 吾妻光良 & The Swinging Boppers] Betty Garrette & Red Skelton from the movie 「Neptune's Daughter」 1949。女を家に泊め置こうとする助平男と、はぐらかそうとするカマトト女による大人の掛け合いソング。とても多くの人達にカバーされた曲で、私が大好きなジェイムス・テイラーはナタリー・コール(2015没)と2004年、マリア・マルダーはタージ・マハールと2023年の録音がある。ここではクレイジーケン・バンドの横山剣との楽しいデュエット。 5. ウィンター・コンサート [作詞 橋本淳 作曲 荻田光雄] いしだあゆみ 1977。ティンパンアレイが演奏したいしだあゆみ(2025年没)の「アワー・コネクション」は異色の取り合わせだった。ここでのカバーは原曲に忠実で、イントロの鈴木のスライドギターも再現、歌い声も似ている。 6. 冬がはじまるよ featuring 鈴木雅之(Duet) [作詞作曲 槇原敬之] 槇原敬之 1991。1991年度、2011年度のサッポロビール「冬物語」のCMソング。ここではラッツ&スターの鈴木がデュエットで参加とあるが、実際はコーラスパートのハーモニーのみを担当している。 7. Fun Fun Christmas -Maki Nomiya'a Tiny Magic De Paris [作詞作曲 今井了介 Sunny Boy 編曲 今井了介] この曲のみカバーではなく、家具・雑貨販売会社の「Francfranc」がクリスマス・シーズンのために制作した曲で、2013年から2019年まで同じ曲を異なる歌手・アレンジで録音してキャンペーンで使用しCDを発売したもの。野宮は2017年に登場し、同じ曲の英語版と日本盤の2バージョンが収められたクリスマスCDが11月22日に発売された。本アルバムに収録された同曲は日本語版であるが、ドラムスが入っていない別ミックスになっている。ちなみに他の年の歌手は、2013年 Che'Nelle x TEE x LEO、2014年 Beni、2015年 Mondayみちる(英語版)、2016年 Ms.Ooja、2018年 青山テルマ、2019年 Lisa (編曲はいずれも今井了介。2016年以降は日本語版と英語版の2バージョンあり)。 以下は Bonus Track。続く3曲は、2016年11月12, 13日に行われたコンサートの録音で、「サウンドトラック渋谷系」がテーマ。8. 哀しみのアダージョ(彼と彼女のソネット) 9. Melody Fair [作詞作曲 Mauride Gibb, Robin Hugh Gibb, Barry Gibb 編曲 スパム春日井] Bee Gees 1969。ビージーズのアルバム「Odessa」1969に収録され、1971年の映画「Melody (邦題 小さな恋のメロディ)」(マーク・レスター、トレイシー・ハイド主演)の主題歌となり、とりわけ日本で愛された曲。わが青春の1曲です。 10. ラブ・スコール [作詞 槇小奈帆 作曲 大野雄二] サンドラ・ホーン1978。 テレビアニメ「ルパン三世」第2シリーズのエンディングテーマ曲で、当時久保田真琴の奥さんだったサンディーが歌っていた。曲は渋谷系アーティストからの評価が高い大野雄二(2026没)。 11. 夢みる渋谷 You Make Shibuya (盆踊りヴァージョン) featuring カジヒデキ [作詞 魚坂洋平 作曲 カジヒデキ] 野宮とカジが長谷部健渋谷区長より渋谷区基本構想の歌を作って歌ってほしいという依頼を受けて制作したもので、通常ヴァージョン、ダンスヴァージョン、盆踊りヴァージョンの3つあり、本アルバムには盆踊り版が収録された。なお録音には渋谷区長が手拍子で参加している。 盛りだくさんの内容のアルバムで、8.「哀しみのアダージョ(彼と彼女のソネット)」はボーナス・トラックの実況録音ということで、アルバムの本道ではないけど、オーセンティックなカバーとして一聴に値する出来。 [2026年5月作成] |
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| 明日はどこから 松たか子 (2017) Sony Music | |
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8. 空とぶペンギン [作詞作曲 大貫妙子 編曲 佐橋佳幸] 8曲目 松たか子: Vocal, Back Ground Vocal 佐橋佳幸: Guitars, Back Ground Vocal 石成正人: A. Guitar Dr.kyOn: B-3 Organ 浦清英: Piano 松原秀樹: Bass 坂田学: Drums 三沢またろう: Percussions, Glokenspiel 大滝裕子: Back Ground Vocal 2017年12月6日発売 8. Sora Tobu Penguin (The Flying Penguin) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Yoshiyuki Sahashi] 8th track by Takako Matsu from the album "Ashita Wa Doko Kara" on December 6, 2017 |
| 松たか子(1977- 東京都出身)は歌舞伎俳優の家に生まれ、その才能を引き継いで1996年に16歳で女優、その3年後に歌手としてデビューした。本作は前作から8年後に発表した10作目のアルバム。テレビドラマや映画の主題歌、CMソングなど、話題となった曲が多い中で、シンガー・ソングライターによる書き下ろし曲のひとつとして大貫さん作詞作曲の「空とぶペンギン」が入っている。 ファンタジックな内容のこの曲は、アルバムの中で一種の清涼剤的な役割を果たしているようだ。この曲は単独ではあまり強い印象を受けなかったけど、アルバムを通して聴いた時には、曲の良さが浮かび上がってくるような感じがした。それにしても翳りのない真っ直ぐな声の持ち主で、男女の屈折した歌よりもこの手の曲のほうが合っているね。本作の後2018年、ディズニー映画「アナと雪の女王」日本語版の主演エルサの声に採用され、「Let It Go」を歌ったのもむべなるかな。 他の曲について (特記ない場合は編曲者 佐橋佳幸) 1. 明日はどこから [作詞作曲 松たか子] 吉本興行の創業者をモデルとしたNHK連続テレビ小説「わろてんか」 (2017年10月〜2018年3月放送)の主題歌。半年間毎朝聴き続けるのにふさわしい感じだ。8年ぶりのシングル(22枚目)としても発売され、本人はこの曲で同年の紅白歌合戦に18年ぶりに出演した。 2. おとなの掟(歌: Doughnuts Hole) [作詞作曲 椎名林檎 編曲 斎藤ネコ、椎名林檎] TBS系火曜ドラマ「カルテット」2017 主題歌。各秘密をもつ4人の男女が出会って弦楽四重奏のチームを組んで繰り広げるドラマ。松たか子主演で共演者は満島ひかり、高橋一生、松田龍平。ドーナッツホールはカルテットのチーム名で、松と満島のデュエットに男性二人がコーラスを付けている。椎名林檎らしいピリッとした感じの曲だ。 3. 君の雨 [作詞作曲 Sans Sea] 軽快なJ-Popで、Sabs Seaはペンネームで作者は非公表。ネットでは星野源の作風に近いと囁かれている。 4. 恋のサークルアラウンド [作詞作曲 加藤ひさし(from ザ・コレクターズ) 編曲 ダージリン] 英国系ロックをスタイルとするザ・コレクターズのリーダーによる作品。ダージリンは佐橋とDr.kyOn(キーボード)によるユニット。 5. 三時の子守唄 [作詞作曲 細野晴臣 編曲 ダージリン] 細野のアルバム「トロピカル・ダンディー」1975に入っていた弾き語り曲で、もともとは映画「宵待草」のサントラ「冬の出逢い」に歌詞を付けたもの。西岡恭蔵のカバー(「ろっかばいまいべいびい」1975)のカバーが有名。ここではDr.kyOnのキーボードがいい味を出している。 6. いのちがつづく [作詞作曲 伊藤俊吾] 伊藤はキンモクセイの主要メンバー。 7. 奇跡のオト [作詞作曲 松たか子] 8. 空飛ぶペンギン 9. 笑顔をみせて [作詞作曲 松たか子] 2015年の綾瀬はるかを起用したセイコー ルキアのCM「輝く時篇」で流れた曲で、シングル「明日はどこから」のカップリングとなった。 10.つなぐもの [作詞 坂本裕二 作曲 松たか子 編曲 佐橋佳幸、山本拓夫] 2018年1月20日公開の映画「嘘を愛する女」(主演 長澤まさみ、高橋一生)主題歌の先行リリース。同棲していた恋人が倒れて昏睡状態になる。彼の免許証が偽造であることがわかり、私立探偵を雇って真実を探るストーリーの映画だ。 11. おとなの掟 (Bonus Track) (歌: Maki Maki) [作詞作曲 椎名林檎 編曲 斎藤ネコ、椎名林檎] 2.と同じバッキングトラックで松がひとりで歌うバージョン(巻真紀は彼女が演じる主人公の名前)。 12. おとなの掟 (カラオケ)(Bonus Track) [作詞作曲 椎名林檎 編曲 斎藤ネコ、椎名林檎] 本アルバムおよびシングル(「明日はどこから)」以降は新作のリリースはなく、本人の歌唱を聴けるのは映画(「アナと雪の女王」)、舞台(ミュージカル)、コンピーレーション・アルバムへの参加のみとなっている。 [2026年4月作成] |
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| 2018年 Pure Acoustic 2018 (2018/9/18) の頃 | |
| Carnival Studio Mule (2018) Studio Mule | |
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1. Carnival (Dance Edit) [作詞作曲 大貫妙子] シングルA面 2. Carnival (Extended Edit) [作詞作曲 大貫妙子] シングルB面 甲田益也子: Vocal Kuniyuki Takahashi: Trackmaker, Additional Producer 写真上: Carnival (Single) 2018年3月23日発売 (1, 2収録) 写真中: BGM (LP) 2019年4月18日発売 (1収録) 3. Carnival (Superpitcher Main Mix) [作詞作曲 大貫妙子] シングルA面 4. Carnival (Superpitcher Dub Mix) [作詞作曲 大貫妙子] シングルB面 5. Carnival (Superpitcher Ambient Mix) [作詞作曲 大貫妙子] シングルB面 甲田益也子: Vocal Superpitcher: Remix Kuniyuki Takahashi: Masterring 写真下: Carnival (Single) (Superpitcher Remixes) 2020年8月14日 (3, 4, 5収録) 1. Carnival (Dance Edit) [Words & Music: Taeko Onuki] Single A-Side 2. Carnival (Extended Edit) [Words & Music: Taeko Onuki] Single B-Side by Studio Mule(Vocal Miyako Koda) from the single on March 23, 2018 3. Carnival (Superpitcher Main Mix) [Words & Music: Taeko Onuki] Single A-Side 4. Carnival (Superpitcher Dub Mix) [Words & Music: Taeko Onuki] Single B-Side 5. Carnival (Superpitcher Ambient Mix) [Words & Music: Taeko Onuki] Single B-Side by Studio Mule(Vocal Miyako Koda) from the single on August 14, 2020 |
| Studio Musiq はToshiya Kawasaki (河崎俊哉)が2004年に設立した欧州・日本のエレクトロ・ミュージックを取り扱うレーベル。Studio
Muleはそのサブレーベルのひとつで、日本の音源をリリースしている。大貫さんのアルバム「Romantique」1980に入っていた「Carnaval」のカバーは、同レーベルの第3弾シングル・レコードとして2018年にヨーロッパで発売された。トラックメイキングとプロデュースを担当したKuniyuki
Takahashi (高橋邦之)は、日本とヨーロッパで活動するDJ、ゲスト・ボーカリストの甲田益也子(1960- 北海道紋別群出身)はモデル、女優、歌手。「dip
on the pool」、「Love, Peace & Trance」(細野晴臣がメンバー)というユニットでアルバム、シングルを出している人だ。彼女の歌声は大貫さんよりも暖かみを感じるが、感情を押し殺した知的な透明感が魅力的。 1.「Dance Edit」はオリジナルに敬意を表してか、オリジナルの坂本龍一のアレンジにかなり忠実なサウンド。一方B面の2. 「Extended Edit」はシンセと刻むリズムがより今風になっていて、かつ演奏時間7分半ということで、イントロや間奏のインスト部分で存分に遊びを入れている。なお1.「Dance Edit」については1年後に発売されたLPレコード「BGM」に収録された。 さらに当初シングル発売の約2年半後、Takahashi氏の知り合いのドイツ人のDJ、Superpitcher (aka pancha boys)によるリミックス版シングルが発売された。クリエイティブなジャケットデザインはニューヨークで活躍するイラストレイターのLilly Fei。3.「Main Mix」はシンセによるリズムの刻みを取り除き、代わりにパーカッションのリズムを入れ、コード進行をシンプルにすることで大きく雰囲気を変え、8分超の長尺演奏に仕立てている。4.「Dub Mix」はさらにひねりを入れて、クラブなどでトランス状態になって踊るのに適したサウンドに加工されている。そして5.「Ambient Mix」はタイトルのとおり、ミニマムな作りによる環境音楽風アレンジ。いずれもエコーを深めにかけた甲田のボーカルがまことに印象的だ。 「Carnaval」のエレクトロ・ミュージックをより進化させたサウンドを楽しめる。 [2026年5月作成] |
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| Endless Party 野佐怜奈 (2018) P-Vine | |
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5. ニュアンスしましょ [作詞 大貫妙子 作曲 EPO 編曲 なかじまはじめ、おおくぼけい] 5曲目 野佐怜奈: Vocal おおくぼけい: Keyboards 武藤良明: Guitar 勝原大策: Bass なかじまはじめ: Drums 2018年4月18日発売 5. Nuance Shimasho (Let's Do Nuance) [Words: Taeko Onuki, Music: EPO] 5th track by Reina Nosa from the album "Endless Party" on April 18, 2018 |
| 野佐怜奈(年齢非公表 神奈川県出身)は、アイドルっぽい風貌ながら抜群の歌唱力で「ひねくれたPops」を歌うシンガーだ。2006年のデビュー以来いくつかのユニットやバンドを経験し、高浪慶太郎との出会いによりソロ・デビュー。渋谷系の世界で歌謡曲寄りの独自のポップスを展開している。 本アルバムはそんな彼女による本領発揮のカバーアルバムで、テクノポップやノベルディー・ソングなど一筋縄で行かないような作品を選曲している。タワーレコードのサイト「Mikiki」2018年5月10日のインタビュー記事によると、作品コンセプトは「80sニューウェイブ」とのこと。当時流行っていた歌謡曲やポップスをニューウェーブ・サウンドと融合させながら、制作にあたり打ち込みを敢えて使用せず、生楽器で演っているところがミソ。テクノなサウンドを生演奏することで、プログラミングでは出せない「ズレ」が「気持ち良さ」を生み出すという。なるほど打ち込みの場合、無機的な感じがするけど、ここでの音楽は何か生々しさがあるね。 大貫さんが歌詞を提供しEPOが曲を書いた「ニュアンスしましょ」は、1984年に香坂みゆきが歌い、資生堂化粧品のコマーシャルに使用されてかなりのヒットを記録した曲。「原曲に寄りすぎてはいけないし、かといって自分らしさを出し過ぎるのも違うかなと。そういったバランスを意識した」とのことで、原曲を尊重したサウンド作りになっているが、アーバンギャルド(ポップロックバンド)のおおくぼけいによるカラフルなキーボード・プレイがカバー・バージョンとしての個性を形作っている。 その他の曲について (特記ない場合は 編曲 なかじまはじめ) 1. エンドレス・バレンタイン [作詞作曲 EPO] EPO Single 1990。 EPOロンドン移住時の作品。 2. Robot [作詞 松本隆 作曲 筒美京平] 榊原郁恵 Single 1980。 テクノ歌謡曲であるが、オリジナルも生演奏だった。 3. さいざんすマンボ[作詞 トニー谷 作曲 宮川哲夫 編曲 ビニール・ドーナッツ] トニー谷 宮城まりこ 1953。「あなたのお名前なんてーの?」、「アイブラユー」などとのたまうノベルティ・ソングの名曲。1987年に大瀧詠一プロデュースで再発されブームとなった。ここではヒカシューの巻上公一がアルバム「殺しのブルース」1992でカバーした少し歌詞が異なるバージョンのカバーで、アバンギャルドの松永天馬がゲストで一緒に歌っている。 4. Lolita Go Home [作詞 Philipp Labro 作詞 Serge Gainsbourg 日本語詞 小林麻美] Jane Birkin アルバム「Lolita Go Home」 1975。小林麻美が日本語詞を付けてシングル「雨音はショパンの調べ」のB面曲としてテクノ風サウンドでカバーした。 5. ニュアンスしましょ 6. Tokio [作詞 糸井重里 作曲 加瀬邦彦 編曲 なかじまはじめ、おおくぼけい] 沢田研二 Single 1980。派手なコスチュームでパラシュートを背に歌う沢田が今も名に焼き付いている曲。飛んだ歌詞は糸井さんだったんだね。 ロックとテクノがごっちゃになった面白いアレンジ。 7. ナイアガラ音頭 [作詞 大瀧詠一] 布谷文夫 With ナイアガラ社中 Single 「Niagara Triangle Vol.1」 1976。このカバーはよくやるね〜 リズムの刻むギター演奏、「Ondo」と合いの手を入れる野佐のアイドル声がオモロイ。 8. I Wish It Would Be Christmas Everybody [作詞作曲 鈴木さえ子] 鈴木さえ子 同名アルバム 1993。 鈴木慶一との共同作業による作品(当時は結婚前)。どちらもおもっちゃ箱をひっくり返したような楽しいサウンドで、カバーに際しヒネリをより効かせている。野佐の声質はこの曲にはぴったり。 9. ダンシング・ヒーロー [作詞作曲 Angelina Fiolina Kyte, Anthony Richard Baker 日本語詞 篠原仁志 編曲 Hisashi Saito] 荻野目洋子 Single 1985。原曲はイギリス人Angie Goldの 「Eat You Up」1985。2017年に大阪府立登美丘高校ダンス部が、この曲のバブリーダンスでセンセイションを巻き起こし、さらに2022年に振付師akaneと同部出身者を中心に結成されたプロのダンスチーム「アバンギャルディ」が、より発展させた振り付けで彼らの18番とした。ここでは本アルバムの中では最も過激な打ち込みによるEDM (Electronic Dance Music)アレンジが施されている。 10. 空洞です [作詞 坂本慎太郎 作曲 亀川千代 坂本慎太郎 柴田一郎 編曲 武藤良明] ゆらゆら帝国 同タイトルのアルバム 2007。オリジナルに比較的忠実なアレンジ。 11.人魚 [作詞 Nokko 作曲 筒美京平] NOKKO Single 1994。NOKKOは元レベッカのボーカリスト。本曲はフジテレビ系ドラマ「時をかける少女」の主題歌となり、2006年には安室奈美恵のカバーで大ヒットした。 全体的な傾向として、原曲の持ち味を生かしながら、ちょっとしたヒネリを入れているところが本アルバムの特徴。あまり自己主張しなくても、それでもちゃっかり個性を出している野佐の歌唱力と歌声の存在感がポイントとなっている。 売れっ子グラフィック・デザイナー真舘嘉浩(2021年没)によるトロピカルな緑と野佐が着る服色とのコントラストが鮮やかなジャケット・デザインも秀逸。 [2026年5月作成] |
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| チャランガぽよぽよ2 チャランガぽよぽよ (2018) ぽよぽよレコーズ | |
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3. メトロポリタン美術館 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 坂上領] 3曲目 高瀬 "makoring" 麻里子 坂上領: Ocarina 帆足彩: Violin 扇谷研人、野口茜: Piano 伊藤寛康、森田晃平: Bass 斎藤たかし: Drums 塩のやもとひろ: Percussion 注: 曲毎のパーソネルがないため、録音に参加した全員を記載しました。 2018年6月9日発売 1. Metropolitan Bijutsukan (Metropolitan Museum) [Words & Music: Taeko Onuki] 3rd Track by Charanga Poyopoyo from the album "Charanga Poyopoyo 2" on June 9, 2018 |
| 2001年フルート奏者の坂上領とバイオリニストの帆足彩が結成した「チャランガぽよぽよ」は、コミカルな名前で演奏曲もユーモラスなものが多いが、スタジオやライブで活躍するボーカリスト、ピアニスト、リズムセクションをメンバーに揃えてレベルの高い演奏を聴かせてくれる。「脱力系ラテンバンド(2007年からラテン系脱力バンド)」と自称するように、血がたぎる情熱というよりは、ラテンのリズムに乗った軽やかなサウンドが信条。コンセプトは「子供は夢を膨らませ、大人は子供心を取り戻す」。本作は、2014年の初アルバムに続く2枚目で(その後2023年に3枚目を出している)、「ぽよぽよレコーズ」という名前から自主制作と思われる。 バンドのブログ記事「チャランガぽよぽよ2 ☆曲目解説☆」(坂上と帆足の対談2018年5月15日付)によると、3.「メトロポリタン美術館」は、「ダンソン」というリズムによるアレンジとのこと。坂上は本職のフルートでない楽器を吹いていて、最初はホイッスルかなと思ったが、この対談からオカリナであることがわかった。 その音は曲のイメージに合っていて、間奏ソロもばっちり決まっている。高瀬のボーカル、帆足のバイオリンもいい感じの好演だ。 その他の曲について(全曲につき 編曲 坂上領。上記ブログの対談を参考としました ) 1. チャランガぽよぽよ2 [作詞作曲 坂上領 帆足彩 高瀬 "makoring" 麻里子] バンドのショーケース曲で、メンバー全員のソロが入っている。Aメロは坂上と帆足、Bメロは高瀬が書いたとのこと。 2. ひつじのショーン [作詞作曲 Tohmas Mark 訳詩 石井竜也] 「ひつじのショーン」はイギリスBBCで2007年から放送されたストップモーション・アニメーション(静止物体を1コマづつ動かしてカメラ撮影するアニメ手法)で、日本での放送の際には米米クラブの石井竜也が訳詞を付けて主題歌を歌った。「ボンバ」というラテンリズムで演奏しているとのこと。エンディングでの高瀬のひつじの鳴き真似が見事。 3. メトロポリタン美術館 4. Circulation [作詞 折笠富美子 作曲 坂上領] 坂上の別バンド「Open Sesami」のボーカリストで声優の折笠との共作。ゲストでバイオリンのNAOTOが加わっている。ラテンリズムで物事の循環を歌った爽やかな曲だ。 5. 小龍包とビールと私 [作曲 帆足彩] ユーモラスな中国風サンバ(!) のインストルメンタルで、高瀬による二胡風のハミングと演奏のブレイクの間に入れた小龍包の食べ方などの語りが傑作。パーカッションの大家、仙波清彦がゲストで参加している。 6. 虹になりたい [作詞 山川啓介 作曲 服部隆之] NHK教育テレビで2011〜2016年に放送された子供向け教養番組「フックブックロー」の挿入曲。番組では登場人物の一人野辺留しおりが歌っていて、その爽やかな歌声と素晴らしい歌詞で評判の高い曲だった。オリジナルで実際に歌った人は、本アルバム4.「Circulation」の作詞者、歌手・声優の折笠富美子。ここでの高瀬のボーカルも素晴らしい。 7. アタラシイオト [作曲 坂上領] フルートとバイオリンの掛け合いと合奏がメインのインストルメンタル。ラテン色薄目のジャズ・ワルツで、間奏のベースやピアノのソロも気持ち良い。 8. まるぼっち [作詞 帆足彩 作曲 坂上領] フルートとバイオリンのみによる演奏(帆足の作詞とあるが、実質的にはインストルメンタルで、エンディングでちょっとだけユニゾンのボーカルが入る)。一方がテーマ・メロディーやソロを奏でる時、他方がリズムと和音でしっかり伴奏を付けるところが巧み。 9. かんぴょう [作詞 北原白秋 作曲 福井文彦] 詩人の北原白秋が塩原温泉へ向かう途中で、栃木名物の干瓢干しを見て書いたもので、声楽家の人がピアノ伴奏で歌うのが一般的。ここでのラテン・アレンジが面白い。 10. おんなのこのしあわせ [作詞 高瀬 "makoring" 麻里子 谷川賢作 作曲 谷川賢作] 歌手の高瀬、谷川俊太郎の息子でピアニスト・作曲家の谷川賢作、ベーシストの大坪寛彦による現代詩を歌うユニットDivaの曲のカバー。当時小学校5年生だった帆足の娘が女の子の語りを入れている。坂上のティンホイッスルと帆足のバイオリンの掛け合いが聴きもの。 11. ワニのゲーナのテーマ [作曲 Mikhail Ziv] ゲーナはソ連の児童文学作家エドゥアルド・ウスペンスキー(1937-2018)が書いた絵本「ワニのゲーナ」の主人公。動物園で働くワニでパイプを咥えてアコーディオンを弾き歌うキャラであるが、登場人物の可愛らしいチェブラーシカのほうが人気が出て実質メインとなった。そのストップモーション・アニメは日本でも放送された。バンドはファースト・アルバムで「チェブラーシカ」も取り上げていて、後の2019年に日本における「チェブラーシカ公認バンド」になった。 12. コロブチカ [作詞 亜蘭知子 作曲 ロシア民謡] コロペイニキという行商人と村の娘の一夜の恋の詩に旋律が付けられて民謡化したもの。日本ではフォークダンスの曲として親しまれている。ロシア音楽のラテン・アレンジという一風変わった味付けであるが、意外にしっくりきている。高瀬以外のバンドメンバーも歌っているのが面白い。トランペットが聞こえるが、これは坂上が吹くEWI (ウインド・シンセサイザー)だそうだ。 13. 坂上くん [作詞 高瀬 "makoring" 麻里子 作曲 野口茜] スランプで悩んでいた坂上を励ますために作った曲とのこと。彼の名前から「坂道を上がること」を歌詞のテーマにした素敵な曲で、しっとりした感じでアルバムを終える。 ラテン・アレンジによる「メトロポリタン美術館」。 [2026年6月作成] |
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| 日焼けのあと / 海と少年 Sugarclip (2018) Space Shower Music | |
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2. 海と少年 [作詞作曲 大貫妙子] シングル・カップリング ひとみ(谷内里早): Vocal, Guitar 武田和矢: Guitar 板本恵太: Bass 宮田昌幸: Drums 黒沢秀樹: Producer 写真上: デジタル・シングル「日焼けのあと」 (2018年9月19日配信) 写真下: CDアルバム「Sugarclip」 (2025年4月16日 miobell recordsより発売)「日焼けのあと」、「海と少年」収録 2. Umi To Shonen (The Sea And The Boy) [Words & Music: Taeko Onuki] single coupling by Sugarclip from digital single "Hiyake No Ato"(Sunburn Marks) on September 19, 2018 |
| 谷内里早(1993- 東京都出身)は俳優の国広富之の娘で2008年よりモデルとしてデビュー。その後俳優やバラエティー番組などへの出演をしながら、2016年結成のメインクーンという名前のバンドのボーカル兼ギタリスト「川嶋ひとみ」として活動、2017年にバンド名をSugarclipに改名して、本人も「ひとみ」という名前に変えた。本シングルは2018年に配信したデジタルシングルだ。そして2018年12月以降のSugarclipは谷内里早のソロプロジェクトとなり、2021年いっぱいで音楽活動を休止した。 「日焼けのあと」は軽快な感じの曲で、当時24歳だった谷内の若々しい歌声を聴くことができる。カップリングの大貫さんの「海と少年」は、ボーカル、コーラス、バンドいずれもオリジナルに近い演奏で、その素直な姿勢に好感がもてる。 このシングルは配信のみで、CD、レコードは発売されなかったが、2024年に谷内があゆなとのデュオ「リリィ・シュリンプ」を結成して音楽活動を再開したことがきっかけとなり、元のバンドメンバーとの交流が復活して2025年、リリィ・シュリンプが作品を発表したインディー・レーベルから、インディーズ時代の発表曲、配信のみだった曲、未発表曲を収めたCDアルバム「Sugarclip」が発売された。 若いバンドによる素直な「海と少年」のカバー。 [2026年3月作成] |
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| ふたりぼっちで行こう 矢野顕子 (2018) Victor Entertainment | |
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6. 横顔 [作詞作曲 大貫妙子 編曲 矢野顕子] 6曲目 矢野顕子: Vocal, Piano 大貫妙子: Vocal 林立夫: Drums 2018年11月28日発売 6. Yokogao (The Profile) [Words & Music: Taeko Onuki, Arr: Akiko Yano] 6th track by Akiko Yano from the album "Futaribocchi De Yuko" (Let's Do, Just Two Of Us) on Novemeber 28, 2018 |
| 矢野顕子による12年ぶりのコラボ集(前回は「はじめてのやのあきこ」2006)。彼女が好きなアーティストと二人で、カバー、セルフカバー、共作曲を歌う企画で、本人は「その人の"今"と私の"今"を融合させて作る
(中略) まさにそのときどきにお互いが感じた"こうしたい"っている思いが、全部出せた」と語っている。 大貫さんとの共演 6.「横顔」は、矢野が「Super Folk Songs」1992でソロカバーした他、テレビ番組やコンサートなどで都度二人が共演していた曲だ(2000年の共演アルバム「Beautiful Songs」が、2007年にDVD 「音楽のちから 吉野金次の復帰を願う緊急コンサート」が発売されている)。「音楽ナタリー」2018年12月12日の矢野のインタビューで、彼女は本曲について以下のとおり語っている。 思えば、長く歌ってますからね。この曲は、情景が鮮やかというか........例えば、好きだったけど言えなかった先輩や友達がいてね。何年かぶりに会ったのに、自分のことをあまりよく覚えてくれていなかった。その時の「ああ、やっぱりなあ......」という気持ちって、男女の区別なく誰にも理解できますね。でも、そこに絶望感とかはなくてね。淡い寂しさはあっても、もともと誰もが、そうやって1人で生きているんだという感じもある。そういう微妙なバランスを表現するのが、大貫さんはほんっとにうまいです。彼女もやっぱり、日本有数のシンガーソングライターだと私は思っています。 矢野のピアノは聴く度に異なる演奏になっていけど、即興なのか予めアレンジしたものなのかわからないけど、ジャズの自由で伸び伸びした精神に満ちていて素晴らしい。二人が交互に歌い、コーラスの最後「ほしくないの」だけユニゾンになるところが洒落ているね。 他の曲について (青字は共演者) 1. When We're In Space [作詞 Reed Hays 作曲 矢野顕子 編曲 Reed Hays] Reed & Caroline 矢野が国際宇宙ステーションをモチーフとして書いたメロディーにニューヨークのアパートの隣人だったヴィンテージ・シンセサイザー奏者リード・ヘイズが歌詞をつけたもの。初期のムーグと同世代のBuchlaという古いシンセサイザーによる独特なサウンド。リードとユニットを組むオベリン・キャロラインがコーラスで参加している。本アルバムの中で唯一のテクノサウンドの曲。 2. パール [作詞作曲 吉井和哉 編曲 矢野顕子] 吉井和哉 The Yellow Monley のシングル、およびアルバム「8」収録曲。吉井は同グループのボーカリスト、ギタリスト。 3. バナナが好き [作詞 矢野顕子 作曲 YUKI 編曲 矢野顕子、YUKI] YUKI ユキはJudy And Maryのボーカリスト。ミュージック・ビデオあり。 4. 父 [作詞 矢野顕子 作曲 奥田民生 編曲 矢野顕子、奥田民生] 奥田民生 アルバム制作の少し前の父を亡くした二人が作ったお父さんの歌。 5. 大人はE [作詞作曲 松崎ナオ 編曲 矢野顕子、鹿の一族] 鹿の一族 同グループのボーカリスト松崎ナオがソロ時代の2003年に出した「大人サンバ」(アルバム「Flor Trem」収録)の歌詞を書き直したもの。 6. 横顔 7. Rose Garden [作詞作曲 矢野顕子 編曲 矢野顕子、上妻宏光、仙波清彦] 上妻宏光。矢野のアルバム「ただいま。」1981収録曲のセルフカバーで、邦楽の三味線、打楽器奏者との共演。 8. ただいまの歌〜ふたりぼっちで行こう ver.〜 [作詞 矢野顕子、U-zhaan、環Roy、鎮座Dopeness 作曲 矢野顕子 編曲 U-zhaan] U-zhaan×環Roy×鎮座Dopeness これも「ただいま。」1981収録曲のセルフカバーで、タブラ奏者とラップ・シンガーとの共演。 9. Smile [作詞 John Turner、Geoffrey Parsons 作曲 Charlie Chaplim 編曲 矢野顕子] 平井堅 チャップリンの映画「Modern Times」1936で使われたメロディーに1954年歌詞を付けてナット・キング・コールが歌ったもの。 10. あなたとわたし [作詞 糸井重里 作曲編曲 矢野顕子] 前川清 矢野が敬愛する前川との共演。素晴らしい出来栄えで、NHKのラジオ番組「ラジオ深夜便」で流れた。なお本曲については「ほぼ毎日イトイ新聞」2018年11月20日〜27日に3者による対談が掲載されている。 11. やさぐれLove [作詞作曲編曲 矢野顕子、細美武士] 細美武士 細美はロックバンド Ellegardenなどでボーカル、ギターを担当したシンガー・ソングライターで、矢野はDVD「音楽のちから〜吉野金次の復帰を願う緊急コンサート〜」2007(Varios シングル、コンピレーションの部参照)で彼の曲「右手」を歌っている。本曲は2009年のコンサート「矢野顕子リサイタル」で二人が共演した際に共作した曲の正式録音。 上記の「音楽ナタリー」のインタビューで、各曲についてのコメントがありますので、是非ご覧ください。 矢野さんと大貫さんのデュエットによる「横顔」のスタジオ録音。 [2026年4月作成] |
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| 2019年 Pure Acoustic 2018 (2018/9/18) Taeko Onuki Concert 2022 (2023/6/16) の頃 | |
| City Lights 2nd Season 田中裕梨 (2019) SMR | |
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8. ニュアンスしましょ [作詞 大貫妙子 作曲 EPO 編曲 箭内健一、中村祐介] 8曲目 田中裕梨: Vocal 中村祐介(Blu-Swing): Keyboard 小島翔 (Blu-Swing): Guitar 蓮池真治(Blu-Swing): Bass 宮本 "ブータン" 知聡(Blu-Swing): Drums 田口"Tag"悟史: Sax 鈴木敦史 a.k.a. チャランペッター: Trumpet 箭内健一, 中村祐介: Producer 写真上: CD(2019年1月23日発売) 写真下: LPレコード(2019年9月11日発売) 1. Nuance Shimasho (Let's Do Nuance) [Words: Taeko Onuki, Music: EPO, Arr: Kenichi Yanai, Yusuke Nakamura] 8th track by Yu-ri Tanaka from the album "City Lights 2nd Season" on January 23, 2019 |
| 2016年のアルバムが好評だった「City Lights」の第2弾。J-Popの名作を、オリジナルのアレンジや歌唱をあまり変えずに、彼らなりのグルーヴで調理するという企画は同じで、彼女が所属するクラブ・ジャズバンド、Blu-Swingの中村祐介が箭内健一とタッグを組んでプロデュースとアレンジを担当し、同グループのメンバーが伴奏している。 大貫さんが歌詞を提供しEPOが曲を書いた「ニュアンスしましょ」は、1984年に香坂みゆきが歌い、資生堂化粧品のコマーシャルに使用されてかなりのヒットを記録した曲。ほぼ同時期にあたる前年の能佐怜奈のカバーと同じく、清水信之の打ち込みと思われるオリジナルに対して、バンド演奏によるバックで歌っているけど、アレンジ的にはこちらのほうがオリジナルに近いかな。 その他の曲について (曲名 [作詞作曲] オリジナル・アーティスト 発表年 「収録アルバム」。 特記 編曲は箭内健一、中村祐介) 1. プラスチック・ラブ [作詞作曲 竹内まりや] 竹内まりや 1984 「Variety」。山下達郎編曲によるオリジナルは、2010年代後半からYouTube再生により海外で爆発的な人気が出た。 2. スノッブな夜へ [作詞 小林和子 作曲 野力奏一] 国府友里恵 1983 「Relief 72 Hours」。林哲司プロデュースによるジャパニーズ・ファンクの傑作。 3. 私はピアノ [作詞作曲 桑田佳祐] サザンオールスターズ 1980 「Tiny Bubbles」。原由子がボーカルを担当。ここでのアレンジは同年の高田みづえのカバー 12枚目のシングル、アルバム「Imagination」のものに近い。 4. メインテーマ [作詞 松本隆 作曲 南佳孝] 薬師丸ひろ子 1984 3枚目のシングル。薬師寺が主演した同名映画の主題歌。ここでのアレンジは南佳孝によるタイトルと歌詞が少し違う同年のセルフカバー「スタンダード・ナンバー」17枚目のシングル、アルバム「冒険王」のものに近い。 5. 君たちキュウイ パパイア マンゴーだね [作詞 中原めいこ 森雪之丞 作曲 中原めいこ] 中原めいこ 1984 6枚目シングル 「ロートスの果実」。カネボウ化粧品の夏のキャンペーンのテーマ曲。 6. 東京ララバイ [作詞 松本隆 作曲 筒美京平] 中原理恵 1978 デビューシングル 「Killing Me」。 7. Street Dancer [作詞 橋本淳 作曲 筒美京平] 岩崎宏美 1980 「Wish」。ロスアンゼルス録音によるAORの名作。 8. ニュアンスしましょ 9. くちびるヌード [作詞作曲 EPO] 高見知佳 1984 15枚目シングル。資生堂化粧品春のキャンペーン・ソング。作者のEPOも同年「くちびるヌード・咲かせます」というタイトルでセルフカバーしている(アルバム「Hi・Touch-Hi・Tech」収録)。 10. スカイレストラン [作詞作曲 荒井由美] ハイファイセット 1975 4枚目シングル。もともとTVドラマ「家庭の秘密」のために書いた曲が没になり、同じメロディーで歌詞を書き直したものが荒井由美の「あの日に帰りたい」(6枚目シングル)になった。そして没になったもとの歌詞に村井邦彦が曲を付けて「スカイレストラン」になったという。荒井由美がもとの歌詞とメロディーで歌ったデモが存在していて、YouTubeで聴くことができる。 1970年代後半から1980年代前半までの誰でも知っている、または知る人ぞ知る隠れた名作集「City Lights」はシリーズ化され、2022年には「3rd Season」が発売されたが、そこには大貫さんの作品は入っていなかった。その後2024年に大貫さんの「4:00 A.M.」がシングルで発売され、さらに2026年発売の「4th Season」に同曲と「新しいシャツ」が収録された。 [2026年8月作成] |
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| ココベース 花澤香菜 (2019) Sacra Music | |
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6. ミトン [作詞 大貫妙子 作曲 岡村靖幸 編曲 佐橋佳之] 6曲目 花澤香菜: Vocal, Back Vocal ENA☆: Back Vocal 佐橋佳幸: Guitars, Programming, Footsteps, Producer 石川鉄男: Programming 2019年2月20日発売 写真上: 初回限定盤 (2019年2月20日発売) DVD、写真集付き 写真中: 通常盤 写真下: 写真集「KOKO de BASE」 6. Mittens [Words: Taeko Onuki, Music: Yasuyuki Okamura, Arr: Yoshiyuki Sahashi] 6th track by Kana Hanazawa from the album "Koko Base" on Febuary 20, 2019 |
| 花澤香菜(1989- 東京都出身)は、幼稚園の時に子役でデビュー(1990年代後半のテレビ番組「やっぱりさんま大先生」の映像が残っている)、 2003年(14歳の時)に初めて挑戦した声優業は大学生の頃から本格的になり、卒業後の2011年にブレイクする。そして2012年に23歳で歌手としてデビュー、美しく澄んだ声と完璧なヴォイス・コントロール、愛くるしい容貌・キャラで超売れっ子になった。花澤さんの紹介は以上の通り最小限にして、アルバム「ココベース」の話に入りたいと思います。 本作品は5枚目のアルバムで、花澤が30歳になった区切りとして、ただ突っ走ってきた自分の生き方を改め、リラックスした状態で周りをよく見て前に進むことを目指し、「今自分が立っている場所が、自身の基盤になっている」という意味のタイトルにしたとのこと。これまでとは違う作品を作るべく、彼女が学生時代に聴いて心の支えになった音楽を作った人達に曲作りを依頼するという企画を立てて、プロデューサーの佐橋が人脈を駆使して実現させた。 「ミトン」における大貫さんと岡村靖幸の組み合わせは佐橋のアイデア。彼が両者と密接な仕事上の関係があったために実現した企画だ。音楽情報・配信サイト「OTOTOY」の2019年2月20日付けの花澤のインタビューで、彼女は本曲について以下の通り語っている(引用は一部です、全部を読みたい方は 元ソースを参照ください)。 (前略) 一度、レコーディングに大貫さんが来てくださって、しかも一緒にブースに入って、私の後ろで「ああ、そこ違う!」と言ってくださったんです。こんなことがあるんだ、と贅沢な時間を過ごさせていただきました。しかも大貫さんの歌詞がめちゃくちゃ可愛いんですよ!スッと読めてしまうんですけど、そこに大貫さんの愛情とか想いがたくさん詰まってて。 (中略) いろんなメッセージが散りばめられているので、じっくり読んでほしいですね。 ロックな曲が多い中で、本曲は最もJ-Popらしい感じの曲。「ミトン」は手袋の一種で、親指以外の4本の指がひとつの袋になっているタイプ。片方の手袋を亡くした純真な乙女の心情を描いた大貫さんの歌詞と、奇抜な音選びを得意とする大貫さんをさらに過激にしたような岡村の跳ねたメロディーの取り合わせが素晴らしい佳曲となった。花澤は曲に合わせて少女チックな声で歌う。ちなみに岡村は2013年の「大貫妙子トリビュート・アルバム」(Various Artists)で大貫さんの「都会」をカバーしている(本ディスコグラフィー「都会」参照)。バック・ボーカルのENA☆は、作詞家(2007年デビュー)・歌手(2009年デビュー)で、山下達郎、竹内まりやのバックコーラスやCMソング、ドラマ挿入歌を歌っている人。本アルバムでは「ゆうのそら」の作詞を担当している。 他の曲について (編曲 佐橋佳幸 各曲についての本人解説は上記のインタビューを参照ください) 1. マイ・ソング [作詞作曲 山内総一郎] フジファブリックのギターとボーカル。 2. 大丈夫 [作詞作曲 槇原敬之] 花澤が主人公の声を担当したテレビアニメ「レイトン ミステリー探偵社 〜カトリーのナゾトキファイル〜」のエンディングテーマ。プロモ・ビデオあり。槇原は説明不要。 3. おとな人間 [作詞作曲 橋本絵莉子] チャントモンチー(2018年解散)のボーカル、ギター、キーボード。 4. パン [作詞作曲 浜野謙太] ファンクバンド、在日ファンクのボーカル兼リーダー。ここではバックも同グループが担当している。パン好きな花澤のために作られた曲。 5. Change![作詞作曲 オカモトショウ] ロックバンド Okamoto's のボーカル、ギター。同グループがバックを担当。 6. ミトン 7. Tact [作詞 花澤香菜 作曲 佐橋佳幸] 佐橋のアコギを中心とした伴奏。 8. 春に愛される人に わたしはなりたい [作詞作曲 水野良樹] いきものがたりのギタリスト。 9. おしえて [作詞作曲 関取花] シンガー・ソングライター。 10. 満月の音 [真島昌利] ザ・クロマニオンズ、ましまろのギタリスト。 11. ゆうのそら [作詞 ENA☆ 作曲 ハルナ] ENA☆は上述参照。ハルナはシンガー・ソングライターで、山下達郎のバックボーカルを務めている人。2022年に出したアルバム「Hometown」で、大貫さんの「いつも通り」をカバーしている。 12. Ready To Go [作詞 花澤香菜 作曲 佐橋佳幸] 30歳になった女性の決意表明のような曲。 ロックな、少しファンクな曲があり、花澤の歌声・イメージからは意外な感じであるが、いつもよりは太目の声色で歌っている。この手の音楽を好んで聴いていることがわかる。 [初回限定盤のDVDと写真集について] DVD (花澤香菜 Acoustic Sessions at Sony Music Studio) 佐橋のアコギ伴奏のみによる無観客での演奏 13. 若者のすべて [作詞作曲 志村正彦] 2009年29歳で亡くなったフジファブリックの志村が書いた名曲で、多くの人がカバーしている。花澤は恐らくライブで歌っていたようで、正式録音はこれのみ。ここでの彼女のボーカルは素晴らしい。佐橋はスティール弦のギターを使用。 14. Trace [作詞 岩里祐穂 作曲 mito] 2015年のアルバム「Blue Avenue」がオリジナル。佐橋はナイロン弦のギターを弾いている。 15. Making Movie: Photo Session 「KOKO de BASE」 写真集の撮影セッションを記録した動画。渋谷・代官山の芝生(パン)や店 カフェ(ハンバーグ)、和食(さんま定食)、中華(麻婆豆腐と餃子)での食事風景の撮影ロケの模様を捉えたもの。楽しそうな、美味しそうな食べっぷりが健康的。 最初はいかにも声優っぽい声が気になるけど、歌の内容を理解してしっかり聴くと良さがわかってくる。 [2026年7月作成] |
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| Kana Hanazawa Concert Tour 2019 -ココベース- Tour Final 花澤香菜 (2019) | |
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9. ミトン [作詞 大貫妙子 作曲 岡村靖幸 編曲 佐橋佳之] 9曲目 花澤香菜: Vocal 佐橋佳幸: Electric Guitar 斎藤有太: Keyboards 井上富雄: Bass 高橋結子: Drums ゴンドウトモヒコ: Manipulator, Flugelhorn 井田彩花: Dancer 荻島梨沙: Dancer 収録: 2019年4月29日 新宿文化センター 2019年9月25日発売 6. Mittens [Words: Taeko Onuki, Music: Yasuyuki Okamura, Arr: Yoshiyuki Sahashi] 9th track by Kana Hanazawa from the DVD "Kana Hanazawa Concert Tour 2019 -Koko Base- Tour Final" on September 25, 2019 |
| 2月20日にアルバム「ココベース」を出した花澤がアルバム・プロモのために2年振りに行ったツアーは、4月6日の愛知県一宮市から29日の東京新宿までで、その中には広州、上海の中国公演2ヵ所も含まれていた。本DVDはその最終公演となる新宿文化センターでのコンサートを収録したもの。 曲目は以下の通り。(特記ない場合はアルバム「ココベース」収録曲) 1. マイ・ソング 2. Change! 3. パン 4. おとな人間 5. 染まるよ [作詞作曲 福岡晃子、橋本絵莉子] チャットモンチー2008 10枚目シングル(日本テレの ドラマ「トンスラ」主題歌のカバー 6. おしえて 7. Tact 8. 春に愛される人に 私はなりたい 9. ミトン 10. Brand New Day [作詞作曲 矢野博康] セカンドアルバム 「25」 2014 11. 大丈夫 12. 25 Hours A Day [作詞 岩里祐穂 作曲 北川勝利] セカンドアルバム 「25」 2014 13. Call Me Everyday [作詞 西郷郷太 作曲 北川勝利] シングル「Silent Snow」カップリング 14. 恋する惑星 [作詞 岩里祐穂 作曲 北川勝利] 5枚目シングル、セカンドアルバム 「25」 2014 15. あたらしいうた [作詞 花澤香菜 作曲 北川勝利] 10枚目シングル 2016、4枚目アルバム 「Oppotunity」2017 16. 恋愛サーキュレーション {作詞 meg rock (日向めぐみ) 作曲 神前暁j] テレビアニメ「化物語」オープニングテーマ曲。花澤が声優として出演していた。 17. We Are So In Love [作詞作曲 矢野博康] アルバム「Blue Avenue」2015 18. Ready To Go 19. 星空☆ディスティネーション [作詞作曲 北川勝利] 1枚目シングル 2012 アルバム「claire」2013 20. おやすみ また明日 [作詞 花澤香菜 作曲 北川勝利] アルバム「claire」2013 オーディエンスはみな熱心なファンで、4と8の後で長いトークが入ったり、赤→白→緑へ衣替えするなど、音楽以外のパーソナリティーや視覚面を重視したコンサートになっている。前半は抑え気味の曲が並ぶが、大貫さんの 9.「ミトン」から軽快な曲になり、ミトンを手に嵌めた二人のダンサーが登場して踊ることで、盛り上がってゆく。曲目の約半分が新作「ココベース」の曲であるが、終盤はファンお馴染みの定番曲が並び、最高潮でエンディングを迎え、最後は佐橋のアコギのみの伴奏で、静かに終わる。 特典映像は、広州体育館(4月12日)と上海Mercedes-Benz Area(4月14日)の中国公演の模様を写したもので、中国の街中を歩く花澤、リハーサル、コンサートの模様を観ることができる。コンサートは多くの観客を動員した大変大がかりなもので、彼女の同国における人気の高さを物語っている。そして曲間に彼女が中国語で語りかけるシーンもあって、中国語を熱心に勉強していたことが伺える。 彼女が声を担当したアニメが中国が大ヒットしたことで人気に火がついたとのこと(彼女の名前「香菜」が中国語で「パクチー」の意味であることも受けたらしい)であるが、現在中国との関係悪化のため、コンサート活動など自粛しているようだ。それでも日本公開の中国アニメの声の吹き替えを担当したり、現地のスマホゲームとコラボしたり、人気は健在。 [2026年8月作成] |
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